【そのとき投資】中小コマースの物流ペインポイント、その核心を突いたスタートアップ
【そのとき投資】中小コマースの物流ペインポイント、その核心を突いたスタートアップ
Bluepointpartners(ブルーポイントパートナーズ)ファン・ヒチョル投資本部長
投資家になる前、事業をする時のことだ。当時運営していた法人が2か所あったが、一つは物流が重要な事業だった。実際に運営してみたわけではないが、京畿道河南市などに位置する倉庫に入って過程を探ってみた。漠然としているが、デジタル変換に脆弱なオフライン物流ビジネスのペインポイントを見つけたことを覚えている。
この経験のためだったのだろうか。2019年、KDBスタートアッププログラムのメンター団にColosseum Corporation(コロシアムコーポレーション、以下コロシアム)のビジネスモデルを聞いた時、可能性を感じた。
すでにかなりの数の物流スタートアップが大きな規模で投資を誘致して成長していた時点だったが、コロシアムだけができる分野があると考えた。メンタリング過程が終わり、コロシアムは最優秀賞を受賞し、我々はその年12月に投資した。
中小販売業者を中心としたオンラインコマースの急成長、このための物流の必要性
コロシアムは、中小販売業者と倉庫をつなぎ、オンライン物流の全過程を便利に管理できるようにするシステム「Colo(コロ)」を開発するスタートアップだ。コロシアムの可能性に確信を持てたのは、当時急成長したオンラインコマースのトレンドが大きかった。近年、インフルエンサーや個人販売者がオンラインコマースに飛び込んで市場が急激に大きくなった。
しかし、既存のオフライン倉庫物流業は、このような中小オンライン販売者のビジネスへのアクセスが難しい。オフライン物流業は貨物をすべて倉庫に置き、1トン単位のパレット(Pallet)で貨物を出荷する方式だ。
売上が出る過程もオフラインになっている。倉庫を建てたり、購入した倉庫を運営しながら物流費用を得る方式だ。人を採用して運営すると売上の数字はしっかりと上がってくるが、インフラ費用が多くかかるという仕組みだ。
ところが中小販売業者たちはどうか。クーパンやNAVERなど様々なサービスでそれぞれの注文を受け、それぞれの顧客に物を一つずつ配送しなければならない。物流の単位が「パレット単位」から「ボックス単位」に変化したのだ。
しかも自社倉庫を持っていない販売者がほとんどのため、倉庫主に物流委託をしなければならないが、既存の物流システムがこのような「単発配送」のための在庫確認、ピッキングとパッキング、出庫などの過程を行う余裕がない状況である。複数の製品に対する注文や返品の問題も多い。
つまり、変わるオンラインコマース市場のための物流サービスがまったくないという話だ。オフライン物流企業もオンラインに転換したいという需要があったが、このようにユニット自体が違うため、厳しい場合も多かった。
コロシアムは人工知能(AI)技術を通じてこの問題を解決しようとした。簡単に説明すると、販売者が手軽に注文管理ができるOMS(Order Management System)と倉庫管理システム(Warehouse Management System)を連結したものである。
販売者がコロシアムのソリューションを使用するだけで、普段の在庫管理はもちろん、注文処理から包装、出庫、配送などの全過程と売上管理、返品などの事後管理まで一度に解決できる。
投資審議をしていた当時、内部で「すでに物流で成功しているところは多いんじゃないか」という質問も多かったが、「このチームは違う」と言えた理由もこのためだ。徐々に増加する中小販売業者の需要を満たすだけでなく、オフライン中心だった物流業自体のデジタル転換(Digital Transformation)を生み出すチームだと考えたからだ。
退社後、それぞれ別の道に行き、再会した前職同期から成るチーム
このチームができると信じたのには飲み込みが速いパク・ジンス代表の役割と創業メンバーが大きかった。パク代表と創業メンバーはKTの同期で、それぞれ退社して別のことをしていたが、また集まって一緒に創業をしたケースだ。
パク代表は、KTでマーケティング戦略、商品や料金企画などの業務をして、大学生対外活動プログラムを担当した。これをきっかけに若い世代を対象にマーケティングすることに興味を持って「(株)大学の明日(대학내일)」に転職して大学の明日の成長期を導いた。
メンタリング過程で1を語ると4つ、5つのことを準備する姿、非常にハイレベルな抽象的な説明を伝えても、その意味を把握してディテールをつくるパク代表の姿を見ながら、このような飲み込みの速さと成長のスピードなら事業も見事に展開するという信頼が生じた。
創業メンバーの中でユ・インヒョンCPOはサービス企画と輸入貿易・流通を、ユン・テシクCOOはEコマース連携を経験した。キム・スンホCTOも移動通信サービスおよびネットワーク全体の多様なソリューション開発経験を保有している。
物流産業を革新しようとする創業メンバーの構成が、モバイルベースの新規サービス企画とEコマースセラーとしての豊富な経験、迅速な消費・流通トレンドに最も速く動いてきたマーケター、そして全国民対象のサービス企業インフラ開発者というバランスが合ったのではないだろうか。
全員が年次は高いほうではあるが、まだオールドなチームではない点もよさそうだと思った。年次が高い方であるので、年次が上の人々を採用するのにも有利であり、反対にまだオールド過ぎないという点からスタートアップへの適応もしやすい。
このおかげだろうか。まだ非常に大きな規模の投資誘致をしたわけでもないが、開発者を集めることが難しいというこの時代に、50人余りの規模の半分ほどが開発者で構成された素晴らしいチームである。
ビジネス面でも期待していた成長曲線が見えている。MVPを作ってソリューションを高度化し、インバウンド顧客にのみサービスを提供して、昨年下半期からは本格的なマーケティングに突入したが、その時点からグラフがずっと右上がりだ。
誤配送率、パッキングエラーも減少している。これらの指標は既存の物流企業が対応しきれていない部分でもあり、直接物流を進行する大企業でも難しい部分だ。このようにコロシアムは定量的、定性的に成長している。
昨年プレシリーズAラウンド投資誘致を完了したコロシアムは、近いうちにシリーズAラウンド誘致に突入する予定だ。物流分野では後発ランナーで始まったが、もっと大きな可能性と機会を作っていくと期待している。
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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