投資寒波の中で100億ウォン以上の資金調達をしたスタートアップ4社
投資寒波の中で100億ウォン以上の資金調達をしたスタートアップ4社
これまで好況を享受してきたスタートアップ市場にも景気低迷で投資の寒波が襲っている。2022年の上半期のスタートアップ投資動向報告書を分析したスタートアップアライアンスによると、VCの2021年上半期全体の投資金額は4兆4279億5000万ウォン(約4,400億円)、下半期全体の投資金額は7兆3007億5000万ウォン(約7600億円)に増加傾向を続けている。昨年歴代の高点を記録したが、2022年に入りその流れが崩れ始めて以来、ついに下半期からは市場に資金源がなくなったという話が出回るほど激しい干ばつに入った。
こうした中、差別化された技術力と事業能力で企業価値を立証し、シリーズA初期投資段階から100億ウォン(約10.5億円)以上を投資金で確保したスタートアップが注目されている。
臨床試験市場のデジタル転換をリードする「JNPMEDI」
医療データプラットフォーム企業JNPMEDIは、最近140億ウォン(約14.7億円)規模のシリーズAで資金調達を完了した。
今回のシリーズAは、シンガポール最大のローカルファンドであるTemasekの成長投資専門子会社であるPavillion Capital(パビリオンキャピタル)がリードし、KakaoVentures、Murex Partners(ミューレックスパートナーズ)AJU IB INVESTMENT(アジュIB投資)、Gentium Partners(ジェンティウムパートナーズ)など初期投資会社が後続投資会社として参加した。JNPMEDIは現在、医療プラットフォーム市場で最も大きな関心を持つ企業の一つとしてスポットライトを受け、2023年に本格的な事業拡大を準備している。
JNPMEDIはクラウド、ブロックチェーンなどIT基盤の臨床試験データ管理プラットフォーム「Maven Clinical Cloud(メイブンクリニカルクラウド)」を自社開発し、製薬、バイオ、デジタル治療剤、デジタル医療機器など多様な領域に適用している。特に、分散型臨床試験(DCT)ソリューションである「Maven DCTスイート(Maven DCT Suite)」は対面で進行していた臨床試験過程をデジタルに切り替えたという点で注目を集めた。
JNPMEDIはこれまでスピードが速かった臨床試験業界でデジタル転換を先導していく技術力を保有しているだけでなく、これを基に関連機関会社との協力事業も活発に進めており、VCから高い企業価値を認められたようだ。今回のシリーズAの資金調達を基点にJNPMEDIは技術力高度化とともにグローバル市場進出にも拍車をかけるという抱負だ。
フードリテールから日常領域まで人工知能ロボット技術を適用する「XYG」
サービスロボット分野のスタートアップであるXYZ(エックスワイジー)は21日、シリーズAで100億ウォン(約10億5,000万円)の資金調達に成功したと明らかにした。既存の投資会社HUMAX(ヒューマックス)が後続投資を断行し、マルチプルクロージング方式で新たに参加したMAGNA INVESTMENT、韓国投資パートナーズ、現代自動車グループZER01NE(ゼロワン)、Bilanx Investment(ヴィランスインベストメント)、Samsung Venture Investment(サムスンベンチャー投資)の計6つの機関が参加した。
XYZは、食品小売市場から日常空間まで、さまざまな分野に適用できる人工知能(AI)ロボット技術を開発するスタートアップだ。これまで、バリスタロボットやアイスクリームロボットなど作業負担を軽減してくれる自動化フードロボットや、人間による操作の必要がない無人化フードロボットを公開している。10月には、ロボットと客の間に仕切りが無い、韓国初のオープン型無人ロボットカフェ「X-EXPRESS(Xエクスプレス)」1号店をソウル城水洞(ソンスドン)にオープンした。
