技術スタートアップに2兆ウォン以上、官・民共同資金投入
技術スタートアップに2兆ウォン以上、官・民共同資金投入
独歩的な技術を持つ新産業の有望なスタートアップに、官民共同で5年間に2兆ウォン(約2,080億円)以上を投入する事業が進行される。
中小ベンチャー企業部は11月3日(木)10時、ソウル創造経済イノベーションセンターで「先端未来産業スタートアップ育成戦略発表懇談会」を開催した。
今回の懇談会でイ・ヨン長官は「先端未来産業スタートアップ育成戦略:超格差スタートアップ1,000+プロジェクト(以下、超格差スタートアップ1,000+プロジェクト)」を発表し、現場の意見を聞いた。
超格差スタートアップとは、グローバル市場に進出できるほどの独歩的な技術力を持っている新産業スタートアップだ。韓国は超格差スタートアップが誕生する可能性は十分だ。
主要新産業分野で優れた技術力を持っており、国家の技術競争力や技術開発に対する投資も高い水準だ。2017年以降、全体創業で新産業分野の技術創業が占める比重も大きく増加している。
しかし、創業・ベンチャーエコシステムの重要な指標であるユニコーン企業の数を見てみると、2022年上半期基準、韓国のユニコーン企業は23社で、このうち技術基盤企業は3社に過ぎない。
国家間の技術覇権争いが激化し、米国、欧州、中国など主要技術先導国が技術力確保とグローバル市場先占に総力を傾けている状況を考えると、先端未来産業スタートアップ育成の果敢な政策が必要だ。
「超格差スタートアップ1,000+プロジェクト」は2つの注目すべき特徴がある。
まず、これまでの創業支援政策が特定の技術や分野に区分なく、業歴に応じて普遍的に支援してきたのとは異なり、国家競争力確保に必須である10大先端未来産業スタートアップに、核心支援手段を果敢に投入することで、急速に成長することができるよう支援するのだ。
また、これまで創業支援政策の対象は、業歴7年未満の企業だったが、2022年に改正施行された「中小企業創業支援法」をもとに、業歴10年まで支援対象に含めるという点も、既存政策と差別される部分である。
「超格差スタートアップ1,000+プロジェクト」の主な内容は以下の通りだ。
まず、有望新産業分野のうち、スタートアップの世界市場進出の可能性が高い10大分野を選定した。10大分野は、システム半導体、バイオ・ヘルス、未来モビリティ、エコ環境・エネルギー、ロボット、ビッグデータ・AI、サイバーセキュリティ・ネットワーク、宇宙航空・海洋、次世代原発、量子技術だ。
「中小企業創業支援法」上の新産業分野と国家戦略技術など、国内・外の主要機関で選定した有望新産業分野を中心に、分野別技術水準と市場の見通し、スタートアップ進出の必要性などを総合的に検討し、多くの専門家と現場の意見を幅広く収集し選定した。
次に、5年間で1,000社以上の有望なスタートアップを発掘する。
発掘方式は、公開募集型、民間および省庁推薦型、民間投資型の3つで構成される。公開募集型は、超格差分野別評価団を構成し、技術力と成長性を評価することになる。技術力評価は、技術専門性を持つ主管機関などが、成長性評価はベンチャーキャピタルや創業企画者のような民間投資機関が参加する。
民間および省庁推薦型は、大・中堅企業と新産業分野別所管省が、技術力と成長性を認めるスタートアップの推薦を受け、選抜することになる。
民間推薦の対象は、大・中堅企業が実質的な協業を目的に育成しているスタートアップだ。民間投資型は、民間投資市場から成長可能性を認められた企業を選抜することになる。
民間(TIPS運営会社)が、スタートアップに3億ウォン(約3,130万円)以上を投資して推薦すれば、推薦された企業の中で、事業性とグローバル進出の可能性などを考慮し、選抜する。
選定された超格差候補群には、選定方式によって特化した支援が続く。
まず、公募型と推薦型は、保有した技術力を高度化し、事業化につなげるように選定後、3年間で最大6億ウォン(約6,260万円)まで技術事業化資金を支援する。最大限の支援を受けるためには、企業自ら資金調達努力を並行するなど、主導的な役割をしなければならない。
これに加えて、最大2年間6億ウォンまで支援するR&Dプログラムを利用することができる。
民間投資型は、成長の可能性を後押しできるよう、選定後、最大3年間15億ウォン(約1億5,650万円)のR&D資金を支援する。これに加え、創業事業化と海外マーケティング費用を、それぞれ1億ウォン(約1,043億円)まで支援を受けることができる。
5年間に選ばれる超格差スタートアップには、政府の技術事業化およびR&D資金と民間の対応投資資金を含め、2兆ウォン(約2,087億円)以上の資金が投入される見通しだ。
同時に、スタートアップの技術完成と事業化を支援するため、超格差分野別に政府出演研究所のように技術専門性を持つ機関を主管機関に選定する。
主管機関は技術移転、共同研究および委託研究、実証過程支援などを通じて、スタートアップが保有する技術の高度化を支援する。
さらに、製品とサービスを事業化し、市場に参入できるように支援する。主管機関は、基本的に専門人材、研究施設などR&Dに関連する能力を保有しなければならず、主管機関選定過程で、スタートアップ専担部署や自社運用ファンドなど、スタートアップ育成に必要な機能を持つ機関を優待する計画だ。
基本支援以後、民間投資市場から大規模な資金調達を受けたり、グローバル企業と納品契約を締結するなど、成果が際立つ上位コア企業は、別途の後続事業化資金を受けることができる。
選抜規模は、年間20社前後であり、選抜された企業はグローバルスケールアップを促進するための事業化資金を2年間最大10億ウォン(約1億400万円)まで受けることができる。
また、有望新産業分野に対する民間投資を促進するため、1,100億ウォン(約115億円)規模の「超格差ファンド」を新設し、海外資本を流入する「グローバルファンド」を現在約6.3兆ウォン(約6,575億円)規模から2023年末まで8兆ウォン(約8,350億円)水準に拡大し、超格差スタートアップに対する政策資金および保証を優待するなど、本格的なスケールアップを支援するための内容も含まれている。
最後に、各省庁で推進している様々な政策を有機的に連携する。
各省庁は、超格差候補群を推薦する際、所管支援事業との連携の可能性を考慮し推薦することになり、中小ベンチャー企業部は、選定された企業の需要を把握し、核心支援手段*とともに、各省庁のR&D、人材育成、インフラなど、企業の成長と運営に不可欠な政策と連結する。
これまで新産業スタートアップ現場では、新産業開拓の困難を継続的に吐露してきた。成果を出すまでの長い期間、莫大な費用が必要な新産業の特性上、資金調達が容易ではなく、初期資金調達から大きな障壁だったからだ。民間投資市場でも、新産業の重要性と可能性は認めているが、投資に対する負担が大きかったため、連結が容易ではなかった。
このような状況で2兆ウォンを上回る投入は、投資市場にはリスクを減らして資金流入を促進し、スタートアップには直接的に問題を軽減し、新産業スタートアップの育成に大きな効果があると期待される。
イ・ヨン長官は「国家経済の未来を導くのはスタートアップ」とし、「未来成長の可能性が高い先端未来産業分野に、民間と政府の能力と手段を集中的に投資し、グローバル市場をリードする超格差スタートアップを必ず誕生させる」と明らかにした。
写真:中小ベンチャー企業部イ・ヨン長官
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