【KORIT年末特集】日本進出を目指す韓国スタートアップシーン2023
KORIT年末特集!
2023年も残りわずか!今年もKORITをご愛読いただきましてありがとうございました🙇!
KORITは、様々なイベントに取材として参加できた1年でした!この記事では今年KORITが取材した日本で行われた韓国スタートアップのイベントのまとめ、取材や独占インタビューから見えてきた日本進出を目指す韓国スタートアップが着目しているポイントを共有いたします🙋♀️
2023年、日本で行われた韓国スタートアップイベント特集
今年も多くの韓国スタートアップが日本に進出!そして、これから日本に進出しようと計画をしている韓国スタートアップも多くあり、日本市場への理解や調査を積極的に行っています。
韓国の政府機関、アクセラレーター、VCなどが主体となって韓国スタートアップの日本進出を支援するイベントが日本で多く開催されました。
▶今年で10年目!韓国スタートアップの日本進出支援イベント「JAPAN BOOT CAMP」
主催:Startup Alliance(韓国、韓国スタートアップエコシステム活性化を目的としたNPO団体)
内容:韓国スタートアップの日本進出支援プログラム。日本現地でのピッチや現地企業/VC/CVCとのミートアップや関連セミナーの機会が設けられる。
▶大人気EC「nugu」主催の韓国コスメショーケース&POPUP
主催:nugu(韓国、インフルエンサーがブランドディレクターとなり、セレクトしたファッションを販売する日本国内大人気EC)
内容:韓国コスメブランドの日本進出を支援するもので、日本現地企業やインフルエンサーを招待し、使用感の体験や日本現地インフルエンサーとのつながりを作る場を提供
▶LINEのCFOも登壇、新韓Future’s Lab Japan主催イベント
主催:新韓Future’s Lab Japan
内容:プログラムに選定されている日本進出を進める韓国スタートアップ12社のピッチやを始め、LINEのCFOの日本事業の経験の共有や、新韓金融グループとスタートアップクロスボーダーファンドの発足したGlobal Brainのこれまでの歩みやこれからの韓国スタートアップへの支援について共有。
▶Global Brain×新韓金融グループ、初の日韓合同スタートアップファンド
主催:新韓金融グループ、Global Brain
内容:初の日韓合同スタートアップファンドの発足
▶ロッテベンチャーズジャパン「2023 L-CAMP JAPAN」開催
主催:ロッテベンチャーズジャパン、ロッテベンチャーズ
内容:日本進出を検討中や、既に日本進出を果たしたスタートアップのピッチ、ロッテホールディングス代表やVCのパネルトーク
▶韓国のKDB産業銀行のスタートアッププログラム「KDB NextOne」が日本進出支援プログラムを開催!
主催:KDB産業銀行、CNTTECH、スターシア
内容:日本市場や進出に関するセミナーや、VC/CVC、事業会社とのミートアップ
▶Sansan主催「Climbers Startup JAPAN 2023」に韓国スタートアップ初出展!
主催:Sansan
内容:日本国内最大級のスタートアップイベント。韓国スタートアップ6社が初出展。
▶済州島のスタートアップエコシステムを紹介!
主催:財団法人済州創造経済革新センター
内容:JCCEIで支援している韓国スタートアップ4社によるピッチや、日本進出に関するセミナー
▶韓国スタートアップ20社以上が集結!「Korea Startup Demoday 2023」
主催:新韓金融グループ
内容:新韓Future’s Lab Japan選定の韓国スタートアップが集結し、ブースの出展や、ピッチ、日本進出に関するセミナー、インフルエンサーによるパネルディスカッション
日本進出を目指す韓国スタートアップが注視しているポイントは?
上記で紹介したように多くのイベントが開催され、多様な韓国スタートアップが海外進出先として日本を選択しています。
創業時から海外展開を念頭に置いている韓国スタートアップは、日本のどのようなところに着目して進出を検討するのでしょうか?そして、日本進出をどのような戦略で攻略しようとしているのでしょうか。
KORIT独自のインタビューやイベントでのお話から見えてきた韓国スタートアップが日本市場に進出する際に注目しているポイントを紹介いたします!
