TMONの巨額返金問題…「12%割引」戦略でKakaoPayとTossに逆風
TMONの巨額返金問題…「12%割引」戦略でKakaoPayとTossに逆風
KakaoPay(カカオペイ)とToss(Viva Republica{ビバリパブリカ})が、未精算問題の表面化直前まで、TMON(ティーモン)で10%以上の割引イベントを行っていたことが分かった。高い割引率を適用していたKakaoPay・Tossに決済が集中し、現在、両社の返金負担が大きいと予想されている。
1日のMONEYTODAY(マネートゥデイ)の取材によると、KakaoPayは7月1~14日にTMONで行われた月間プロモーション「モンスターメガセール」当時、KakaoPayマネーで決済を行ったユーザーに最大12%の割引特典を提供していたという。同じ期間中に、TossもTossPayの口座で現金決済を行ったユーザーに最大12%の割引特典を提供していた。
KakaoPayは別の大規模な割引プロモーションにも参加していた。TMONの年間最大の割引イベントである「モンスターフェスティバル」では、KakaoPayマネーで決済を行ったユーザーに最大10%の割引を提供した。「モンスターフェスティバル」は今年3月1日から11日まで行われた。
今年、TMONの大規模割引イベントに参加したPG社(決済代行会社)はKakaoPayとTossのみだった。カード会社も特定のカテゴリーで割引イベントを行ったが、モンスターメガセールやモンスターフェスティバルなどの主要イベントには参加しなかった。KakaoPayとTossと並んで「ビッグ3」とされる簡易決済サービスのNAVER PAY(ネイバーペイ)も、今回の割引プロモーションには参加しなかった。
KakaoPay・Tossが割引を提供したことで購入需要が高まり、両社に高額の決済が集中したとされている。旅行や電子製品など特定のカテゴリーで割引率を10%に設定し、割引上限も10万~20万ウォンと高く設定していた。実際、先月TMONでは、海外旅行航空券が特価で販売され、KakaoPay・Tossで決済すると、決済額の10%(最大10万ウォンまで)追加割引された価格で購入することができた。
両社がTMONで積極的に割引イベントを行ったのは、オンライン簡易決済市場でのシェアを拡大するためだった。NAVER PAY・KakaoPay・Tossは、オン・オフラインの簡易決済市場のシェアをめぐって競争を続けている。金融監督院がキム・ハンギュ民主党議員室に提出した資料によると、昨年、ビッグ3のオン・オフライン簡易決済(送金を除く)金額は、△NAVER PAY 43兆4,684億ウォン(約4兆7,762億円) △KakaoPay 25兆5,466億ウォン(約2兆8,073億円) △Toss 6兆5,024億ウォン(約7,145億円)だった。送金サービスを提供しているKakaoPayとTossは、決済分野でNAVER PAYに追いつくため、TMON・WEMAKEPRICE(ウィメプ)などの各種オンラインプラットフォームで10%前後の割引率を適用するイベントを行っている。
大々的に行った割引イベントが裏目に出て、今回、KakaoPayとTossが負担しなければならない費用は少なくないといわれている。Tossは、先月29日午後9時30分ごろから、TMONとWEMAKEPRICEで決済後、商品・サービスを受け取れなかった消費者に返金を開始した。KakaoPayも前日の午前10時ごろから返金を開始した。与信専門金融業法によると、PG社はクレジットカード会員などが取引のキャンセル・返金を要求した場合、これを受け入れる義務がある。両社は一旦返金を行った後、求償権を使って、TMONとWEMAKEPRICEに対して返金分を請求する計画だが、TMONとWEMAKEPRICEが企業再生を申請したため、精算金が返ってくるかどうかは不透明だ。
カード会社も、現在はPG社からの負担分担要求に対して拒否している状況だ。PG社は、金融当局との会合で、「カード会社がTMONとWEMAKEPRICEから受け取る手数料は2%水準で、PG社がTMONとWEMAKEPRICEから受け取る手数料は0.2%水準だ。」とし、カード会社に負担の分担を要求している。カード会社の関係者は、「すべての金融業界で負担の分担が行われなければならないという合意がなされれば、カード会社もこれに参加するだろうが、まだ返金規模も確定していない状況だ。」とし、「与信専門金融業法上、返金義務はPG社にあるため、カード会社が返金額の一部を負担すべきだという要求は時期尚早だ。」と述べた。
一方、簡易決済会社の関係者は、「割引イベントは、複数のオンラインプラットフォームで常時行われており、TMONでのプロモーションの場合、その費用をTMONが全て負担していた。」とし、「割引イベントによる負担が簡易決済会社に転嫁され、厳しい状況になったのは事実だ。」と述べた。
<「決済遅延」問題が発生する前に行われたTMON(ティーモン)の主な割引イベント/グラフィック=ユン・ソンジョン>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2024073115551354484
2021年に発足したUNICORN FACTORY(ユニコーンファクトリー)は、MONEY TODAY(マネートゥデイ)が韓国の総合誌で初めてスタートさせたスタートアップ専門のメディアプラットフォームです。 溢れるニュースの中でスタートアップ生態系に必要なニュースだけを厳選し深く伝えます。
関連記事
-
FAST VIEW、日本現地法人を設立…グローバル市場攻略を本格化
#Platum #AI #グローバル進出 -
webaresoft、API管理ソリューションで資金調達
#Platum #クラウド #グローバル進出 #AI -
ABLYのamood、「ワンストップ」サービスの日本進出1年で取引額3倍増加
#電子新聞 #韓国 #ファッションテック #グローバル進出 #SaaS -
yanolja、みずほ銀行とレジャー金融サービスのグローバルシナジーを模索
#電子新聞 #フィンテック -
韓国・江原道、日米韓三角バイオベルト推進...米国・ボストン、日本・神戸との協議本格化
#電子新聞 #AI #バイオ #グローバル進出 #医療 -
Google playが選定した2024年の「今年のアプリ・ゲーム」受賞作
#Platum #アプリ #ゲーム #エンターテインメント #AI