【ちょい事情通の記者が送るキュレーティングレター】
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ちょい事情通の記者はスタートアップが世界を見る「窓」です。スタートアップを愛する第3者の目線から、とても忙しないスタートアップ業界を見逃さないよう記事を集めてお届けします。
1.Webtoon Entertainment(Naver Webtoon)のNASDAQ上場...「凄まじい成功なのに、なぜ親会社であるNaverの株価は下がる?」
Webtoon Entertainment(ウェブトゥーンエンターテインメント、Naver Webtoon(ネイバーウェブトゥーン)の本社である北米法人)が27日(現地時間)、米国NASDAQ(ナスダック)に上場しました。Naver Webtoonは公募価格が希望価格の上限である1株当たり21ドルに決定され、初取引日には9.5%上昇した23ドルを記録しました。順調なスタートです。上場イベントには、Webtoon Entertainmentキム・ジュングCEOと共に、Naverのイ・へジン グローバル投資責任者が参加しました。上場後もNaverの持分は63.4%で最大株主です。Webtoon EntertainmentのMAUは3月現在1億7000万人です。上場でWebtoon Entertainmentは普通株1500万株を発行し、3億1500万ドルを資金調達します。現在の時価総額(27日の終値ベース)は約29億ドルです。
大成功でしょうか?気になるのは2つです。成功といっても、親会社であるNaverの株価にはむしろ悪材料という話が聞こえてきます。実際、Webtoon Entertainmentの上場ニュースが出てから、Naverの株価は下落しています。時価総額は4兆ウォン(約4655億円)ですが、以前話題になったウェブトゥーンの価値よりかなり低く思えます。この間、Naverが投資した金額も少なくないでしょうし。パッと思い浮かぶのは、2021年のwattpad(ワットパッド)の買収(6億ドル)ですね。
Webtoon Entertainmentを率いたキム・ジュング代表が受け取る金銭的報酬は900億ウォン(約104.7億円)程だといいます。ストックオプションと現金ボーナス(3000万ドル)を合わせた金額です。これに加えて、RSUも一部あります。少なくない金額ですが、過去のLINE上場の際シン・ジュンホさんが受け取った金額と比較するとかなり差があります。もちろん、当時のLINEの価値はWebtoon Entertainmentよりはるかに高いですが。
2つの疑問はそのままにしておきます。ただ、競争相手であるピッコマ(Kakaoのウェブトゥーン子会社)のキム・ジェヨン代表へ[ちょい事情通の記者]が行った最近のインタビューのリンクも一緒に残します。疑問の答えを見つける過程の参考になると思います。世界の漫画市場(ウェブトゥーンとデジタル漫画を含む)の最大の市場はアメリカではなく日本です。格段に差がある、最大の市場は日本です。
[原文] NaverWebtoon、NASDAQ上場初日10%急騰...企業価値4兆ウォン(約4655億円)
[原文] NaverWebtoonキム・ジュンギュ インタビュー 「アジアのディズニー36年のロードマップ、Kウェブトゥーン世界征服の半分ほどまで来た」
[ちょい事情通の記者] Kakaoピッコマのキム・ジェヨン代表、日本有料アプリ1位になった秘訣
WebtoonEntertainment キム・ジュング代表/NaverWebtoon提供
2.サツケバーが間違っているのでなければ...制御不能なOpenAIがもたらす人類の未来
スタートアップのCEOといえば「サム・オルトマン」や「イーロン・マスク」という名前を知らない人はいないでしょう。グローバルテックのリーダーであり、最高のスタートアップ起業家です。ではサツケバーは?ちょっと待って、聞いたことが....
