【2023年11月】韓国スタートアップ資金調達動向まとめ|月間スタートアップレシピ
この記事は、韓国のスタートアップメディア「startuprecipe(스타트업 레시피)」が発行する「月間スタートアップレシピ(월간 스타트업 레시피)」の情報をもとに、資金調達状況や動向を掲載し、企業情報を紹介しています。
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2023年11月:韓国スタートアップ企業投資概要
資金調達額は3,431億5,000万ウォンで前月比42%増、投資件数も増え102件
11月の資金調達額は3,431億5,000万ウォン(約379億3,952万円)で、10月より42%上昇した。投資取引件数も前月比20件以上増の102件を記録した。しかし、前年同月比では、資金調達額は41%減となっており、投資の流れは依然として上昇と下落を繰り返している。大規模な投資も比較的少なくなっている。
最も多くの資金を調達したのはAI精密医療企業Imprimedで300億ウォン
最も多くの投資金を確保した企業は、300億ウォン(約33億1,700万円)を調達したAI精密医療企業Imprimed(インプリメッド)だ。パッチ型インスリンポンプを開発したK・MEDI(ケイ・メディ)が260億ウォン(約28億7,500万円)、幼児脳開発ソリューションのDoBrain(ドゥーブレイン)が210億ウォン(約23億2,200万円)でこれに続いた。ヘルスケア分野の企業が資金調達上位に名を連ねた。
100億ウォン以上の投資は前月比増
1,000億ウォン(約110億5,800万円)以上の投資はなかったが、100億ウォン(約11億円)以上の投資は前月より増加した。段階別では、シードラウンド投資が50%を占める中、シリーズB以上の投資比率は、100億ウォン(約11億円)台の取引の増加により前月比で微増となった。TIPS(ティップス)、ディープテックTIPSなど、政府の支援金関連でニュースに取り上げられるスタートアップは増加傾向にあり、初期の生き残り資金を政府に頼る傾向が続いている。
M&Aは減少
スタートアップのM&Aは減少しており、11月には決済ソリューションのPaymint(ペイミント)がKakaoPay(カカオペイ)の子会社に吸収され、オフライン決済市場でのシナジーを狙って宇宙衛星データスタートアップCONTEC(コンテック)がKOSDAQ(コスダック)に上場したが、初日に大きく下落した。
分野別分析
- バイオ/ヘルスケア分野への投資が目立つ
- ソフトウェア分野も好調
分野別では、バイオ/ヘルスケア分野への投資が目立った月だった。コンシューマーテック、ソフトウェア、フィンテック分野を合わせた投資額よりも多くの資金がバイオ/ヘルスケア分野に集中。上位TOP5の投資企業のうち3社がデジタルヘルスケア企業であるほど、11月は「バイオ/ヘルスケアの月」だった。また、巨大言語モデルソリューションをはじめ、生成型AI企業など、AI基盤ソリューションが属するソフトウェア分野も好調だった。フィンテックは分割投資、インシュアテックなどで大規模な投資が行われ、投資分野の上位にランクインした。
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