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Kakao「約300億円規模の共生基金、スタートアップなどに活用」

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カカオ「約300億円規模の共生基金*、スタートアップなどに活用」

写真:(左から)ホン・ウンテクセンター所長、キム・ソンスセンター所長、ナム・グンフン代表

 

6日にKakao(カカオ)懇談会が開催された。

Kakaoが、社会と共存する持続可能な成長方案を公開し、本格的な実行に乗り出す。

カカオ共同体アライメントセンター(Corporate Alignment Center、以下CAC)のキム・ソンス、ホン・ウンテク共同センター長と、ナム・グンフン新任代表は6日、オンライン記者懇談会を通じて、Kakao共同体の共生案と「Beyond Korea」ビジョン達成のためのグローバル事業展開方向について発表した。

Kakaoと主要関係会社は、パートナーがデジタルを活用して持続可能な成長を行うことができるよう、小規模事業主および地域パートナー、デジタルコンテンツ創作者、公演芸術創作者、モビリティプラットフォーム従事者、スタートアップおよび社会革新家、地域社会、デジタル弱者支援などに、5年間で3000億ウォン(約305億円)の共生基金を活用する方針だ。

Kakaoは、新型コロナウイルスにより非対面が日常化され、デジタル化が加速されている状況で、小規模事業主のデジタルコミュニケーションを助けるための「所信商人」プロジェクトを、上半期中に開始する。

所信商人プロジェクトは、所信を持って事業を運営する全国の商人が、Kakao Talkチャンネルで常連客を確保し、モバイルマーケティングを広げることができるように支援するプログラムだ。

Kakaoは、デジタルコミュニケーションに慣れていない事業者のために、直接訪れる専担「デジタルサポーターズ」を運営し、オンラインオーダーメイド教育コンテンツも提供する。Kakao Talk チャンネル運営費用を支援し、商店のマーケティングおよび常連客の募集を支援する「Kakao Talk チャンネル広報キット」を配付するなど、多様な支援案を提供する計画だ。Kakao Payと連携し、小規模事業主のための「所信商人簡単決済」も支援する。

Kakao Talkは上半期中、いくつかの伝統的な市場を対象に、パイロットプログラムを実施し、関係機関および団体と協力し、全国的にプロジェクトを拡大していく。

また、農水産物が、ものの価値をすべて受け取るよう、販路を開いてくれる「チェカボチ(제가버치)」プロジェクトも拡大運営し、農水産物生産者と消費者を連結することを支援する。

Kakao は2021年8月から、供給過剰が予想される農産物を大量に買い取り、共同注文プラットフォームである、Kakaoメーカーズを通じて販売してきた。現在までに買収した農産物は、計651トンで、産地直送商品が公開されるたび、完売となる成果を収め、農産物の価格安定化に寄与した。今年からは、地域と商品群の幅を広げ、農業、漁業を支援する計画だ。



Kakao は、創作者の収益を拡大するためには「グローバルオリジナルIPプラットフォーム」として、作家たちの世界市場進出の、地歩を固める役割をしなければならないという意見を集め、グローバルな歩みを続ける一方、創作者らの様々な問題を解決し、支援するのに共生基金を執行する。


まず、Kakao エンターテインメントは、創作者が持続可能な創作活動を繰り広げられるよう、今後5年間に少なくとも100億ウォン(約10億円)を出資し、「Kakao エンターテインメント創作支援財団(仮称)」を設立する。

当財団は、創作支援はもちろん、創作過程で生じる創作者たちの心理治療支援、著作権問題解決などのための法律的支援など、多様な処遇改善プログラムを提供する予定だ。

これと共に、産学連携などを通じて、文化創作教育を提供し、予備創作者を育成、多様な創作機会を支援する計画だ。Kakao エンターテインメントは、創作者エコシステムの透明な精算システムを設けるため、CPだけでなく、作家までも精算内訳を確認できるシステム構築を上半期までに仕上げ、Viewer(ビューアー)アンド広告収益配分など、作家の収益拡大のための案も継続的に改善していく。


Kako Gamesは、インディーズ/中小開発会社の投資および支援を拡大する予定であり、デジタル疎外階層のゲーム文化体験支援と業界人材養成に取り組む方針だ。

デジタル創作者と共に支援する分野は、公演芸術分野だ。カカオは、アーティストの創作活動を支援し、K-POPコンテンツ産業に寄与するため、韓国初、最大規模の音楽公演専門施設である「ソウルKakaoアリーナ」設立を進行中だ。

Kakaoは、アリーナを通じて、疎外された芸術家らの成長機会創出のための共生プログラムを運営する予定だ。公演芸術専門家養成と市民の文化芸術鑑賞のためのアカデミー運営、青少年の文化芸術インフラ支援など、地域社会との共生に先駆けている。


Kakao Mobility(カカオモビリティ)は、利害関係者とのコミュニケーションを継続し、プラットフォーム従事者の収益と処遇改善および産業の高度化に寄与し、最終的には、より良い生活への移行を支援する。