地理的に近く、市場が大きい
まずは、日本と韓国はだれもが知っているとおり地理的に近いです。この点が日本に進出する際のメリットとして頻繁に挙げられます。現地へのアクセスが容易であり、時差がないためトラブルシューティングも迅速に行え、ビジネスを迅速かつ効果的に展開することが可能です。
さらに、韓国に比べて日本の市場は大きいという点も明らかなメリットです。一般的に、スタートアップが海外進出先としてアメリカを考えることが一般的ですが、世界的に見れば同じアジアとしての文化的な近さもあり、市場の広がりもある日本への進出が有望な選択肢であるという意見が多く聞かれました。
また現在、韓国では日本ブーム、日本では韓国ブームであり、相互に旅行需要が急増しています。地理的な近さから、多くの人々が1回の旅行に留まらず、何度も韓国を訪れ、逆に何度も日本に足を運ぶという傾向があります。
このことから観光に関するスタートアップの日本進出検討も増えており、最近では観光分野のスタートアップの日本進出を支援するため韓国政府が観光企業支援センターを渋谷に開設する動きも出てきています。
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デジタルトランスフォーメーション(DX化)
まず、日本に進出しようとする韓国スタートアップの多くが「DX化」というキーワードに注目しています。日本では世界でもDX化が遅れていると言わざるを得ない状況と言え、政府をはじめ企業単位でもDX化推進が最優先事項になっている状況があります。
韓国では、2020年の時点で国連が発表する電子政府ランキングで世界2位になるなど、スピード感を持ってDXを進めてきました。役所で発行する証明書や行政手続きが365日24時間、スマートフォンやパソコンで行うことができます。韓国旅行に行くだけでも韓国のDX化を感じることができます。具体的にはタクシーを呼ぶのもほとんどがアプリのみであったり、カフェのレジには人がおらず、端末で注文を完結させることがほとんどです。
行政、教育、民間など様々な分野でDX化をいち早く進めてきており、DX化に関する技術やサービスをもつ韓国のスタートアップが多く存在しています。彼らが日本のDX化が進んでいない分野に着目し、進出を検討するケースが多く見られました。
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オフライン店舗管理を提供するスタートアップ「HIGHERX」は、アルバイトなどの勤務者がオフライン店舗で業務中に行うべきチェックリストをもとに、業務の報告を写真で行うことができる店舗業務をDXするアプリなども日本への進出を検討。また、コロナ渦で韓国において政府主導のワクチン接種証明アプリを企画・開発をした「HOPAE(ホぺ)」は、この技術を応用し、パスポートや身分証のデジタル化を進めており、現在はアメリカやヨーロッパでデジタルIDのプロジェクトを進行中です。日本のマイナンバーでも応用することを目指し日本進出を計画しています。
韓国コンテンツの定着とローカライズ
また現在、韓流ブームは一過性なものではなく、音楽、ドラマ、ファッション、食など、韓国コンテンツは当たり前の存在として生活に溶け込んでいますよね。
以前から韓国のコスメやファッションは人気がありましたが、最近では、韓国から日本に進出したコスメやファッションブランドが、日本人に最適化したアイテムやコンテンツを企画、開発、販売する例が増えています。特に化粧品では、韓国のコスメブランドが日本人の肌に合う成分や人気のカラーを用いて商品を開発している事例が目立ちます。
ファッション分野でも、韓国で販売されているアイテムをそのまま日本で提供するのではなく、日本向けに「ローカライズ」して販売しているECサイト「nugu」が若者の間で大きな人気を得ています。nuguのローカライズは、日本人インフルエンサーがブランドディレクターとなり、韓国ファッションアイテムをセレクトする方法で行われています。
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これまでに比べ、若者たちは単にK₋POPや韓国ファッションに興味を示すだけでなく、日本国内のトレンドを意識しながらも韓国ファッションを取り入れることに魅力を感じています。これにより、ファッションの領域は単なる「韓国ファッション」を超え、より多様で日本人の感覚に合ったスタイルが広がっていくのではないでしょうか。
2023年の日本国内での韓国スタートアップの動きに注目してきましたが、いかがでしたでしょうか?2024年もKORITは韓国スタートアップシーンをたくさん取材していきますので、どうぞよろしくお願いいたします‼️
読者のみなさまにとってより有意義な情報を発信していきたいと思っていますので、下記リンクより読者のみなさまのお声をお聞かせください!
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