インタビュー

韓国シェア97%の仮想待機ウィンドウ「NetFUNNEL」膨大なトラフィックをコントロール|STCLab  -キム・ハドン CTO

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STCLab -キム・ハドン CTO

キム・ハドンCTOは、IT業界開発経歴14年目で、B2Bソリューション開発からB2Cサービス構築及びイグジットの経歴を持っており、アーキテクチャ開発など多様な経験を保有しています。STCLabでグローバル進出プロジェクトを担当し、オンプレミス基盤のソリューションをSaaSに転換することに貢献し、グローバル競争力を備えた製品としてポジショニングするための技術アップグレードを進めています。


-STCLabはどのような会社でしょうか?

STCLabは、企業のサービス運営を効率化するためのインフラ環境やクラウド環境の自動化サービスを提供しています。私たちの代表的な製品は「NetFUNNEL」で、仮想待合室(バーチャルウェイティングドア)を初めて開発しました。この製品を皮切りに、様々なトラフィック管理ソリューションを追加し、現在は合計5つのソリューションを提供しています。

最初は韓国内でサービスを開始し、韓国のVWR市場シェアの約97%を占める成功を収め、顧客も500社を保有しています。そして、2010年からはグローバルに展開し、2020年からは日本市場にも本格的に進出しています。

もともと私たちの親会社は、クラウドサービスが普及する前からサーバーを納品する会社でした。クラウド環境はリアルタイムでサーバーの拡張や吸収ができる自由度が大きなメリットですが、クラウドがなかった時代は限られたサーバーリソースでサービスを提供する必要があり、不特定多数のユーザーからのトラフィックに対応するのが難しい問題がありました。

このような課題を解決するために、私たちはNetFUNNELを開発しました。この製品により、サーバーのリソースが一定量を超えた時に仮想待機ウィンドウサービスを起動させ、トラフィックをコントロールできるようになりました。これが成功し、STCLabとしてスピンオフし、独立した会社になりました。


仮想待機ウィンドウ/STCLab提供



-STCLabが提供するサービスの特徴や強み、そして他社との差別点があれば共有していただけますか?

先ほど少しお話しした内容について、もう少し詳しく説明します。

私たちの強みは仮想待合室サービスです。これは各企業の異なる環境に対応し、サーバーリソースが限界を超えたときにサービスのダウンを防ぎます。仮想待機ウィンドウを表示することで、サーバーのダウンを防ぐソリューションです。

企業がイベントやプロモーションを行う際、どれくらいのトラフィックが予想されるか、広告予算をどれくらいかなどについて、開発者と協議します。しかし、実際に入ってくるトラフィックを正確に予測することは難しいですよね。

実際に何かイベントを行うと、予想以上のトラフィックが発生し、サービスがダウンすることがよくあると思います。これにより、イベントが失敗に終わってしまうケースもあります。

この問題を解決するのが私たちのNetFUNNELです。トラフィックを自然にコントロールし、イベントを成功させるためのサービスです。コンサートのチケット購入や大学の受講申請、お正月や秋夕の祝祭日に行われる列車チケットの前売りなど、様々なイベントに対応が可能です。このサービスは韓国内で97%のシェアを持つ独自の製品です。

また、多くのグローバルサービスはクラウドのみですが、私たちはオフラインの独自サービスも提供しています。

韓国では個人情報保護法が厳しいため、クラウドサービスを利用できない企業もあります。そういった企業のために、クラウド以外のサーバー構築サービスも提供しています。これは、他のグローバルサービスにはない大きな違いであり、私たちの強みと言えます。

 

-実際の使用例を教えてください。

NetFUNNELは公共機関でも広く利用されています。例えば、韓国では国の政策として、国民の意見を募る制度や投票などのサービスが多く存在します。そして「政府24」という24時間いつでも情報機関の業務をオンラインで見ることができるサービスもあります。こういったところでも使用されています。

また特に新型コロナウイルスの流行期では国民全員がワクチンを接種しなければならない状況がありましたよね。当初ワクチンの予約システムはあるものの頻繁にダウンしていました。政府から接種のガイドラインが出され、国民全員が早くワクチンを受けようとし、サービスが麻痺することが多かったのです。

しかし、NetFUNNELを導入したことで、トラフィックが順に処理され、サービスが安定しました。以降ワクチン予約システムは、サーバーダウンせずに運営ができるようになりました。これがとても大きなトラフィックを処理した弊社の代表的なケースと言えます。

また、金融の分野でも、各種申請などでトラフィックが集中してサービスがダウンすることが以前はありました。しかし、弊社の製品を導入してからは、金融サービスが24時間いつでも利用できるようになり、韓国の主要な金融機関のほとんどが私たちの製品を使ってトラフィックをコントロールしています。

 

-日本市場をどのように見ていて、日本市場に進出する理由があれば教えてください。

日本市場は韓国と似たビジネスが多く、文化やサービス方法も似ています。そして日本の市場は韓国の3倍以上の規模があります。そのため、日本は私たちにとって理想的な市場です。最近、日本ではM&Aや景気浮揚政策によって多くの企業が成長しています。その結果、トラフィックが集中し、サーバーダウンが起きることが問題になっています。こうした状況で、日本でも私たちの製品を見つけていただいことが大きかったと思います。

このように、時期や市場の状況、顧客ニーズなどの要素を考えたときに日本に進出しない理由がないと判断しました。

また、日本は2~3年前からITの転換期を迎えており、クラウド市場にも積極的に取り組んでいます。後発投資として私たちのサービスを導入しやすい環境が整っていました。

最近の成果として、日本の化粧品ECサイトと契約を結びました。また、数十社と検証を進めており、良い反応を得ています。PoC(実証実験)を通じて、私たちのサービスが導入され、信頼を得ています。

 

-それでは最後に今後の計画やビジョンを教えてください。

私たちは現在の活動をさらに積極的に進める予定です。世界的にマーケティングや広告が増加している現在、企業が私たちのサービスを利用することで、トラフィックによるサーバーダウンを防ぐことが目標です。

内部的には、上場に向けた準備を進めています。また、日本だけでなく、アメリカにも支社を設立し、支社長を迎え入れて北米市場も強化しています。

今後は、日本、アメリカ、東南アジア全体にサービスを展開し、開発を進め、新しいソリューションを追加し、競争優位性を確保する予定です。攻撃的なビジネス展開を続けていくつもりです。


STClabs  -キム・ハドン CTO

HP:https://www.netfunnel.io/ja 



/media/KORIT編集部
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KORIT編集部

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