【そのとき投資】 rentre、家電レンタルに、これ以上骨を折らないでください。
【そのとき投資】 rentre、家電レンタルに、これ以上骨を折らないでください。
- MashUp Angels(マッシュアップエンジェルス)チョン・ジェウォン審査役
月37,000ウォン(約4000円)払えばいいものを50,000ウォン(約5400円)払っているサブスクリプション商品があったらどうだろうか?足を運ぶかどうかによって36ヶ月間で45万ウォン(約4.9万円)を追加で支払わなければならない非効率的な市場で、実際に高額を支払っている消費者は自分が高く払っているという事実すら認識できない。売り手によって条件も異なり、実際の契約内容も非常に複雑である。購入自体が非定型的であるため、購入後も自分が合理的な購入をしたのかどうか確信が持てない。これは、家電レンタル市場の情報の非対称性によって生じる非効率的な消費者体験である。
既存のレンタル市場は70%の訪問販売と30%のテレマーケティングで流通が回っている。ウェブサイトまで構築されているところもたまにあるが、製品を選択して購入を決めても、名前と電話番号を入力して相談員と繋がるのを待つインバウンドテレマーケティング方式に留まっている。このような方法では、消費者は依然としてペインポイント(Pain point、顧客が不便を感じる点)を解消することができない。リアルタイムで相談が行われるため、即時の選択を迫られ、その過程で十分な検討の余地がなくなり、相談員のペースに流されてしまう。つまり、平均200万ウォン(約21.8万円)を超える家電製品の購入決定をその場で決めなければならず、もし決定を保留した場合、顧客の電話番号はアウトバウンドテレマーケティング業者に安く売られてしまう場合もある。また、各相談プロセスが断片的に行われ、レンタルの詳細条件まで並べて一目で比較することができない。既存のレンタル関連サイトでも価格を調べることはできるが、実際の消費者の条件を考慮していないため、消費者が望む見積もりとはギャップがある。
供給者側としてもやはり解決すべき問題は多い。家電メーカーとそれを商品化するレンタル会社では、流通チャネルが非効率的にならざるを得なかった。訪問販売/テレマーケティングは根本的に労働集約性を解消することができず、レンタル製品の流通に従事する人は2万人以上いるため、販促費も非常に多く投入される。また、営業方式の特性上、パフォーマンスマーケティングが不可能で、いわゆる「選択と集中」を難しくしている。
rentreサービス画面 /rentre提供
家電レンタルに特化したメタサーチアグリゲーター「rentre(レントリ)」
rentreは、これまで、どの代替案も解決できていなかったペインポイントに焦点を当てたソリューションを提供している。まず、製品検索において、より客観的に商品を比較することができる。メタサーチ技術により、市販のレンタル商品をDB化し、顧客データを基に商品や契約条件を推薦し、相談の全過程をデジタル化した。チャットベースのUIを通じて、顧客は即座に決定しなければならないというプレッシャーから解放され、一目で自分の条件を考慮した最終見積もりを逆競売方式で受け取ることができる。
情報の非対称の壁を打破した結果、消費者は手間をかけ、苦労して足を運び、割引情報やプレゼントなどを得る代わりに、クリック数回で平均31万ウォン(約3.4万円)のペイバック(客単価210万ウォン(約22.9万円)基準で)を受け取ることができる。 供給者であるメーカー、レンタル会社としても、消費者との相談過程と相談顧客が購入へと繋がる流れをすべて追跡・確認することができる。また、流通チャネルを一元化してプロモーションを効率的に進めることができ、レンタルプラットフォームを通じて発生するバイラル効果を間接的に享受することもできる。
rentreはMashUp Angelsから22年5月にシード投資で資金調達を行った。当時rentreは、上記の問題認識に基づき、浄水器レンタル分野の市場性と顧客ニーズを検証し、月取引額2億ウォン(約2180万円)を記録しているチームであった。実際に存在する問題を認識し、それを解決し、設定した成果の達成を指標を用いて証明している姿が目立っており、投資の検討にそれほど時間がかからなかったほど、明確にビジネスを行っていた。
投資後、rentreはD・Camp 、D・Day優勝、中企部TIPS選定などを通じて初期スタートアップとしての地位を固めた。指標上も毎月20%近く成長し、今年7月時点で月の取引額が投資当時より10倍以上増加した21億ウォン(約2.29億円)、累積取引額200億ウォン(約21.8億円)を達成した。そして、流通会社の領域を効率化する第1段階を経て、レンタルアカウントを運営し、ファイナンス機能を提供する第2段階を目前にしている。このため、現在、LG hello vision(LGハロービジョン)、KG INICIS(KGイニシス)など既存のレンタル会社と協業し、本格的な市場参入を準備している。
rentre ソ・ヒョンドン代表 /rentre提供
レンタル産業の構造革新を夢見る
rentreの創業者であるソ・ヒョンドン代表は、西江(ソガン)大学経営学科卒業後、韓国公認会計士としてSamil(サムイル)会計法人で勤務した経歴を持っている。在職当時、韓国内トップのレンタル会社のM&Aプロジェクトに参加し、レンタル市場について詳しく知ることができたという。当時、レンタル市場はオフライン訪問販売中心の流通構造に基づいて運営されており、販売手数料率が30%水準と、他産業に比べて過度な状況だった。また、レンタルを好むMZ世代をターゲットにオンラインプラットフォームを構築すれば爆発的に成長できると判断し、起業を決意した。
その後、通信市場と同様の方法で中古浄水器の名義変更をサポートするベータサービスを通じて、顧客のポジティブな反応を確認した。これを機に、rentreは浄水器、空気清浄機などの伝統的な生活家電を超え、テレビ、冷蔵庫などの大型家電に取り扱い品目を大幅に拡大し、2,000以上のSKUを確保した。このような横の幅を広げたのに加え、バリューチェーンという縦の幅の統合も現在進行形で進めている。300社以上の流通会社、様々なレンタル会社をプラットフォームに内在化させ、各段階で発生する非効率を改善している。共同創業者であるパク・ジェマン理事は、ソ・ヒョンドン代表の大学時代の同期で、CJ Olive Networks(CJオリーブネットワークス)、GymTなどでプロダクト企画を担当した。他にもECHOMARKETING (エコーマーケティング)、PTKOREA(パンタイ・コリア)を経験したマーケティングリーダーやDailyshot(デイリーショット)で顧客経験部門を統括したCXリーダーなど、優秀な人材を次々と採用している。
rentreは、オンライン流通市場をいち早く占有することから始め、最終的にレンタル業界全体の構造を改善することを目指している。現在単品で提供している見積もりをまとめて提供し、飲食店、オフィスなどのB2B需要に対応する予定だ。また、見積もりサービスに一括購入を追加し、自分の支出スケジュールに合わせた様々な購入条件を提供するという。最後に、直接レンタルアカウントを運営し、レンタル契約の1次(生成)と、2次(流通)市場の両方を網羅するモデルにスケールアップする。このように、家電レンタルの検索・契約・解約までのライフサイクル全般に関わる「実物サブスクリプションエコシステム」を構築せんとするrentreのビジョンを応援している。
rentreのチームメンバー /rentre提供
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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