韓国スタートアップから生まれた今注目のアプリ4選
韓国スタートアップから生まれた今注目のアプリ4選
韓国留学中のKORIT編集部 ももです!
韓国留学に来て早いものでもうすぐ1年が経とうとしています。
韓国で生活をしながら、韓国のアプリサービスを自然と使うようになりました。
「実際に使っている身近なアプリが、実はスタートアップ企業がリリースしたアプリだった」
ということも多いです。
そこで今回は私が韓国で生活しながら使っている韓国スタートアップがリリースしたアプリサービスについて書いていこうと思います!
書き出すとたくさんあるのですが、本記事では厳選した4つのアプリサービスを紹介していきます。
この記事が韓国スタートアップについての理解を深めたり、韓国スタートアップを知るきっかけになったらうれしいです。
1.LandryGo
まず1つ目は「LandryGo」という非対面型のランドリーサービスです。洗濯物集荷から洗濯、配達までアプリ一つで完結する斬新で便利なサービスです。
洗濯に出す際は、玄関前に洗濯物を置きアプリから回収依頼をします。そのためコインランドリーに行く手間や、配達ドライバーと直接会う必要もありません。
LandryGoは2019年3月にLife goes on(衣食住カンパニー)というスタートアップによって生まれました。
Life goes onのジョ・ソンウ代表が、LandryGoを設立するきっかけをYoutubeで話しています。実に興味深く、面白いと感じたので紹介します。
ジョ・ソンウ代表はLandryGoを始める前、Dum&Dummerceというソーシャルコマースを創業し、現在も大幅に拡大している新鮮食品の「深夜配送」モデルを韓国で初めてつくりました。深夜配送サービスが急成長し、2015年デリバリーサービスWoowa Brothers(優雅な兄弟たち)に売却をし、名前を「Baemin Fresh」に変え、CEOとして2年半務めました。その後Baemin Freshを退社し、慰安旅行先のアメリカでLandryGoを始めるきっかけが生まれたのです。
ジョ・ソンウ代表がサンフランシスコで友人とホテルに戻る帰り道、乗っていた車のトランクが破壊される事件が起こりました。現金など車内にあったものが盗難されました。
しかし、金品や多くの所持品が盗まれた中、たった1つ、洗濯をしようとトランクに載せていた服だけは盗まれていなかったのです。
「なぜ高い服もあるのに洗濯物は盗まないんだろう?」と考えていた際、
「洋服だけが盗まれていなかったという事実から、何かサービスにつなげられるものはないだろうか?これまでの経験を生かして何か面白いビジネスができそうだ。」
と思いついたことがきっかけでLandryGoが生まれたと述べています。
では、実際にLandryGoはどのようなサービスか簡単に説明をします。
まず洗濯物を22時前までに自宅の玄関前に置いておくと、深夜に配達員が洗濯物を集荷しに来ます。その後配達員によって洗濯場まで運ばれ、洗濯が行われます。
集荷時、洗濯時、完了時には逐一カカオトークアプリを通じて通知が来るので、状況を確認することができます。そして洗濯が終わると、再び自宅の玄関前に配達をしてくれます。
洗濯物集荷から配達までにかかる時間はなんと、たったの1日です。翌日の深夜には洗濯後の服が自宅まで戻っているのです。
他にも、毎日出る洗濯物をすべて任せるサブスクサービスや、洋服の修繕サービスなども行っています。
現在LandryGoは、1日平均4,000件、月平均10万世帯以上が利用しているサービスとして急成長を続けています。これまでソウルを中心にサービスを行っていましたが、南楊州(ナミャンジュ)市、茶山(タサン)新都市、ビョルネ新都市、九里市ガルメ新都市、水原市ホメシル地区など主に新都市を中心にサービスを拡大しています。
また、昨年下半期にH&とAltos Ventures(アルトスベンチャーズ)などから500億ウォン(約52億円)の資金調達をし、日本と北米市場の事業展開に着手しています。
日本でのサービス開始も目前かもしれません。
2.タングンマーケット
2つ目は「タングンマーケット」というサービスです。
タングンマーケット(Danggeun Market)は2015年に始まった、中古取引サービスを主とする韓国の地域生活コミュニティサービスです。その他にも、質問応答ができる地域情報掲示板、不動産、求人広告、近所のお店情報など、地域活性化を促すさまざまなサービスを提供しています。昨年には月間アクティブユーザー(MAU)が1,800万人、累積加入者数は3,200万人を超え、創業7年でユニコーン企業となりました。韓国でタングンマーケットを知らない人はおそらくいないほど有名なサービスです。
私は主に中古取引サービスをメインとして利用しています。
利用方法は難しい手順もなく、簡単です。まず、取引したい商品を値段設定とともに掲示すると、購入希望者からチャットが送られてきます。
値段交渉や購入意思などを確認後、取引方法を決めます。宅配もあるのですが、直接会って取引する場合が多いです。
その後、時間と場所を決めて待ち合わせをします。現場での取引は30秒ほどで終了します。商品を確認、支払いをしお礼を言って別れます。
支払い方法はその場で相手の口座へ送金、現金、またはタングンペイ(DaangnPay)という送金サービスで行います。
タングンペイでは取引の際に現金を準備したり、相手の口座番号などの個人情報を教えることなく取引ができるので、安心して利用できます。上記写真のように、タングンチャットにてリアルタイムで送金、および確認ができます。口座振込機能により、学費や管理費の納付など、金融取引も容易で手軽に処理できるようになっています。
また、タングンマーケットは韓国以外にも日本、アメリカ、イギリス、カナダのグローバル5か国、440地域でサービスを運営しています。
