ニュース 2023.11.14

[COMEUP 2023]6万6000人が参加したグローバルスタートアップフェスティバル、成功裏に幕

[COMEUP 2023]6万6000人が参加したグローバルスタートアップフェスティバル、成功裏に幕

グローバルスタートアップフェスティバル「COMEUP 2023」が3日間の日程を終了した。今月8～10日までソウル市の東大門（トンデムン）デザインプラザ(DDP)で開催された「COMEUP 2023」は、約6万6000人と過去最多のオン・オフライン参加者数（延べ人数）を記録した。

今年で5回目を迎えた「COMEUP」は、韓国内外の35カ国のイノベーションエコシステム関係者たちが一堂に会するグローバルフェスティバルとして開催され、国際的な成長を遂げている。アクセラレーティングをさらに加速させ、有望なスタートアップの成長を支援するプラットフォームへと進化するための基盤を築き、オープンイノベーションコミュニティの構築やビジネスマッチングシステムの整備など、新たな試みも発表。一段階アップグレードした様子を見せた。

UAEエコシステム特別セッション

「COMEUP 2023」は、サウジアラビア、UAE、米国、フランス、オーストリア、香港、セネガル、カンボジアなど、韓国を含む世界35カ国のスタートアップ、投資家、政府機関、グローバル企業、大企業、中堅・中小企業が、韓国のエコシステムと連携。グローバルな相互交流の枠組みを拡大し、有意義な機会となった。フランスのスタートアップフェスティバル「Viva Technology（ビバテクノロジー）」のOlivia Hervy（オリビア・ハービー）エコシステム最高責任者と、最近、韓国のスタートアップ市場に進出している世界的なAI半導体企業NVIDIA（エヌビディア）のSusan Marshall（スーザンマーシャル）ディレクター、AWSのHoward Wright（ハワードライト）スタートアップ部門副社長、SOSVのWilliam Bao Bean（ウィリアムバオビーン）代表、BMW、Microsoft、韓仏商工会議所、韓国国際協力公団(KOICA)など、グローバル企業や関連機関もイベントに参加した。

特に、今回初めて設置したグローバル・コミュニティゾーンでは、サウジアラビアやUAEのナショナル・パビリオンをはじめ、18カ国の参加チームによるブースや発表の場が設けられ、グローバル・スタートアップ・エコシステムへの理解を高め、情報交換や協力の機会を拡大した。COMEUP 2023で韓国を訪問したUAEのAbdulla Bin Touq Al Marri（アブドラ・ビン・トウク・アルマリ）経済相とサウジ中小企業庁のSami bin Ibrahim Al-Hussaini（サミ・ビン・イブラヒム・アル・フサイニ）庁長は、8日と9日にさまざまなセッションに出席し、韓国とスタートアップに関する協力について議論した。そのほか、米国、フランス、セネガル、ウガンダ、ラオス、カンボジアなど北米と欧州、アフリカ、東南アジアのスタートアップが参加し、熱いピッチングやネットワーキング活動を行い、3日間、現地を訪れた参加者から大きな注目を集めた。

スタートアップコリア!政策提案発表会。（左から）Korea Startup Forumのチェ・ソンジン代表、D.CAMPのキム・ヨンドク代表、Antlerのカン・ジホ・パートナー、seerslabのチョン・ジヌク代表、TICTAG KOREAのキム・セウン代表

韓国のスタートアップエコシステムがグローバル市場でもう一段階飛躍するための政策の方向性について考える、有意義なプレゼンテーションも行われた。Korea Startup Forumと、AAsan Nanum Foundation、D.CAMP、STARTUP ALLIANCEは「2023スタートアップコリア!政策提案発表会：韓国スタートアップエコシステムのグローバル開放度研究」をテーマにしたセッションを開催。韓国のスタートアップエコシステムにおけるグローバル開放度を診断し、実践的な政策の方向性を提案した。

