ヘッドハンターに変身したベンチャーキャピタル…投資だけでなく人事まで支援
ヘッドハンターに変身したベンチャーキャピタル…投資だけでなく人事まで支援
Atinum、BASS、Altosなど、被投資企業の採用を支援するHR専門家を次々と採用
ノーコードのホームページ制作プラットフォームを運営するIIMweb(アイムウェブ)が、2021年創業8年ぶりにAltos Ventures(アルトス・ベンチャーズ)から約100億ウォン(約10億9,000万ウォン)の初投資を受けた。資金調達後、IIMwebがAltos Venturesに最初に支援を求めたのは「採用」分野だ。Google出身の最高技術責任者(CTO)、ゴールドマン・サックスIB出身の最高戦略責任者(CSO)など、IMwebのCレベルのメンバーは全員Altos Venturesを通じて採用した。IMwebのイ・スモ代表は、「ヘッドハンターや外部を通して求人を行うと、スピードも遅く、適切な人材が見つからない可能性がある。」とし「投資会社と採用に関する悩みを共有することで、全体的な企業戦略、人事、海外進出、マーケティングなど、多面的な要素を客観的に判断してくれるので、適切な人材を適時に見つけることができる。」と話した。
最近、ベンチャーキャピタル(VC)が被投資企業(ポートフォリオ会社)の人材確保を支援するために人事(HR)の専門家を採用している。投資などの財務的な支援に加え、スタートアップの成長に必要な人材の採用まで直接行うということだ。
14日VC業界によると、Atinum Investment(エイティナム インベスト {2,865ウォン▼20 -0.69%})は最近、Kurly(カーリー)の元HRリーダーチョン・ボヨン氏をGrowth Partners(グロースパートナー)本部所属の人事管理(HR)マネージャーに採用したという。チョンマネージャーは、ポートフォリオ会社におけるCレベルの主要人材の採用支援、組織文化・人事制度の構築支援など、業務を担当する予定だ。
Atinum Investmentの関係者は、「昨年、ポートフォリオ会社の成長に必要な部分を支援するためにGrowth Partners本部を設立し、最近ではHR担当者を採用した。」とし「投資後の積極的な支援を通じて、多方面で実質的な助けとなる『パートナー』の役割を強化する予定だ。」と述べた。
Altos Ventures・BASS InvestmentもHR専門家を採用
Altos Venturesのグン・ユンシクHRチーム長(左)、BASS Investmentのチェ・プルンマネージャー(右)/写真提供=各社
Woowa Brothers(配達の民族)やViva Republica(Toss)などを成長させた、「ユニコーン企業製造機」と呼ばれるAltos Venturesは2019年、SKTとVingle(ビングル)出身のHR専門家グン・ユンシクHRチーム長を採用し、ポートフォリオ会社を支援している。過去5年間、グンチーム長が採用を支援したスタートアップは80社以上、250人以上に達する。そのうちの約25%がチーム長より上のポジションだ。
グン・ユンシクチーム長は「SKTでは採用と人事評価業務を、SK SUPEX追求協議会ではSKグループ全体の人事評価と報酬、採用部門などを担当した。また、系列会社の社長の教育と管理も担当した。」とし「Altos Venturesでは、ポートフォリオ会社の成長を支援するためにHRソリューションを提供している。」と述べた。
支援を受けたスタートアップの業績も目に見えて改善されている。K-POPエンターテインメントプラットフォームのMAKESTAR(メイクスター)は、2020年にはPWC(サムイル会計法人)出身のコ・ハンオル最高財務責任者(CFO)を、2021年にはグローバルコンサルティング法人Bain & Company(ベイン&カンパニー)出身のキム・ユミン最高戦略責任者(CSO)などをAltos Venturesを通じて採用した。人材確保に成功したMAKESTARは2021年に黒字転換に成功し、昨年の売上高は前年比60%増の479億ウォン(約52億円)を記録した。
初期スタートアップ専門の投資会社であるBASS Investmentも、HRの専門家であるチェ・プルンマネージャーを採用した。チェマネージャーはKOREA CREDIT DATA(韓国信用データ)やyanolja(ヤノルジャ)などのスタートアップで、開発者やテック分野の専門家を採用する業務を担当している。これについて、「初期のスタートアップは、採用が人事全般の業務だ。」とし「成長が最優先であるスタートアップの創業者たちは、人手が足りない職務から先に採用しようとすることが多いが、BASS Investmentは長期的な観点から次の成長段階でも必要な職務を把握し、それに合った人材を見つけるために企業側と活発なコミュニケーションを行っている。」と述べた。
「投資収益率を上げ、実力ある起業家も先行確保」
このように、VCらがHRの専門家まで採用し、ポートフォリオ会社を支援するのは、スタートアップの悩みの種である人材不足に対処するためだ。STARTUP ALLIANCE(スタートアップアライアンス)の「2022年スタートアップトレンドレポート」によると、創業者たちは会社運営に関して資金確保や投資などの金銭的な問題に続き、成長戦略や組織管理などに対しても大きな悩みを抱えていることが分かった。
ポートフォリオ会社の成長を助け、投資収益率も高めながら、優秀な起業チームを確保できるという点も、VCがHRサービスの支援に乗り出す理由だ。本業で忙しい創業者が、人事など投資以外の経営のために、実質的な支援を行うVCを好むのは当たり前だ。
グンチーム長は、「無条件に採用を支援するのではなく、既存の社員で補充が可能かどうか、職務に合った人材像を採用しているかなどを、総合的に考慮するため、創業者の戦略とビジョンをより深く理解することができる。」とし「企業に合ったHRソリューションを提供すれば、企業も成長し、VCの収益率も上がるので一石二鳥だ。」と述べた。
BASS Investmentのシン・ユンホ代表も、「追加投資だけでなくHRなど、企業が成長するために必要な総合的ソリューションを支援している。」とし「韓国で最も実力のある創業者たちから求められる投資会社として定着することが最終目標だ。」と述べた。
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原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023081014543230680
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