日本には「KARROT」というサービス名で2021年2月に進出し、横浜市港北区でサービスを開始しました。近所の人と「地域限定」「手渡し」で売買をする中古取引アプリサービスを提供しています。利用地域のご近所さんのみが使用できるよう、位置情報に基づいた利用地域の登録をするので安心して利用できます。
Danggeun Market Inc.グローバルプロダクトチーム佐々木祐衣さんのインタビュー記事も是非あわせて読んでみてください↓
3.Cash Walk
3つ目は「Cash Walk」というサービスです。
韓国ではもちろん、韓国に来ている外国人留学生も利用している有名なサービスです。
Cash Walkは歩くだけでポイントが貯まり、貯まったポイントで商品と交換ができる「お金を稼ぐ万歩計」アプリサービスです。100歩=1cashに換算され、cashに応じて商品と交換ができるという仕組みになっています。
商品はコーヒーからコンビニ商品、チキン、映画観賞券まで多岐にわたります。
Cash Walkは、2016年にデジタルヘルスケアのNudge Health care(ナッジヘルスケア)株式会社というスタートアップが開始したサービスです。
Nudge Health careがこのサービスを開始するきっかけとしてまず、韓国人の約30%が慢性疾患を患っているという点に着目しました。また、現在の医療形態は人々が病気を患った時にお金を稼げるシステムになっており、健康を維持することによってはお金を稼ぐことはできないという点にも着目しました。そこで慢性疾患を管理し、健康習慣を作る新しいモデルが必要だと考えました。
加えて、運動が現金になるという即時的に得られるものがあれば人間はやる気が出る、また継続的に習慣化できるという考えをもとにリリースしました。
使い方はとてもシンプルです。100歩歩くごとに宝箱の右上に数字が1つずつ表示されます。数字を押すと、1=1cashとして貯まっていきます。
1日100cash(1万歩)まで貯めることができ、0時になると歩数がリセットされてしまうので、0時になる前までにcashを貯めていきます。
私はすでに3杯分くらいコーヒーを交換しているので、1,500円分以上の現金化ができています。語学堂に通う外国人の友人と何cash貯まったか競ったりもしています(笑)
cashを貯めるために1駅分歩くこともあったりと、実際に良い健康習慣につながっています。
Cash Walkは韓国だけでなく、2020年12月には米国のGoogle playでAndroidバージョンをリリースしました。米国のCash Walkはユーザーの着実なウォーキング習慣化に役立っており、現在は累積加入者数100万人を突破しています。米国に続き、昨年はカナダ進出も果たしました。
今後はインド、台湾、中国、日本への進出を目指している急成長中のスタートアップです。
4.Alarmy
最後に紹介するサービスは、「Alarmy」というアラームサービスです。世界97か国で1位を獲得した、世界中で支持されているサービスです。
Alarmyは2012年にDelight Room(ディライトルーム)というスタートアップによって開始されました。
2022年までにグローバル累積ユーザー支出が1,000万ドル(約13億1,139万円)を超え、韓国のウェルネスアプリの中で売上1位を記録しています。特に、売上の45.9%が最大の市場である米国で発生し、昨年の米国内月間アクティブユーザー数(MAU)は持続的に増加しています。
世界中に支持されているAlarmyは実際にどんなアプリなのかというと、一言で言うと「何が何でも起きることができるアラームアプリ」です(笑)
「何が何でもって...?」と疑問に思われるかと思いますが、Alarmyは鳴っているアラームを止めるために、ミッションをクリアしなければなりません。
ミッションの内容は、睡眠の慣性状態を短縮させる効果が科学的に証明されたスクワットや数学の問題解答などです。ミッションを実行しないとアラームが鳴りやまないため、「朝から頭や体を使って起きなければならないアラームアプリ」というわけです。
ミッションを実行するためにユーザーは確実に眠りから覚めます。Alarmyはすっきりした朝が迎えられるようサポートをしています。
しかし世界97か国で1位を獲得するほどのアプリということは、世界中の人々は朝に弱いということが統計的に見てもわかりますね...(笑)
Alarmyは膨大なグローバルユーザーを基盤として、現在までに累計ダウンロード数が約7,000万件、月間アクティブユーザー数450万人を記録しています。昨年には世界149か国のAppleのアプリストアにおいて「熟睡をサポートするアプリ」分野で推薦アプリ(フィーチャードアプリ)に登録されました。また、「2022アジア太平洋アワード(2022 APAC Awards)」にてライフスタイル・ユーティリティ分野で韓国最高のウェルネスアプリ(Best Wellness App from Korea)にも選定されました。
今後も米国のみならず、グローバルに成長をしていくと予想できます。
私は朝に強い方ですが、絶対に早起きをしないといけない日の前日には必ずAlarmyでアラームを設定して寝るようにしています。(朝起きたてのミッションはなかなか厳しいですが...笑)
朝起きられない人に画期的なサービスであるAlarmy、是非皆さんも使ってみてください。
今回は韓国で実際に生活をしながら使っているスタートアップのアプリサービスを紹介しました。
どのアプリも「あったら便利だけど今まではなかったサービス」だと感じました。また、何気なく使っていたアプリでしたが、サービスを開始した背景やどのような目的をもって取り組んでいるかなどを記事を書くにあたり改めて調べて知ることができました。サービスの裏側を知ると企業努力が感じられ、ユーザーとしての視点も変わりました。
どれも便利なアプリサービスで、日本で利用できるものもあるので、気になったら是非一度利用してみてください!
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