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経営難でオフィスを共用するVCも…ベンチャー投資低迷でリストラ加速

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経営難でオフィスを共用するVCも…ベンチャー投資低迷でリストラ加速

#AUM(運用資産)1,000億ウォン未満のベンチャーキャピタル(VC)3社は最近、事務所を統合した。パーテーションで区切られた一室で、それぞれ業務を行っている。VC間のM&Aや共同運用(Co-GP)ファンドの設立があったわけではない。ベンチャー投資の低迷により、新規ベンチャーファンドの設立が困難になり、少しでも事務所費用を節約しようと集まったのである。

ベンチャー投資の低迷が続く中、AUM(運用資産)が1,000億ウォン(約113億円)未満の中小型VCを中心に、業界内の構造改革が加速している。経営難により廃業したり、M&A市場に売り出されるVCが増加しているからだ。

22日、中小ベンチャー企業部によると、今年に入ってから5月まで、資本欠損などを理由に登録が抹消されたVCは5社に達する。これは、すでに昨年の年間水準(4社)を超えた数字だ。機関投資事業が集中する第1四半期から第2四半期に、登録が抹消されたVCが増えたということは、それだけ市場の状況が厳しいということを示している。登録が抹消されたVCは年間基準で、2020年4社、2021年4社、2022年7社、2023年4社となった。

世界的な緊縮財政に対する懸念により、2022年からベンチャー投資市場が大幅に縮小し、打撃を受けたVCが増加した。実際、中小ベンチャー企業部によると、7月現在、資本欠損に陥っている中小型VCは6社で、前年同期比2倍の数だ。

新規ベンチャーファンドの設立が難しくなり、資本欠損の危機に直面する中小型VCはさらに増えるとみられている。あるVCの関係者は、「新規ベンチャーファンドの設立ができなかったVCは、人件費や賃料などの費用を資本金で賄っている。」と話した。

「ベンチャー投資促進に関する法律(ベンチャー投資法)」上、VCは資本欠損率50%未満を維持しなければならない。この基準を満たさない場合、中小ベンチャー企業部から資本金の増額や利益配当制限などの措置が課される。最大9ヶ月以内にこれらを履行しなければ、VC登録は抹消される。

M&A市場に売り出される事例も続々と出ている。先月、G&PインベストメントはNPXベンチャーズの株式100%を約20億ウォン(約2億3,000万円)で買収した。今年初めに売りに出されていたNPXベンチャーズは、女優クララさんの夫であるNPXグループの代表サミュエル・ファン氏が率いるVCとして知られている。最近では、AUM2,000億ウォン(約226億4,000万円)規模のVCも売りに出された。

中小型VCが厳しい状況にある理由は、IPO市場の低迷と密接に関連している。特に、トラックレコードがない新規の小型VCの場合、IPO直前の企業に対するプロジェクト投資を通じてトラックレコードを積むが、最近のIPO市場の冷え込みにより、出資事業に提示できる実績がないのだ。

あるIPO業界の関係者は、「昨年、旧株の売上100%で公募を計画していたソウル保証保険は、需要予測に失敗して上場を撤回した。」とし、「ただでさえIPO市場が低迷している状況で、旧株売上に対する個人投資家の印象も良くはない。小型のVCが利益を出しにくい構造だ。」と語った。




<写真=ゲッティイメージバンク>

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2024072215285745172



/media/UNICORN FACTORY
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UNICORN FACTORY

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