日本の地方消滅危機を地方大学の連携プラットフォーム「PARKS」が解決
日本の地方消滅危機を地方大学の連携プラットフォーム「PARKS」が解決
[インタビュー] ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)のベンチャービジネスパートナー 山口 泰久副社長
「九州と沖縄の大学が持続的に連携するプラットフォームPARKS(パークス)は、スタートアップの育成・活性化を通じて地域経済の危機克服に貢献する。地方経済を活性化させることで地域は新しく発展する。」
ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)のベンチャービジネスパートナーである山口泰久副社長は、MONEYTODAYのスタートアップメディアプラットフォームユニコーンファクトリーとの単独インタビューでこのように述べた。
山口副社長は、英国ケンブリッジ大学で経済学博士号取得後、日本政策投資銀行(DBJ)の調査員、DBJキャピタルの常務取締役、日本ベンチャーキャピタル協会の副会長などを歴任し、現在は九州大学発のベンチャー振興協会の事務局長を務めている。
学齢人口の減少、地場産業構造の変化、地方大学の競争力低下、優秀な人材の持続的な流出などによる地方の停滞。これらの理由から、地域の縮小や消滅が懸念される日本で、「PARKS(Platform for All Regions of Kyushu & Okinawa for Startup-ecosystem)」という地方大学間の技術実用化協力コンソーシアムが新たなソリューションとして注目されている。
PARKSは、2007年4月に設立された地域金融持株会社FFGと、九州・沖縄地域に位置する九州工業大学、九州大学、琉球大学、北九州市立大学など18の大学が参加するコンソーシアムだ。「ディープテック(先端技術)スタートアップの育成」を目的に昨年発足された。△教員・学生の起業活動を支援するプログラムの企画・運営、△アントレプレナーシップ(起業家精神)教育プログラムの共同開発・運営、△地域の起業エコシステムの整備などの活動を展開している。政府が支援するGAPファンドのほかに、最近では外部のアクセラレーター、ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家から約10億円の寄付を受け、運営費や投資資金として利用している。
山口副社長はPARKSの設立を主導した中心的な人物だ。28日、ユニコーンファクトリーは、釜山市金井区長箭洞に位置する釜山大学の技術起業支援施設「PNU AVEC」で山口副社長にインタビューを行った。
山口副社長は、FFGのベンチャービジネスパートナーを率いて104社に投資し、今年はEVモーターズ・ジャパン(電気自動車のバッテリー管理ソリューション)、IQPS(人工衛星のレーザー追跡システム)、カイコー(昆虫のタンパク質抽出)の3社が上場に成功した。過去5年間で50社以上のスタートアップに投資し、そのうち15社以上が上場している。
彼によると、大学教授の起業は、公共の研究開発(R&D)の生産性を高めるための最も効率的な手段だという。そのため、PARKSは大学発の起業がスムーズに進むようサポートしている。
具体的には、まず、PARKSに属する大学の技術・専門人材の交流を積極的に支援している。山口副社長は、「九州工業大学のA教授がウイルスのDNA(遺伝子)技術を活かして起業する際、一緒に研究できる細胞研究者が見つからない場合、PARKSに所属する他の大学の専門研究者を紹介することができる。」と話した。
ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)のベンチャービジネスパートナー山口泰久副社長/写真=リュ・ジュンヨン記者
また、PARKS所属の18の大学は、教授や学生向けのアントレプレナーシップ教育プログラムも共同で開発・運営している。山口副社長は、「九州地域の大学のアントレプレナーシップ教育率は1%未満だが、PARKSに所属する大学を中心にこれを必須科目として指定しながら、徐々に増加している。」とし、「年間約12,000人の職員・学生にアントレプレナーシップ教育を実施しており、5年後には10%以上に引き上げることを目標としている。」と強調した。
特に、アントレプレナーシップ教育を担当する教員の育成を集中的に実施し、大学発企業の代表・社員と面談できる機会を月に1回以上提供している。教育に参加する大学教授にはインセンティブも与えられる。「現在、月に2回ほど集まっている。最初はインセンティブのために来る人がほとんどだったが、後に多くの人が興味を持ち始める。」と彼は説明した。
PoC(概念実証)の場合、A大学に実験インフラがなければ、市場データや特許調査データを共有しながら、他大学と連携する形で行われる。
PARKSは、経営の専門人材管理も行っている。COO(最高執行責任者)、最高戦略責任者(CSO)、特許管理専門家(CIPO)など、大学発企業が必要とする専門人材を、1週間や数時間といった短期間だけ提供するのだ。
日本では、Cレベル人材の1~2日間レンタルサービスが、初期のスタートアップの間で人気だ。Cレベルの経営幹部を正社員として採用するにはコストがかかるため、商品・サービスの企画、価格設定、投資、マーケティング・プロモーション戦略などを立案する際、彼らの経験やノウハウ、知識を「一時的に」借りるのだ。
「ハイレベルな経営専門人材を集めた当初は、約300人の応募があった。技術的な専門知識、経験、教員との良好なコミュニケーション、関係性などを考慮し、7人を選抜した。」と山口副社長は話した。また、学生不足で廃校になった小学校を改築し、スタートアップのインキュベーターとして活用しているという。
山口副社長は、「PARKSは、地域のイノベーションネットワークとエコシステムをより広範かつ効率的に再構築する予定だ。」とし、「近いうちに、OIP(オープンイノベーションプラットフォーム)株式会社を作り、PARKSに属する18の大学産業団地の活動を体系的に支援する計画だ。」と述べた。
一方、この日のイベントを主催した釜山大学産学団長で釜山大学技術持株社長のチェ・ギョンミン氏は、「釜蔚慶(釜山・蔚山・慶南)地域の大学、経済団体、企業、金融機関も、アントレプレナーシップ教育、メンタリング、GAPファンドなどの支援を行うPARKSのようなプラットフォームを構築する計画だ。また、九州のスタートアップや企業、九州大学発振興会とも緊密に連携していきたい。」と述べた。
<画像=先月28日、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)のベンチャービジネスパートナー山口泰久副社長が、PNU AVECで開催された「グローバル技術事業化協力セミナー」に参加し、「地方金融持株会社と地方大学の連携を通じた大学発ベンチャー起業の成功戦略と現状」をテーマに講演を行った。>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023112913224034026
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