KORITAIオーディオの専門家集団「Gaudio Lab」｜（1/3）日本市場を選んだ韓国スタートアップ

2022年10月、東京で行われた韓国最大のスタートアップ支援NPOであるStartup Alliance主催の「JAPAN BOOT CAMP 2022」に参加した韓国スタートアップから3社のインタビュー記事を公開いたします！

グローバル展開の地として日本市場を選んだ韓国スタートアップは、日本市場をどのように見ているのか、多種多様なスタートアップのインタビューをお楽しみに！

Startup Alliance（スタートアップアライアンス）とは？
Startup Allianceは、韓国のスタートアップエコシステム活性化し、スタートアップエコシステムにいる人々を繋げるために2014年に発足した民間非営利機関です。Startup Allianceは、創業家やエコシステムのメンバーを繋ぐネットワーキングプログラム、海外のエコシステムと交流ができるプラットフォームを提供するグローバル事業、バランスの取れたエコシステム情報を提供するためのリサーチ活動など、スタートアップエコシステムの好循環を作る多様な事業を行っています。
（Startup Allianceホームページ：startupall.kr）

JAPAN BOOT CAMP（ジャパンブートキャンプ）とは？
JAPAN BOOT CAMPは、韓国の有望なスタートアップを日本市場に紹介するグローバルアウトバウンドプログラムです。韓国のスタートアップはJAPAN BOOT CAMPを通じて日本市場を理解し、日本市場へ進出する機会を模索することができます。また、日本のベンチャーキャピタル、アクセラレーター、大企業など、現地のビジネスネットワーク構築のためのサポートをしています。これまでJAPAN BOOT CAMPに参加した韓国のスタートアップの中には、Hyperconnect、Watcha、ZIGZAG(現Kakao Style)、カンナムオンニなどがあります。

Gaudio Lab（ガウディオ・ラボ）

Gaudio LabはAIオーディオの専門企業で、ヘッドフォンの立体音響（バイノーラル・レンダリング）技術の国際標準採用を契機に2015年に設立されました。世界でも珍しい9人のサウンドエンジニア博士を含む最高のオーディオ＆AI専門家が属しています。メタバース、AR/VR、OTT、ストリーミング、スマートフォン、劇場、車など、音があるところならどこでも素晴らしい音体験をお届けするオーディオソリューションを提供しています。CTA/ANSI標準採用(2022年)、ISO/IEC MPEG-H国際標準採用(2018年、2013年)、今年の最高VRイノベーション企業賞受賞(VR Awards、ロンドン、2017年)などを通じて技術力と革新性を認められたことがあります。SoftBank Ventures、Samsung Venture Investment（サムソンベンチャー投資）、NAVER D2SF、LB Investmentなどから累積169億ウォン（約17.4億円）の資金調達をしました。

[トップキャプチャー：左からKirk、John、Luke]

しばらく前に、日本市場にGaudio Labの3人のマネージャーが行ってきました。

彼らを通してGaudio Labを紹介したいと思います。

Kirk:こんにちは！GaudioLabで事業総括しているKirkです。「カーク」と呼んでいただければと思います。

Luke:こんにちは、Gaudio Labのマーケティングチームに所属するLukeです。Gaudio LabのYouTubeとInstagramをぜひ多くの方に見ていただきたいです！

John:こんにちは、Gaudio LabでPMを担当しているJohnです。

ーGaudio Labはどんな会社ですか？

Luke：Gaudio Labは、オーディオAI分野をリードする最高のスタートアップです。世界的にも希少なオーディオ工学分野の人材を独占したことを武器に、オーディオ分野のAI研究・商用化において世界的企業の水準か、それ以上のレベルの技術力を誇ります。