ロボットアームを活用したF&Bサービスロボットを重点的に開発してきたXYGは先月23日、超小型配信ロボット「ストレージ」の実物を三成洞(サムスンドン)COEX「2022ソウルカフェショー」で初公開した。ストレージはX・Y・Z軸に自由に移動できる。また、建物内の統合システムと接続されてエレベーターを呼び出して階数を入力する方式で階間移動が可能である点が特徴だ。
XYGは今回の投資をもとに人工知能ロボティクス技術をさらに高度化し、サービス領域を拡張していく計画だ。特に、建物内でロボットが食品・飲料の製造からの配膳までを総合的に行う「ロボットビルディングソリューション」を通じて、ロボット自動化技術の適用範囲を拡大していく計画だ。
人工知能フードスキャン技術で食品データを分析する「Nuvilab」
フードテック企業のNuvilab(ヌビラボ)も去る10月、100億ウォン(約10.5億円)規模のシリーズA資金調達を完了した。今回の調達のリード投資会社はは、Smilegate Investment(スマイルゲートインベストメント)がリードし、既存の投資会社We Ventures(ウィベンチャーズ)、ソウル投資パートナーズ、CAPSTONE(キャップストーン)パートナーズと新規投資会社GS(ジーエス)、Dayli Partners(デイリーパートナーズ)、UTCインベストメント、新韓資産運用などが参加した。Nuvilabは先の2021年7月にNAVERなどから初期投資を受けたことがあり、以後急速な成長傾向を見せ、今回のシリーズAの資金調達も成功裏に終えた。
人工知能によるフードスキャン技術で食品データを分析する環境に優しいキッチンソリューションを提供するNuvilabは、ビッグデータと人工知能技術を活用して捨てられる食品を減らし、地球温暖化問題と個人の食習慣の不均衡問題を解決しようとしている。
最近、ESGに対する社会的関心も増加するとともに、大企業、公共機関、政府機関、学校など70余りの機関がNuvilabのソリューションを積極的に導入した。Nuvilabを導入した企業や機関では、平均的に約26%以上のフードロスを減らす成果を見せており、このデータをもとに海外の有名グローバル企業からもラブコールを受けている。また、個人が摂取した栄養素やカロリーなどの情報を提供してくれるNuvilabのヘルスケアソリューションも、最近急成長しているヘルスケア産業とマッチし人気を集めている。
中小・中堅企業経営陣のためのリアルタイムデータ分析サービス「Hyperlounge」
中小中堅企業経営陣のためのリアルタイムデータ分析サービス企業Hyperlounge(ハイパーラウンジ)は2022年11月に106億ウォン(約11.2億円)規模のシリーズA資金調達を終えた。今回の投資にはシンガポールのAltara Ventures(アルタラベンチャーズ)、FuturePlay(フューチャープレイ)、Stonebridge(ストーンブリッジ)、BAパートナーズ、ユギョンPSG、Nextrans(ネクストランス)など韓国内の有力な投資会社が多数参加し、中堅SI企業のuclick(ユークリック)が戦略的投資家として共にした。
2020年末に設立されたHyperloungeは、経営コンサルティングノウハウとデータ収集、分析、可視化技術などを融合し、月ごとのサブスクリプション型経営分析SaaSを開発した。既存のデータ分析ツールやサービスとは異なり、中小企業経営陣のために特化したシステムで、サービス利用時の初期投資や人材採用の負担なく、経営に必要なデータと分析を毎日モバイルで提供する。
Hyperloungeは今年2月のサービス商用化後、現在までMom's MATCH、JUNG SAEM MOOL BEAUTY(ジョンセムビューティー)、LocknLock(ロックンロック)など消費財・製造・化学・B2Bなど多様な分野の20社以上の顧客会社を確保し、今後3年以内に外部データまで拡張した幅広いインサイトを提供する予定だと明らかにした。また、サービス運営を通じて収集された企業の実データを活用して標準化されたビッグデータ分析サービスまで提供する計画だと明らかにした。
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