企業規模に比べて実益のないK-ユニコーン...投資低迷期における「実質的な成長」に問題
企業規模に比べて実益のないK-ユニコーン...投資低迷期における「実質的な成長」に問題
韓国のユニコーン(企業価値1兆ウォン以上の非上場企業)の中で、昨年過去最大の売上を記録し、規模を拡大した企業が多数登場した。しかし、赤字幅が拡大したり、キャッシュフローが悪化するなど、財務健全性において「赤信号」がともる企業も少なくないことが分かった。投資低迷期により外部からの資金調達が容易ではない状況で、企業が自立力を持つため成長戦略を立てることが彼らの急務となっている。
5日、金融監督院によると、「配達の民族」を運営するWoowa Brothers(ウーワブラザーズ)は、昨年の連結決算基準で2兆9,471億ウォン(約2,934億円)の売上高を出し、過去最大の業績を記録したという。前年に比べて46%増えた数値だ。特に、営業利益は4,241億ウォン(約422億円)となり、2019年から続いた赤字の泥沼から抜け出すことに成功した。
新型コロナウイルスによるパンデミックや在宅勤務などで配達の注文量が3倍近く急増し、加盟飲食店数が2倍以上増加したことが今回の業績の主な要因となった。加盟飲食店の増加は、主力収益商品であるウルトラコール広告(アプリに表示させる広告)の収入増加につながった。
ただし、今後も黒字基調が続くかどうかは分からない。新型コロナウイルスのエンデミック移行により、配達注文が減少しているためだ。消費者と飲食店が一緒に負担する配達料の影響も大きい。
保持現金はまだ潤沢だが、新たな突破口を開くことが最大の課題である。Woowa Brothersは、配送料の負担を軽減するため「まとめて配達サービス」を追加する一方、コマース事業も拡大している。外部業者が加盟して販売する商品の取り扱いリストを増やしていく計画だ。
Kurly・Tossが過去最大の売上高を記録も赤字幅は拡大
Kurly(カーリー)のキム・スルア代表が24日、ソウル市中区の大韓商工会議所で開かれた「新企業家精神宣言式」で祝辞を述べている。/写真=キム・フィソン記者 hwijpg@
株式公開(IPO)計画を撤回し、財務健全性の悪化に対する懸念が提起されていたKurly(非上場 23,000ウォン▲100 +0.44%)は、期待以上の業績を記録した。昨年の連結決算基準で、売上高は2兆372億ウォン(約2,029億円)となった。前年に比べて30.5%増加した結果で、創業以来初めての2兆ウォン超えだ。
それでもなお、赤字に苦しんでいる。営業損失は2,335億ウォン(233億円)で前年比7.3%とやや減少し、企業の財務健全性を示す指標である「営業活動キャッシュフロー」も1,575億ウォン(約157億円)の損失を示している。
Kurlyは今年、物流センターの拡充と昨年11月に発表したBEAUTY Kurly(ビューティーカリー)を通して、収益性の改善に集中するという方針だ。新型コロナウイルスのエンデミックとともにEコマース分野の競争が激化しており、外形的な成長とともに実質的な成長も可能なのか注目されている。
モバイル金融プラットフォーム「Toss(トス)」を運営する Viva Republica(ビバリパブリカ{非上場 40,100ウォン▲350 +0.88%})は、初めて1兆ウォン台の売上を記録した。昨年の連結決算基準で、売上高は1兆1,888億ウォン(約1,185億円)となり、前年の7,807億ウォン(約778億円)に比べて52.2%増加した。しかし、問題は営業損失が2,472億円(約246億円)で、前年の1,796億円(約179億円)に比べて38%大きく増加したことだ。
Viva Republicaはこれを、新事業拡大の過程で避けられない「2歩前進のための1歩後退」的な赤字だと規定した。2021年に発足したToss bankが大きな利息利益を出しながら急速に成長しており、今年は黒字転換の可能性が高いと予想されている。
旅行・レジャー・宿泊プラットフォームのyanolja(ヤノルジャ{非上場 44,900 ウォン▼500 -1.10%})は黒字を記録したが、収益性が悪化した。昨年の連結決算基準で、売上高は6,045億ウォン(約602億円)となり、前年の3,302億ウォン(約329億円)に比べて83%増加した。営業利益は89%減の61億ウォン(約6億円)となった。
yanolja cloudの投資やinterpark(インターパーク)の買収などで、支出費用が大幅に増加したため、収益は減少したが、売上成長を牽引する要因となった。yanoljaは今年、旅行プラットフォームだけではなく、クラウドソリューション事業などポートフォリオの多様化を通じて収益性を強化するという目標を掲げた。
"クリプトウィンター"によりDunamu・Bithumb共に業績不振
画像=キム・ヒョンジョンデザイナー
韓国の仮想通貨取引所1・2位のUPbit(Dunamu 非上場107,500원 0.00%)とBithumb(Bithumb korea 非上場101,000 ウォン 0.00%)は、昨年の「クリプトウィンター」(仮想通過の価格が急落し、市場からの資金流出が続く現象)の余波で業績が低迷している。Dunamuは昨年の連結決算基準で、売上高は1兆2492億ウォン(約1,245億円)となり、前年の3兆7,045億ウォン(約702億円)に比べて66.2%減少した。営業利益は75.2%減の8,101億ウォン(約807億円)となった。
Bithumb koreの売上高は3,201億ウォン(約318億円)で68.3%減り、営業利益は79.1%減の1,635億ウォン(約163億円)だ。両企業の売上減少は、グローバル流動性が縮小した状況で、Terra/LUNAの暴落、FTXの破綻などが重なり、クリプトウィンターが深刻化したためとみられる。
これによる仮想通過取引の急減で、取引所の主な収入源である「手数料収益」が大幅に減少し、両社とも営業利益が70%以上減ったのだ。また、Bitcoin(ビットコイン)・Ethereum(イーサリアム)など、主要仮想通過の相場が下落したことが、下落幅をより拡大させたという分析だ。
両企業は、手数料収益を補完する新しい収入源を探している。DunamuはNFT(非代替性トークン)ビジネスに力を入れる計画だ。HYBE(ハイブ)と共同で設立した合弁会社Levvels(レベルス)を通じて、NFTとエンターテイメントを組み合わせた事業を進めている。
Bithumbは仮想通貨ウォレット「Burrito(ブリート)」をローンチし、ウォレット事業に拍車をかけている。BithumbのBurritoウォレットは、ビットコイン・イーサリアム・バイナンス スマートチェーン・klaytn(クレイトン)・Solana(ソラナ)・Polygon(ポリゴン)・Casper Network(キャスパーネットワーク)など、合計7つのメインネットを利用できるマルチチェーンウォレットで、1,300以上のトークンを管理することができる。
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023040416061444832
2021年に発足したUNICORN FACTORY(ユニコーンファクトリー)は、MONEY TODAY(マネートゥデイ)が韓国の総合誌で初めてスタートさせたスタートアップ専門のメディアプラットフォームです。 溢れるニュースの中でスタートアップ生態系に必要なニュースだけを厳選し深く伝えます。
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