韓国、2024年第1四半期のベンチャー投資1.9兆ウォン・ファンド結成2.4兆ウォン
韓国、2024年第1四半期のベンチャー投資1.9兆ウォン・ファンド結成2.4兆ウォン
韓国の中小ベンチャー企業部(省)は13日(月)、経済副首相が主宰する非常経済長官会議で2024年第1四半期の韓国のベンチャー投資及びファンド結成動向を含む「ベンチャー投資現況診断及び対応策」を発表した。
2024年第1四半期の韓国のベンチャー投資市場の主な動向及び示唆点は次の通り。
まず、2023年のベンチャー投資の回復傾向は2024年第1四半期も続いている。新規投資(1.9兆ウォン、約2,170億7,900万円)・ファンド組成(2.4兆ウォン、約2,741億9,400万円)共に前年同期比6%、42%増加し、第1四半期基準で最近5年間(2020~2024)にそれぞれ年平均6%、23%増加するなど、良好な流れが続いている。
また、米国など主要なベンチャー投資先進国と比較しても明らかな回復傾向を示した。ドル換算で2024年第1四半期の韓国のベンチャー投資はコロナの感染拡大前(2020年第1四半期)より15%増加したが、米国(10%減少)・英国(8%減少)などは2020年第1四半期を下回った。
また、宇宙航空・人工知能(AI)・ロボットなどのディープテックスタートアップに対する投資心理が特に良好な状況となっている。ベンチャー投資会社などの被投資企業に限定して詳細に分析した結果、ディープテック10大分野(AI・ビッグデータ、システム半導体、ロボット、モビリティ、クラウド・ネットワーク、宇宙航空、エコ技術、量子技術、バイオ、次世代原発)のスタートアップへの投資比率は、昨年末の31%から今年第1四半期は40%に増加した。
ディープテック分野に対する投資家の関心が高まっており、1千億ウォン(数百億円)前後の大規模投資事例も増えている。AI分野ではRebellions(リベリオン、AI半導体設計)とUpstage(アップステージ、生成型AIサービス)などが1,000億ウォン(約114億2,400万円)以上の資金を調達し、ロボット分野では韓国人が米国で起業した企業であるBEARROBOTICS(ベアロボティクス)が800億ウォン(約91億3,900万円)の投資を受けた。
ベンチャー投資市場の成長は2024年も続く見通しだが、高金利の長期化への懸念など不確実性が続いている点を注視する必要がある。
最近の市場状況と関連し、ベンチャーキャピタル業界では、スタートアップの企業価値の調整による投資機会の拡大などはポジティブだが、高金利が続くなど、新規ファンドの組成に難しさを感じているという意見が多い。
また、年内の金利引き下げや株式市場の回復があれば、ベンチャー投資市場にも肯定的に作用すると推定されるが、5月現在、高金利の長期化への懸念や株価の低迷などで不確実性が続いている。
これまで政府は市場状況や業界の意見などを考慮し、政策金融を分野別に供給し、民間資金のベンチャー投資市場への流入環境を改善してきた。
まず、スタートアップコリアファンド(ディープテック・セカンダリーなど)、地域革新ベンチャーファンド(地域)、グローバルファンド(グローバル)などを造成し、重点投資分野別に財源を拡充した。
ディープテックスタートアップなどに投資するスタートアップコリアファンドを通じて民間資金3,000億ウォン(約342億7,300万円)以上を出資して年内に8,000億ウォン(約914億円)以上のベンチャーファンドを造成。非首都圏の投資活性化のための地域革新ベンチャーファンドに2,000億ウォン(約228億4,900万円)、韓国のスタートアップの海外資金調達を支援するためのグローバルファンドに1兆ウォン(約1,142億4,600万円)追加で造成する。
また、ファンド・オブ・ファンズの出資事業を迅速に進め、業界のファンド組成に関する困難を解消するために努力してきた。1.4兆ウォン(約1,599億5,000万円)規模の出資公告を第1四半期内に全て完了し、少なくとも2兆ウォン(約2,285億円)以上の流動性を迅速に市場に供給する予定だ。
また、大規模な民間資金がベンチャー投資市場に流入できるよう、民間ベンチャーマザーファンドを法制化し、投資条件付融資制度など先進的な金融手法を韓国に導入するなど、投資制度の改善も並行して行った。
内外の不確実性が依然として残っている状況だが、政府は今後もベンチャー投資市場の安定的な成長のために多角的に支援していく計画だ。
第一に、適時性・妥当性の高い統計で市場状況を精巧に把握できるよう、既存のベンチャー投資会社、新技術金融会社に加え、グローバルベンチャーキャピタルなど、多様な投資主体を包含する市場動向分析体系を構築する。さらに、「ベンチャー投資法」に基づくベンチャーファンドの運用状況に関する情報(収益率など)も分析し、民間に公開する。
第二に、地域・技術・グローバルなど様々な分野で韓国内外の投資家が適切な投資先を円滑に見つけられるよう、専用ファンドの造成・カスタマイズした資金調達プログラム・情報公開の拡大など、様々な政策手段を動員して支援する。
非首都圏専用ファンドを2026年まで累積1兆ウォン(約1,142億4,600万円)規模で造成し、全国6つの広域圏ごとに該当地域のスタートアップ投資説明会を定期的に開催する。
また、VCが新規投資先を発掘する際に活用できるよう、優秀スタートアップの技術評価(技術保証基金)の結果などを共有し、革新技術企業の資金調達を支援する。
また、グローバルファンドを2027年までに4兆ウォン(約4,569億3,200万円)追加造成し、韓国内外のVCが厳選した韓国のスタートアップを海外投資家に紹介する「K-グローバルスター」プログラムも日本(5.10)を皮切りに、米国・アジア・欧州などで順次開催する計画だ。
第三に、韓国のベンチャー投資がさらに飛躍できるよう、ファンド組成・投資・回収などを網羅した総合対策を今年中に策定する。
オ・ヨンジュ長官は「市場状況を見ながら、タイムリーな政策手段で韓国経済の成長動力を確保するため、最善を尽くす」とし、「業界と緊密にコミュニケーションを取りながら、ベンチャー投資活性化総合対策も滞りなく準備する予定だ」と話した。
原文:https://platum.kr/archives/227689
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