「非対面型産婦人科」で心理的障壁をなくす…女性アプリDr.Bellaの挑戦

直接訪問の負担軽減
緊急避妊薬の処方からサービス開始
遠隔医療を臨時的に許可 6月終了
国民認識の改善...引き続き議論が必要

「診療に対する心理的ハードルが高い産婦人科分野こそ、非対面化が必要だと考えました」（MotionLabs｟モーションラボ｠イ・ウジン代表）

新型コロナウイルスをきっかけにdr.now（ドクターナウ）、ollacare（オーラケア）、goodoc（グッドク）など多様な非対面診療プラットフォームが登場した。最近では、MotionLabsの女性ヘルスケアアプリ「Dr.Bella（ドクターベラ）」が産婦人科非対面診療サービスを開始した。産婦人科分野だけに特化した非対面診療サービスは、国内ではDr.Bellaが初めてだ。

アプリで産婦人科専門医と相談

使用法は他のサービスと類似している。ユーザーがアプリで非対面診療を申請すると、アプリ内で専門医とつながる。電話で診療を受けた後、処方箋をもらったり、薬局に処方箋を送信して薬の配送サービスを受けることができるようにするシステムだ。ただし、Dr.Bellaのアプリでは最近の性交日、月経日など多様な産婦人科系の情報で、別途の説明なしに記録だけで診療を受けることができる。

MotionLabsのイ・ウジン代表は「産婦人科に行くこと自体に拒否感がある患者が多く、社会的視線も依然として否定的な場合が多い。」とし「非対面の活用が必要なサービスであるとともに、Dr.Bellaの既存サービスとの連携にも問題がなかったため始めた。」と説明した。

Dr.Bellaは2020年8月にサービスを開始し、女性たちが様々な疾患や症状について専門医に直接質問し、回答を受けることができる「専門医無料相談サービス」を運営してきた。これとともに、自分の生殖健康を能動的に管理できる「セルフケアカレンダー」と「女性健康コミュニティ」機能も提供した。

新たに始めた医療サービスは、計72カ所の提携産婦人科・乳房甲状腺外科を中心に運営されている。ソウル地域では、提携薬局との協力を通じて医薬品を当日配送する「安心配送」サービスも提供する。

緊急避妊薬の処方から開始

遠隔医療は現行法上違法だが、パンデミックの状況で2020年2月に臨時許可された「期限付きサービス」は今年6月に終了を控えている。これをきっかけに非対面診療に対する国民の心理的障壁は下がったが、正式に許容されるかどうかは未知数である状況。

医療界では依然として誤診の可能性、個人情報の流出、大型病院への集中などを理由に遠隔医療の許容に否定的だ。この中でも産婦人科の非対面診療は特に反対の声が高い。母親と胎児の両方を診療すべき産婦人科の特性上、電話だけでは正確な診断が難しいということだ。

MotionLabsもこのような雰囲気を考慮して、まずは緊急避妊薬の処方とこれに関連した診療のみを提供することにした。イ代表は「専門医の意見を最大限反映したサービスを作るために努力している」とし「専門医によって遠隔診療が可能だと判断する項目に違いがあるため、できるだけ彼らの意見収束がなされた項目から一つ一つ始める予定」と言った。

Dr.Bellaは緊急避妊薬の処方を皮切りに、膣炎、膀胱炎、月経痛、妊婦の風邪・頭痛・消化不良などの項目で診療を拡大する予定だ。現在、診療可能な緊急避妊薬の処方を除いた残りの項目は試験版のみ作られた状態だ。

イ代表は「非対面診療に対する認識が重要なキーワードになるだろう」とし「現政府が肯定的な見方のようなので、議論に積極的に参加する予定」と付け加えた。

MotionLabsは今年2月、Hyundai Marine & Fire Insurance（現代海上火災保険）、Insight Equity Partners（インサイト・エクイティパートナーズ）、The Invention Lab（ザ・インベンションラボ）から約7億ウォン（約7,000万円）の追加投資を誘致した。累積投資金額は10億ウォン（約1億円）だ。

写真：今年2月、ソウル瑞草区のある病院で専門医が非対面診療を行っている。ニュース1

https://www.hankyung.com/it/article/202205248931i