ニュース 2023.09.15

「国内市場だけでも1,000兆円規模の日本…『DXのベテラン』Kスタートアップには絶好のチャンス」

UNICORN FACTORY 韓国スタートアップイベント DX グローバル進出

「国内市場だけでも1,000兆円規模の日本…『DXのベテラン』Kスタートアップには絶好のチャンス」

ソウル市・SBA　グローバルスタートアップの祭典「Try Everything 2023」開催

「国内市場だけでも1,000兆円（約9,026兆ウォン）規模の日本が、デジタル転換（DX）に全力を注いでいる。DXの経験が豊富な韓国のスタートアップにとって、活躍できる無限のチャンスが広がっている市場だ」

13日、ソウル市中区東大門デザインプラザ(DDP)での「Try Everything（トライエブリシング 2023」に出席したcreww korea（クルーコリア）のチェ・ギュシク代表は、韓国スタートアップの日本進出戦略を紹介しながらこのように述べた。

チェ代表は「日本国内の公共部門はもちろん、民間部門でもまだDX化されていない部分が多い」とし「DXが本格化すれば、日本の国内需要は3～4倍拡大する可能性がある。それだけ成長できるチャンスが広がる」と強調した。

ソウル市が主催し、ソウル経済振興院(SBA)が主管するTry Everythingは、ベンチャーキャピタル(VC)やアクセラレーター(AC)など、韓国内外の主要ベンチャー投資会社と有望なスタートアップが参加するグローバルスタートアップの祭典だ。今年は220社のベンチャー投資会社と1,500社のスタートアップが参加した。今回のイベントは、「グローバル、投資、共同」をテーマに、講演やフォーラム、IR（企業説明会）、革新技術体験館など、65種のスタートアップ専門プログラムで構成された。

3日間行われるイベントの初日だったこの日、スタートアップのグローバル進出戦略を中心にプログラムが進められた。最初に、「日本進出のためのオープンイノベーション参加戦略」セッションが行われた。

日本最大のACであるcrewwの韓国法人、creww koreaのチェ・ギュシク代表と、東京都渋谷区グローバル拠点都市推進室の瀬野小枝子係長が講演者として登壇した。チェ代表は、日本の大企業とオープンイノベーションを行うには、忍耐を持って協力し合うことが何よりも重要だと強調した。

「一般的に日本の大企業は、オープンイノベーションを6ヶ月から9ヶ月にわたって長期間で進める」とし「少なくとも6ヶ月間、大企業のオープンイノベーション推進部署と協力しなければならない。資料を作成しながらビジネスモデルを構築し、経営陣の前で発表をしてから事業を進める」と述べた。

一方、瀬野係長は、日本国内のグローバルスタートアップのための様々なプログラムを紹介した。「6ヶ月間日本に滞在しながら起業を準備できるスタートアップビザがあるが、主にアメリカやヨーロッパ国籍が多く、韓国籍はまだ見られない」とし「最近では、シブヤスタートアップス株式会社を設立し、グローバルスタートアップのためのオープンイノベーションや投資家との連携など、各企業に合った支援を行っている」と述べた。

続いてのセッションは、「グローバルトップ5の起業都市構築に向けたソウルの取り組み」というテーマで行われ、グローバル起業生態系評価機関Genome（ジノム）の首席戦略家であるStephan Kuester（ステファン・クエスター）氏が登壇した。Kuester首席は、ソウルの起業生態系を発展させるためには、グローバルな資金の流入が必要だと強調した。その他にも「△香港：急速に成長するイノベーションとスタートアップの拠点」、「△クロスボーダーeコマースの未来：中国の成功と韓国のスタートアップ」、などのセッションが行われた。

一方、会場では参加者がスタートアップの革新技術を直接体験できるブースも運営される。これには、パーソナライズ化粧品の製造スタートアップLILLYCOVER（リリーカバー）、AI（人工知能）スタイリングのスタートアップMirrorRoid（ミラーロイド）、ロボティクス基盤の運動コーチマシン「Xim（シム）」を開発したRONFIC（ロンフィック）など、8社が参加した。