年内に非対面診療の範囲拡大なるか…遅々として進まない法制度化

政府が年内に非対面の実証事業改善案を策定する予定…「国会で関連法の議論はできず」

韓国政府は、年内に非対面診療試行事業の改善案を策定すると明らかにした。これには、初診が許可される医療過疎地の範囲を拡大したり、夜間・休日には初診の非対面診療を許可する、などの内容が含まれることが予想されている。政府は、留学生や海外旅行者など在外国民の非対面診療を制度化するために、医療法改正も推進する計画だ。しかし、国会での非対面診療の制度化に関する議論は停滞しており、当分の間は、政府の試行事業の形でのみ実施される見通しだ。

28日、関係機関などによると、政府は年内に韓国内での非対面診療の試行事業改善案を策定し、発表する予定だ。在外国民に対する非対面診療を制度化するための医療法改正も推進する。

新型コロナウイルスの影響で、一時的に実施されていた非対面診療は、現在は違法だ。昨年6月から政府の試行事業の形でのみ行われている。新型コロナウイルスの時期は特に制約もなく、初診患者なども非対面診療が可能だったが、試行事業では対象を再診患者のみに制限している。初診患者の場合も、△離島・僻地などの医療過疎地域に住む患者、△高齢者・障害者など移動が不便な患者、△感染症の陽性患者に限定された。

しかし、これにより非対面診療の利用が減少したことから、診療範囲を拡大すべきだという主張が続々と提起された。今年6月時点の非対面診療件数は15万3,339件で、2020年2月から今年5月まで一時的に非対面診療が許可された時の月平均22万2,404件と比べ、69％の水準にとどまった。

福祉部が今年9月に開催した非対面診療改善のための公聴会では、離島・僻地住民の場合、非対面診療の初診が可能だが、医療弱者の対象範囲が狭く、患者数が極端に少ないという指摘が出た。また、夜間・休日・連休には、稼働している医療機関の数が少なく、非対面診療が根本的に難しいという問題があった。非対面診療が可能な再診患者の基準である30日という期間も短すぎるという指摘が出た。

これに対し福祉部は、医療インフラが不足している地域の患者が非対面診療を利用できるように、医療弱者の対象範囲を拡大し、夜間・休日・連休時にも初診非対面診療が可能になるように基準を改善する検討をしている。再診基準の改善案もまた検討中だ。現在は医院レベルの医療機関で非対面診療を受ける場合、慢性疾患患者は1年以内、その他の疾患患者は30日以内に、同じ医療機関で同じ疾患に対する対面診療を受けた経験がなければならない。これを、その他の疾患患者の場合、再診可能期間を「最低60日以内」に拡大する。また、再診に関して医師が必要と判断した場合、非対面診療が実施できるよう、試行事業のガイドラインを明確化する計画だ。

ただ、医療界が医療事故の危険性や薬物誤用などの副作用があるとして、非対面診療の拡大に反対している点が障害となっている。非対面診療アプリ業界などの一部では、非対面診療だけでなく、薬の配送も新型コロナウイルスの時と同様に許容すべきだと主張しているが、医薬団体は薬物の誤用が懸念されるとして反対しているため、簡単に施行することは難しい。

非対面診療の制度化自体も問題だ。医療界からの反対が強く、国会で非対面診療を制度化するための法案の議論そのものが進んでいない状況だ。国会保健福祉委員会は、21～22日に開かれた法案小委員会で非対面診療関連法案の議論を行わなかった。これに関して国会関係者は、「非対面診療に関する合意がうまく進まなかったため、議論ができなかった」と話している。

そのため、当面は福祉部の試行事業の形でのみ非対面診療が実施される見通しだ。福祉部の関係者は、「非対面診療試行事業の改善について、諮問団などの各界から意見を収集している。」とし、「諮問団の議論、試行事業の評価・分析結果、満足度結果などを反映して非対面診療を引き続き改善していく。」と明らかにした。

<画像=道峰区議会の総務理事パク・ジェウク氏が今年5月30日、ソウル市道峰区の某医院で非対面診療の試行事業に関連した実施過程を実演している。/写真=ニュース1>

原文：https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023112813473951473