人工知能で患者相談、予約管理、診断まで医療業界に吹く「AI転換」の風

人工知能で患者相談、予約管理、診断まで医療業界に吹く「AI転換」の風

人工知能（AI）が様々な産業を革新し、従来の「デジタル転換（DX）」を越え「人工知能転換（AX）」時代をリードしている中、医療分野でも顧客満足度向上および業務効率化のためにAIを積極的に導入しようとする動きが高まっている。

患者相談や診療予約管理などの業務を自動化し、顧客の利便性を大幅に向上させるソリューションから、X線読影文作成や疾病診断を補助する技術まで、最近、医療業界のあちこちでAIが活用されており、注目を集めている。

Skelter Labs-盆唐ソウル大学病院、AI基盤の音声認識（STT）技術導入AICC 競争力強化に乗り出す

韓国の代表的な人工知能（AI）企業であるSkelter Labs（スケルターラボ）は、盆唐（ブンダン）ソウル大学病院コールセンターの相談サービスの高度化のために音声認識（STT）技術を提供するなど、AICCの競争力強化に向け協力している。盆唐ソウル大学病院に、AIを基盤に相談員と顧客の通話内容をリアルタイムで認識し、テキストに変換してくれる自動化システムが導入された。

盆唐ソウル大学病院は、より高度化された医療相談サービスの提供はもちろん、相談記録の正確性と相談満足度および病院の信頼性を向上させられるようになった。これにより、患者の利便性と相談員の業務効率が向上すると思われる。

音声認識技術支援に活用されたAIQ+Speechソリューションは、ディープラーニングをベースにした音声・言語モデルだ。音声を入力してリアルタイムでテキストに変換するE2E（End-to-End）モデルを使用し、これにより新しいデータに対する迅速な学習と特定ドメインに合わせたモデルのカスタマイズが可能だ。

様々な地域の方言、苦情に関する会話、そして顧客サービス状況での音声など、膨大な量の韓国語音声データセットを学習し、最大90%以上の認識率を達成し、BMT（品質性能評価試験）の結果、他の比較群に比べて最も高い精度を記録したのが特徴だ。

江南セブランス病院、AIチャットボットで予約管理を支援EMRシステム連動による手続き簡素化

江南（カンナム）セブランス病院は2021年以降、継続的にAIチャットボットの構築と機能アップデートを実施した。特に今回の高度化作業で、再診患者向けのカカオトーク予約機能を提供できるようになった。現場訪問や電話問い合わせをしなくても、チャットボットで簡単に病院の案内や情報を得ることができ、病院のEMR（電子医療記録）システムと連動し、リアルタイムの予約照会、予約履歴の確認や変更・キャンセルが可能になった。

再診患者は、別途アプリやプログラムをダウンロードすることなく、カカオトークでチャットボット予約機能を利用することができる。江南セブランス病院のチャットボットは、PASS認証を初回に一度だけ行えば、情報が変更されない限り、追加認証なしでスムーズにチャットボットを使用できるように構築し、利便性を高めた。

AIがレントゲン読み取りまでKakaobrain、読影文作成補助サービス「カラ-CRX」を年内リリース

Kakaobrain（カカオブレイン）は、生成型AIで胸部X線写真を読み取り、読影文の作成を補助するサービス「カラ-CRX」を年内にリリースする計画だ。このため、順天郷（スンチャンヒャン）医療院（天安”チョンアン”、亀尾”クミ”、ソウル）、忠清南道（チュンチョンナムド）大病院、忠清北道（チュンチョンブクド）大病院、亜州（アジュ）大病院など、韓国11の大学病院と共同研究契約を締結した。

Kakaobrainは、カラ-CXRで胸部X線写真の読み取り時間を短縮し、専門医療従事者不足の問題を解決に貢献することを目標としている。読影文のドラフト作成だけでなく、複数ファイルのアップロードも可能で、映像の読み取りに便利な映像内の物体測定機能、拡大・縮小、コントラスト調整など様々な機能をサポートする。

カラ-CXRの性能にも期待が高まる。先月、仁荷（インハ）大病院の研究陣は、Kakaobrainの「カラ-CXR」の性能が、OpenAIの巨大言語モデル（LLM）”GPT-4”の性能に比べ優れているという論文を国際学術誌「Diagnostics」に掲載した。仁荷大病院放射線科イ・ロウン教授などの研究陣が、胸部写真2000件をカラ-CXRとGPT-4を通じて分析した結果、カラ-CXRの精度は68～70%水準を記録した。これはGPT-4の40～47%に比べ、21～30%ポイント先行する数値である。

Lunit、乳がん検診AIソリューション「LunitインサイトDBT」を米国医療機関に供給...グローバル影響力拡大

医療人工知能（AI）企業であるLunit（ルニット）は、米国の乳房専門医療機関であるモザイクブレシートイメージング（MBI）と乳がん検診AIソリューションであるLunitインサイトDBTおよびLunitインサイトMMGなど、2つの製品の供給契約を締結するなど、グローバル影響力を急速に拡大している。

LunitインサイトDBTは、乳房断層撮影（DBT）の3次元画像をAIベースで分析し、医療陣の乳がん診断を補助する製品だ。従来の2次元マンモグラフィに比べ、より速く、より正確であると評価されている。韓国の3次元乳がん検出AIソリューションとしては初めて、昨年末に米国食品医薬品局（FDA）の許可を取得し、許可から2ヶ月後に米国で販売を開始することになった。

Lunitは今回の契約により、MBIに今後1年間、LunitインサイトDBTとLunitインサイトMMGを供給し、MBIはこれを活用して患者により正確な乳房疾患診断を提供し、医療陣の診断効率を高める計画だ。

原文：https://platum.kr/archives/222420