Kakao Mobility は現在、社会的責任強化行動の一環として「共生諮問委員会」と「モビリティ透明性委員会」を運営しており、プラットフォーム従事者の収益を拡大するため、昨年9月からプロメンバーシップ料金引き下げ、ブルーサービスキャンセル料配分、運転代行者変動手数料率の改善など、措置を続けている。

Kakao Mobility は、より根本的に既存産業の持続発展可能な基盤を設け、モビリティ市場を活性化させることができる方案を模索中である。

より良い乗車と配車を望む需要に合わせ、多様な商品やサービスを供給することで、実質的にタクシー運転手の収益が増大し、産業が高度化できるように貢献する方針だ。このためタクシー業界、政府、関連機関と継続的に対話し協議していく。

モビリティ市場の未来への支援も準備する。走行距離や充電ステーションのインフラが不足しているため、電気自動車への転換が難しいタクシー業界のための案を準備中だ。

また、移動弱者支援のための多様な代替案を検討し、モビリティ業界全体が社会的にプラスの影響力を及ぼすように努力する計画だ。

Kakao Mobility は、これまで検討してきた信頼基盤の共生およびESG経営方案を、4月7日に発表する。



ホン・ウンテクセンター長は「共生は、Kakaoが成長する上でやっていかなければならないミッションではなく、不可欠な本質であり、社会と企業が相互持続可能な成長を続けることができる核心価値」とし、「小規模事業主のデジタル転換が成功できるように支援し、パートナーが実質的な収益を得ることができるよう、支援を惜しまない」と強調した。

Kakaoは、社会の期待に応え、10年後の未来のための新たなビジョンである「Beyond Korea」を実現するため、グローバルへの歩みを本格化する。

このためキム・ソンスセンター長は、海外売上の割合を10%から3年以内に30%に拡大し、今年カカオ共同体の海外売上を、前年比40%以上引き上げると明らかにした。

Kakao共同体は、プラットフォーム、コンテンツ、IPを基盤に、グローバル拠点地域を確保し、共同体間シナジーを通じ、シェアを拡大していく計画だ。

Kakao Piccoma成功経験とビジネスノウハウをもとに、日本市場でゲーム、メタバース、NFTなど新しい事業機会を模索し、Kakao Piccoma はフランスを皮切りに、ヨーロッパ市場を本格攻略する。

France Piccomaは、日本の有名出版社とフランス出版社が提供する日本漫画とスマートフォンに最適化された韓国、日本、中国のウェブトゥーンを同時サービスしながら、ヨーロッパ市場全域に事業を拡大していく。

Kakaoエンターテインメントは、米国と、ASEAN、中華圏、インド市場で、ウェブトゥーンおよびウェブ小説プラットフォーム事業を中心に、世界市場を本格攻略し、2024年までにグローバル取引額を、現在の3倍まで成長させる計画だ。

北米地域の場合、Tapas(タパス)、Radish(ラディッシュ)、Wuxiaworld(ウシアワールド)の三角編隊を中心にシナジーを最大化し、2024年までに北米取引額5000億ウォン(約500億円)達成を目標に、事業を積極的に推進する。

ASEAN市場でも、Kakaoウェブトゥーンプラットフォームおよび1万余におよぶオリジナルIP能力を集中し、影響力を拡大する。斬新なUX/UIと多彩なジャンルのIPを通じて、タイと台湾で1位に乗り出し、インドネシアでもカカオページをKakaoウェブトゥーンにリブランドする計画だ。

Kakaoエンターテイメントの音楽とメディア事業も、世界市場進出に拍車をかける。音楽事業では、世界中のファンダムを備えたグローバルアーティストIPを発掘・育成し、特に北米地域をはじめとするK-POPコア国で、現地のノウハウと専門能力を備えたインフラを構築し、アーティスト活動を全方位的に支援する。

メディア事業は、制作能力を備えたトップクリエイターと共に、ドラマ、映画、芸能など、グローバルを狙ったプレミアムコンテンツIPを披露し、グローバルメジャースタジオとして位置づける。

CACは「Beyond Korea」の推進のため、主要系列会社が参加する「グローバルシナジーTF」を組織する。共同体間コンテンツ、インフラ、ネットワークなど相互協力接点を発掘する一方、グローバル/未来/核心事業分野のM&A、持分投資、グローバル企業との協力体系も支援する方針だ。

キム・ソンスセンター長は「カカオ共同体が社会の期待に応え、成長の果実をパートナーと分かちあえるよう支援する」とし「社会的役割について考え、社会と約束した責任を果たしていくよう努力する」と述べた。



原文:https://platum.kr/archives/183776


*農漁村共生協力基金(共生基金)は、2015年のFTA(自由貿易協定)を控えて農民の反発が激しくなると、貿易利益共有制の代案として造成された基金。共生基金は①教育·奨学事業②福祉増進事業③農漁村地域開発及び活性化事業④共同協力事業⑤現物拠出事業などの用途にのみ使用される。


/media/Platum
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