（左から）Murex Partnersのイ・ボムソク代表、yanoljaのイ・スジン代表

カンファレンスセッション「フューチャートーク」プログラムでは、国内外の起業家たちが、これまで話せなかった悩みをもとに、正直かつ大胆な話を語り、好評を博した。ライフスタイルプラットフォームSYNDROMEZ（シンドロームズ）のパク・ジウォン代表や登壇した歌手のZior Parkをはじめ、SOCAR（ソカー）のパク・ジェウク代表、Lunit（ルニット）のペク・スンウク議長、Law & Company（ローアンドカンパニー）のチョン・ジェソン副代表、HYBE（ハイブ）のキム・テホCOO、10X Innovation LabのKlaus Wehage（クラウス・ヴィヘイジ）代表ら、70人あまりの韓国内外のゲストが「IPO以後はまた別の世界だった」「失敗したExitはなく、各自の道があるのみ」「規制を越えて真の成長の道へ」「発展途上国でグローバルスタートアップ立ち上げ」など、スタートアップの成長段階別に発生する主要な話題をテーマに、多様な悩みと経験を共有。観覧客の共感を呼んだ。

また、MicrosoftとWrtn Technologies（ルートンテクノロジーズ）は、今年に入ってから業界のトピックとして浮上しているChat GPT生成型AIに関する最新の技術課題について共有し、議論を深めた。

（左から）XPLOR INVESTMENTのイ・ジョンフン代表、GS retailのイ・ソンファ常務、現代自動車のシン・ソンウ常務、CJ Investmentのキム・ジュヒ・チーム長

オープンイノベーションの概念の誕生20周年を記念した「オープンイノベーションデイ」として開催された2日目は、スタートアップや新たなイノベーションを模索する大企業、グローバル企業が多く参加した。XPLOR INVESTMENT（エックスプロインベストメント）のイ・ジョンフン代表、GS retail（ジーエスリテール）のイ・ソンファ常務、現代自動車のシン・ソンウ常務、CJ Investment（シージェーインベストメント）のキム・ジュヒ・チーム長の「オープンイノベーション2.0：「20年の診断と新たな転換」をテーマに開会したこの日のセッションは、Googleの女性起業家支援の重要性や、新韓フューチャーズラボジャパンと新韓ベンチャー投資の日本進出に備えたスタートアップの指針をテーマに開催された。また、NVIDIA（エンビディア）、Startup Junkie（スタートアップジュンキー）、NAVER Cloud（ネイバークラウド）、教保生命保険、evezary（イヴジャリー）、MODUSIGN（モドゥサイン）、ABLY（エイブリー）などのグローバル企業と、大・中小企業、スタートアップが成功協力事例を紹介。今後の新たな成長エンジンの発掘の可能性に期待が高まっている。

COMEUP Stars 2023 Awardsで、ルーキーリーグ優秀チームに選ばれた10チーム

初期企業の発掘と育成を目的に、スタートアップの選抜・メンタリングプログラムを全面的に刷新した「COMEUP Stars 2023」も、今回のイベント終了後に熾烈（しれつ）なピッチングレースの幕を下ろした。今年初めて導入された（予備）極初期スタートアップを対象にしたアカデミーリーグをはじめ、ルーキーリーグやロケットリーグなど80チームあまりが熱戦を繰り広げた。最終日に開催した「COMEUP Stars 2023 Awards」では、Glucofit（グルーコフィット）、Market of Materials（マーケットオブマテリアルズ）、ピョルティッカジャ、STEMDEN（ステムデン）、Agmo（アグモ）、allmytour（オールマイツアー）、INTEKMEDI（インテクメディ）、Floyd（フロイド）、Hopae（ホッピー）、Homecheke（ホームチェック）の10社が優秀ピッチングチームとして選出され、その中から事前評価と現地評価を総合してINTEKMEDIを最優秀企業とした。

「COMEUP Stars 2023 Awards」でルーキーリーグの最終優秀チームに選ばれたINTEKMEDI（左）とドリームプラスセンターのチョ・ジョンヨン・センター長（右）

このほか、年初から運用しているオンラインビジネスマッチングプラットフォームを通じて、スタートアップと投資家を継続的につなぎ、投資活性化を促進する役割を強化した。グローバルスタートアップフェスティバルの名にふさわしく、国境や時間、空間の制約を受けずに、オン・オフラインの出会いの機会を増やし、その結果、約1000件の事前・現場ビズマッチングの成果を達成した。ビズマッチングはイベント終了後も継続予定だ。

COMEUP 2023実行委員会のチェ・ソンジン委員長は「COMEUP 2023全体の参加規模も増えたが、特に会場を訪れた参加者と世界の参加者が大幅に増えたことは心強い」とし、「世界のスタートアップエコシステムを一つにつなぐグローバルフェスティバルとして飛躍を遂げたように、今後もスタートアップエコシステムを拡大する媒体としての役割を担っていく」と話した。

グローバルステージ「Ecothon」の参加企業