スタートアップ業界が総選挙を控えた政治圏に伝えた政策課題の内容は？

スタートアップ業界が、近づいてくる総選挙を前に、各政党に提出した主な政策課題の内容が公開された。これは韓国創業エコシステムの発展と競争力強化を目指す様々な要件を含んでいる。

Korea Startup Forum（コリアスタートアップフォーラム）が、4月10日の第22代国会議員選挙を控え、スタートアップエコシステム活性化のための政策研究資料集「スタートアップによる「革新DNA」拡散案：「革新の温かさがあふれる大韓民国」を公開した。

今回の資料集は、大韓民国全体を革新エコシステムに造成（地域活性化）、スタートアップのグローバル競争力確保のための開放性強化、起業家精神基盤のデジタル包摂社会の構築という3つの軸を中心に、11の細部政策課題を盛り込んでいる。

Korea Startup Forumは、経済成長の鈍化と少子高齢化による人口減少、地域消滅、気候危機などをスタートアップの革新的なアイデアと技術で解決できると強調した。スタートアップはデジタル技術をベースに、既存産業を革新したり、新産業を創出する上で重要な役割を担い、こうして成長したグローバル革新企業が世界経済に大きな影響を与えているため、韓国もスタートアップ活性化から突破口を見つけなければならないという立場だ。

特に、最近大韓民国を襲っている少子化や地方消滅などの問題を解決するため、大韓民国全体に革新的エコシステムを造成する必要があると診断した。これらの問題は、地域の若者の首都圏移住に起因するもので、地域活性化のためには、若者が望む雇用の創出や定住条件の改善などを推進する必要があると指摘した。また、スタートアップが活躍できる地方自治体のデジタル革新をはじめ、地域の大学とスタートアップの協力による革新人材育成、地域に特化した投資エコシステムの構築および規制改善策の策定に努めることを提案した。

グローバル市場で韓国の競争力を高めるための方策も提示した。世界規模のユニコーンやデカコーンに投資できるメガファンドを造成し、投資競争力を強化、これにより世界最高の創業国家に跳躍すべきであると主張した。近年のような人口減少の局面で、スタートアップに必要な外国資本と優秀人材を誘致するため、各種制度の改善も積極的に推進しなければならないと述べた。

また、高齢化と全産業にデジタル経済が急速に広がっているため、地域・世代別のデジタル格差を解消し、新旧産業の葛藤と新産業発展を妨げる規制を改善することに集中すべきだと注文した。このような変化が最終的に展開されるためには、起業家が尊重される文化が形成され、スタートアップが公正な競争の中で革新能力を発揮できる社会基盤も構築しなければならないと付け加えた。

具体的な実現課題としては、若者が住みたい5大スタートアップ都市の造成、地域スタートアップの税制優遇およびインセンティブ拡大、地域スタートアップ自治制度の運営、100兆ウォン（約11兆円）規模のグローバルメガファンド造成、外国人ビザ発給制度の改善および法人設立手続きの簡素化、スタートアップ中心の雇用拡大とデジタル弱者保護、新・旧産業の葛藤解決のための国会「新産業共生協力委員会」の設置などを盛り込んだ。

Korea Startup Forumは、今回の政策研究資料集の公開に先立ち、各政党に本研究課題を伝え、活発なスタートアップ政策活動を展開してきた。その結果、3月21日「共に民主党」「大韓民国民主連合」、22日に「新しい未来」、27日に「祖国革新党」、29日に「国民の力」と政策課題伝達式を行い、第22代国会でスタートアップにやさしい政策を反映するよう要請した。Korea Startup Forumは今回の政策研究資料集をもとに、残りの総選挙期間はもちろん、第22代国会発足後もスタートアップ活性化のための政策支援活動を継続していく計画だ。

Korea Startup Forumのハン・サンウ議長は「最近創業が減少する現象は、人口消滅の危機と同じくらい韓国経済の未来が危ういという証拠であり、今からでも実効性のあるスタートアップ活性化により、グローバル創業大国に進むことができるゴールデンタイムを逃してはならない」とし、「韓国を再びスタートアップしやすい国にするため、起業家とスタートアップに必要な支援を惜しまない」と述べた。