ーGaudio Labが提供するサービスは何でしょうか？また、どのような強みや特徴がありますか？

Luke：いくつかのオーディオ技術の中でも特にGaudio LabのAI技術で開発したGSEP(Gaudio Source Separation)という技術をご紹介したいと思います。GSEPは世界最高レベルの性能を誇る音源分離技術です。音源分離とは、一つの音楽から個別の音源（ボーカル、ドラム、その他）を分離する技術です。作曲だけでなく、騒音の除去や歌詞の同期(Sync)など様々場面で活用できます。GSEPはGaudio Labのウェブプラットフォームである「Studio Gaudio（studio.gaudiolab.io）」を通じて無料で公開されており、韓国語/英語/日本語で提供されています。この技術を活用した歌詞と音楽を同期(Sync)させるGTS（Gaudio Text Sync）技術は、韓国を代表するストリーミングサービスに適用されています。Studio Gaudioを通してGTS技術を組み合わせ誕生したカラオケサービスも体験できます。

－Gaudio Labが保有する技術の中で、顧客が最も満足する技術は何ですか？また、日本でも適用できると思いますか？

John：先にLukeが教えてくれた歌詞と音源を同期(Sync)してくれるGTS技術が日本の音楽ストリーミングに適用できると思います。実例として、「リアルタイムの歌詞を見る」機能をサポートするために、ミュージックストリーミングサービスは歌詞と音源の同期(Sync)を手動で行う人材を雇います。この問題を解決しようとGaudio Labは1曲に5秒で自動的に歌詞と音源を同期するAI技術を作り、韓国を代表するストリーミングサービスに適用され、すでに商用化されています。現在、日本の関連企業とのミーティングを進めており、良い結果を期待しています。

－Gaudio Labの技術が日本市場で持つ強みは何でしょうか？

Kirk：日本製品は最高の完成度を追求し、それに伴いブランドや製品の顧客ロイヤルティが高い特性を持っていると思います。Gaudio Labは、韓国を代表するAIオーディオ技術の専門企業であり、世界的権威を持つ専門家集団です。最高以上の完成を追求する日本のお客様に、確かな技術を披露できる自信があります。すでに述べたストリーミングサービスに加えて、WebRTC、語学教育用アプリ、音楽教育用アプリなど、さまざまな分野があると思います。

－実際に日本に行って感じた市場の雰囲気はどうでしたか？

John：ダイナミックに生き生きと動く日本のスタートアップシーンの雰囲気を体感できました。Gaudio Labについて、日本現地の関係者の方々から積極的な関心と質問があり、ミーティングを提案していただきました。特にいくつかのビックテック企業が抱えており、Gaudio Labが解決することができるオーディオ関連のペインポイントを聞いてみると、オーディオソリューションに対するニーズは日本ではもちろん、世界のどの国でも必ず存在しているという確信を持つことができました。

－Gaudio Labの次の計画や目標は何ですか？

Kirk：韓国最高のOTT、ミュージックストリーミングメーカーで採用され、使いやすさが証明されたGaudio Labの技術を日本とグローバル企業に拡張して展開することです。Gaudio Labには、前述のAI音源分離技術だけでなく、ばらばらのコンテンツ間の音量を合わせてくれる音量平準化技術もあります。（これはすでに世界標準でもあります。）現在、日本国内でも産業内の競争構図が深化し、広告を含めた料金制やサービス内チャンネルの拡張など多様な形態が現れているだけに、このような状況であれば原音を損失したり傷つけることなく音量を平準化するGaudio Labの技術もまた、より意味を持ち、有利な状況であると見ています。

－日本市場に乗り出すGaudio Labの覚悟はどんなものですか？

Kirk：日本は韓国と地理的に非常に近いですが、市場の本質でアクセスするときは別の角度から見なければならないと思います。韓国の大企業でも成功しにくいほど厳しい市場でもあります。しかし、音声、音楽などGaudio Labが攻略する産業群ですと少し話が違うと思います。Gaudio Labのソリューションは、言語と文化を超えて消費者に可視的で非常に確実な価値を与えます。その理由は、消費者に必要性を求めなくても、音源の各stemを分離したり、人が直接行っていた歌詞の同期を代わりに行ってくれるなどの価値をすぐに音として確認できるからです。さらに大胆に臨んでいきたいと思います。