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AI半導体スタートアップ「Rebellions」、KTから300億ウォン資金調達… AI半導体同盟

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AI半導体スタートアップ「Rebellions」、KTから300億ウォン資金調達… AI半導体同盟

AI半導体設計(ファブレス)のスタートアップ企業である「Rebellions(リベリオン)」は、KTから300億ウォン(約31億円)の戦略的資金調達をおこなった。Rebellionsはこれに先立ち、620億ウォン(約64億円)規模シリーズA資金調達をおこなっていた。

Rebellionsは、AI半導体分野で優秀な開発人材と水準の高いオンデマンド半導体(ASIC)設計競争力など、差別化された地位を固めてきた会社だ。

Gartner(ガートナー)などよると、ロボット、自律走行などAIサービスが本格化し、クラウドベースのAIサービスが拡大しながら、グローバルAI半導体市場が、2021年267億ドル(約3兆6,120億円)から2030年1,179億ドル(約16兆円)と、10年間で約4倍以上の成長を見せると予想された。

しかし韓国は、メモリ半導体生産で圧倒的1位を記録しており、ファウンドリ(半導体委託生産)シェアも世界2位であるのに対し、ファブレス(半導体設計)分野でシェアは1%水準にとどまり、大企業とファブレススタートアップのウィンウィンが重要な状況だ。

今回のKTの全面的な投資と事業協力が、ファブレス分野の有望主である「Rebellions」の国内外市場競争力の牽引のきっかけになると期待される。

Rebellionsは昨年、AIインフラソリューションの専門企業であるMOREH(モレ)に続く、KTの2番目のAIインフラ分野戦略投資スタートアップだ。KTは、これら企業と協力し、AI半導体分野に本格進入、DIGICO(KTデジタルプラットフォーム)の成長を加速し、未来事業機会を確保する方針だ。

世界的に、AIサービス開発に必要なコンピューティングインフラストラクチャ構築におけるNVIDIA(エヌビディア)社のGPUシェアは80%に近づいている。NVIDIAへの依存度が高まっているのは、ほとんどのAIサービス・ソリューションが、NVIDIAから提供しているソフトウェア「CUDA」をベースに開発されているからだ。CUDAがサポートできなければ、GPUのAI演算活用に限界があった。

KTは外産GPU依存度を克服するとともに、中長期AI能力を確保し、国家AI競争力を強化するため、韓国スタートアップとの協力に乗り出した。これにより昨年、kt cloudがリリースした従量制GPUサービスである「HyperScaler (ハイパースケール)AIコンピューティング(HAC)」に、CUDAをサポートできる独自のAIフレームワークを適用し、NVIDIA以外の他の半導体会社のGPUなどにも、同じ開発環境が提供できるよう支援している。

KTは既存に進めてきた事業協力にRebellionsを参加させ、次世代AI半導体設計と検証、大容量言語モデル協業など、AI半導体事業のコントロールタワーの役割を果たしていく予定だ。

KTは、KTグループのAIインフラおよび応用サービス、MOREHのAI半導体駆動ソフトウェア、RebellionsのAI半導体能力を融合し、GPU数千枚規模に達する超大規模「GPUファーム」を年内に構築完了し、2023年には該当GPUファームに、ハイパースケールAIコンピューティング専用に独自開発したAI半導体を融合する計画だ。

KT主導の協業で開発するAI半導体は、AIアルゴリズムに最適化されたNPU(Neural Processing Unit)で、複雑なアルゴリズムでも優れた性能を示すだけでなく、GPU比3倍を超えるエネルギー効率と安価な導入コストが長所だ。今後、データセンター、自律走行など、多数の領域で需要が増加するNPU市場を開拓し、先取りするという戦略だ。

特に、AI専用半導体が適用されると、既存の「ハイパースケールAIコンピューティング」の効率性を最大化し、韓国主要企業、AIスタートアップ、大学などに、さらに安価で性能の高いAIインフラを提供できるようになる。

さらに、Rebellions、MOREHと協業で、差別化されたAI半導体を開発し、KTが推進しているモビリティ、金融DXなど、多様な領域で活用する計画だ。

Rebellionsのパク・ソンヒョン代表は「韓国初の戦略的投資家として、Cloud/IDC分野の絶対強者であるKTとの協業は、Rebellionsの新たな成長と事業の動力になると期待する」とし、「Rebellionsの優秀な開発競争力をもとに、KTとのAI半導体国産化を超え、純粋な国産技術力が、グローバルで競争力があることを見せる」と明らかにした。

KTのク・ヒョンモ代表は「AI半導体は、韓国の次世代必須分野になる核心領域であるだけに、韓国AI半導体分野のリーダーであるRebellionsが、KTとのコラボレーションを通じて、NVIDIAとQualcommのようなグローバルファブレス企業になることを期待する」と強調し、「投資環境は難しくなっているが、優秀なスタートアップに対するKTの投資は、継続的に拡大される」と述べた。


原文:https://platum.kr/archives/188843

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