韓国スタートアップ資金調達動向まとめ:2022年7月
この記事は、韓国のスタートアップメディア「startuprecipe(스타트업 레시피)」が発行する「月間スタートアップレシピ(월간 스타트업 레시피)」の情報をもとに、資金調達状況や動向を掲載し、企業情報を紹介しています。
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2022年7月:韓国スタートアップ企業投資概要
韓国内スタートアップへの投資、勢いなく 7月の総投資金は今年最少
韓国の国内スタートアップが調達した投資金は依然、減少傾向にある。7月は資金調達金が7,504億5,000万ウォン(約766億4,400万円)、投資件数は120件だった。今年に入って最も少ない額で、市場に回復傾向を見られない。昨年7月に2021年最多となる2兆398億ウォン(約2,086億4,500万円)の投資金が集まったのとは対照的だ。
最も多くの資金を確保したのはViva Republica
7月に最も多くの資金を確保した企業は「Toss(トス)」の運営会社Viva Republica(ビバリパブリカ)だ。3,000億ウォン(約306億8,600万円)を調達し、企業価値は8兆5,000億ウォン(約8,679億8,200万円)と認められた。Viva Republicaが調達した金額は、今年スタートアップが調達した金額の中で最大規模で、7月の総投資金の40%を占めた。
初期スタートアップに投資集中
シードからシリーズAまで初期スタートアップに投資件数全体の60%以上が集まり、依然、初期スタートアップには投資金が流れている様子だが、100億ウォン(約10億円)以上の資金を確保するスタートアップは減少傾向だ。6月から急激に減り始め、7月には100億ウォン以上500億ウォン(約50億円)以下の投資金を確保したスタートアップ企業は17社にとどまった。1,000億ウォン(約100億円)以上はわずか1社だった。また、投資会社の中では、KDB産業銀行が6社に投資し、3ヶ月連続で最も活発に投資を行った。海外の投資会社の中では、Altos Ventures(アルトスベンチャーズ)がViva Republica、Crypto Lab(クリプトラボ)、Katcher’s(キャッチャーズ)と、最も多い3社に投資した。
買収合併は活発
投資低迷期でも買収合併は活発に行われている。DRAMA&COMPANY(ドラマ&カンパニー)は2社を相次いで買収した。Viva RepublicaやBarogo(バロゴ)など、資金力を持つユニコーン級のスタートアップが買収を通じて新規事業を推進したり競争力を高めたりしている。AI医療診断スタートアップLunit(ルーニット)は、韓国の新興企業向け証券市場KOSDAQ(コスダック)に上場を果たした。
分野別投資分析
・フィンテックに投資集中
・ヘルスケアやブロックチェーンも勢い
・コンシューマテックは振るわず
分野別ではViva Republicaの影響でフィンテックに最も多い資金が集まり、AIを活用したヘルスケアのスタートアップや、独自の技術を保有するブロックチェーンのスタートアップに関心が注がれた。また、オンライン事業の増加で物流産業が注目され、初期物流ソリューションに投資会社の関心が集まった。一方、Eコマースやファッションプラットフォームなど、B2Cサービスのコンシューマテックは際立った注目は浴びなかった。
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