CEO出身の延世大学生3人組が学生起業を支援するACを設立した理由は？

CEO出身の延世大学生3人組が学生起業を支援するACを設立した理由は？

共同代表のキム・ヨンジンさん、イ・ユンジさん、パク・ソンウさん

「学生起業家の悩みは、学生自身が一番よく理解しているだろう」

大学における初期起業チームの成長を助けるため、自発的にアクセラレーター（AC）を設立した学生たちが注目を集めている。延世大学2021年入学組の3人が「延世ベンチャーズ(Y-Ventures)」というACを設立したのだ。Y-VenturesはAILPの共同創業者キム・ヨンジンさん、Sovement（ソブメント）の代表イ・ユンジさん、元500 Global（500グローバル）のインターンシップ出身パク・ソンウさんの3人が意気投合して作った、学内スタートアップ専門のACだ。創設メンバー全員、10代の時に起業に挑戦するという独特な経歴を持っている。

毎年多くの学生起業チームが結成される一方で、同じくらい多くのチームが解散するということに彼らは着目し、「学内起業に特化」したACを設立する必要性に共感したという。

Y-Venturesのパク・ソンウ代表は、「周りを見ると、長い期間事業を続けることができずに、途中で解散するチームが少なくなかった」とし「学生起業振興センターや産学連協力チームなどの専門機関より、さらに学生起業チーム密着して、1から10までサポートする大学特化型のACモデルが必要だと思い、チームを結成した」と述べた。

彼が学生起業者に会って把握した共通のPain Point（ペインポイント）は、△本格的なスケールアップの段階で事業方向に関するアドバイスをしてくれる機関がないという点、△資金調達に難航していても適切な支援を求める機関がないという点、△ベンチャーキャピタル（VC）と投資生態系に対する基本的な理解が不足している点、△プロダクトやアイデアに対して客観的かつ洗練されたフィードバックをもらえる機関が不足している点などだ。

Y-Venturesのキム・ヨンジンマーケティング総括は、「学生起業者はほとんど、初期問題の定義、方向性設定、事業維持・発展に必要な資金調達、などの困難を抱えている」と述べた。

「新しいプログラムで最後までサポート」

Y-Venturesのようなモデルは海外にも存在する。 △イェール大学の「イェール アントレプレニュリアル ソサエティ」(Yale Entrepreneurial Society) 、△ハーバード大学の「ハーバード ベンチャーズ」 、△プリンストン大学の「プロスペクト スチューデント ベンチャーズ」などがある。また韓国には、△Postech（ポステック）の「APGCラボ」、△ソウル大学のSNAACなどがあり、Y-Venturesは彼らの活動をベンチマークして支援事業を企画したという。

Y-Venturesのミッションは大きく3つで、専門的なメンタリング基盤の成長支援、機関からの資金調達支援、延世大学の起業生態系の活性化だ。このために、初期起業チームに対する「ブーストプログラム（Boost Program）」を運営している。延世大学出身のメンバー1人以上を含む4つの起業チームを対象に、6週間プログラムを進行し、VC（ベンチャーキャピタル）や先輩起業家と一対一のメンタリングを提供する。これにより、初期起業チームの悩みを解決することが目的だ。

キム・ヨンジンマーケティング総括は、「スタートアップの現場で延世大学出身者のネットワークを強固に築き、有望な起業チームを学内起業レベルから機関投資を受けることができるレベルにまで成長させている。学校とベンチャーキャピタルの架け橋の役割だ」と話した。

パク・ソンウ代表は、「起業チームが試行錯誤しないよう、次の段階にスムーズに進むためのサポートをしたい。こちらで起業チームの問題を解決できない場合は、問題解決に実質的な支援ができる人と繋げる方法もとっている」と話した。

<画像：（左から）Y-Venturesの創設者である延世大学の学生キム・ヨンジンさん、イ・ユンジさん、パク・ソンウさん>

https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023070716014924235