サツケバーは2015年にオルトマンとマスクとともにOpenAI(オープンAI)を共同創業した人物です。よくAIの天才科学者と呼ばれます。ChatGPTの基盤となったAIモデルを開発した中心人物でもあります。ChatGPTの父という称号をつけるとすれば、オルトマンでもあるでしょうし、サツケバーでもあるでしょう。いわば、ChatGPTという技術を最もよく理解している人物ということです。
サツケバーは昨年の、いわゆる「失敗したクーデター」の主役です。OpenAIの理事会メンバーであるサツケバーは、オルトマンを追放しようとしました。理由は、AIが人類の害になってはいけない、というものでした。ご存知の通り、OpenAIの従業員は一斉にオルトマン追放に反発し、サツケバーはむしろ追い出されました。先月、OpenAIを退社しました。
OpenAIに関する、最新のアップデート記事3つです。
[原文]OpenAIを去ったサツケバー、「安全な超知性」を目指す新スタートアップを設立
[原文]ベールを脱いだApple「アイ(AI)フォン」戦略、勢い等々...期待と懸念は
[原文]安全・信頼性にノイズが起きたOpenAI、次世代音声アシスタントリリース延期
先月OpenAIを退社したサツケバー共同創業者/ロイター
3.RebellionsとSAPEONの合併裏話...KT、SAMSUNG(サムスン電子)はどこ?
Rebellions(リベリオン)のある投資家との夕食の席で「SAPEON(サピオン)との合併」の話が出ました。裏話は「現在進行形」のため、共有は難しいのですが、結論としては結局「実査中」という程度です。周知の通り、主導権はSAPEONではなくRebellionsが握っています。ただ、この日のテーマの一つは「SAMSUNG(サムスン電子)」と「KT」でした。
RebellionsはKTの投資も受け、KTと協業しながら厳しいAI半導体市場を開拓していました。SAMSUNG(サムスン電子)のファウンドリと協業しています。SAPEONはSKTが最大株主であり、当然SK hyniks(SKハイニックス)と協業しています。Rebellions-KT-SAMSUNG(サムスン電子)、SAPEON-SKT-SK hynicsの構図ですが、
合併法人の最大株主はSKTelecom(SKテレコム)である可能性が高いです。では、通信分野のライバルであるKTは受け入れられるのでしょうか。SKグループの一員となったRebellionsとSAMSUNG(サムスン電子)は引き続き協業できるのでしょうか?現時点では「その可能性が高い」というのが当時の夕食の席の雰囲気でした。SAPEONがうまく開発が進まず、壁にぶつかった可能性。 KTは両者の交渉を事前に知り、暗黙の了解をした可能性。KTとしては現在、他のパートナーを探すのが現実的に難しい状況。RebellionsがSKTに引っ張られるのではなく、むしろ主導権を握っているため、KTやSAMSUNG(サムスン電子)と関連して幅広いエクスキューズを受ける可能性。SAMSUNG(サムスン電子)がHBMとファウンドリの危機的な状況で「パワハラ」のような「盤面を壊してみよう」という行動はしない可能性など。
人工知能時代の到来は、通信大企業や半導体企業にとっても文字通り「命がけの危機」かもしれない状況であるため、「チャンス」にするためには、Rebellionsを中心に「協業」が模索されるかもしれないという「バラ色の見通し」です。本当にそうなるのでしょうか?
そういえば、ここでも気になることが1つ。一体なぜ、SAMSUNG(サムスン電子)はRebellionsに投資しなかったのでしょうか?ある知人いわく、「当然検討し、上がりました。でも、いったいなぜ決定されなかったのかは誰にもわかりません。今やSAMSUNG半導体のトップも変わったので、今後も誰もわからないでしょうね。」
[原文]Rebellions-SAPEON、統合まで「霧の中」。
[原文, ちょい事情通の記者] Rebellions、難しいと言われる市場で620億ウォン(約72.1億円)の投資を受けた理由
Rebellionsパク・ソンヒョン代表が5月16日、京畿道・城南市(キョンギド・ソンナム市)のRebellions本社で開かれた「理工系活性化対策TF第4回会議」で人工知能(AI)半導体を紹介している。パク代表はこの日の会議で、韓国国内スタートアップエコシステムの活性化と、優秀なロールモデルとなる海外人材に対する支援を政府に要請した/科学技術・情報通信部
4.LINE・Yahoo!騒動の進展...「進展なし」という進展
LINE・Yahoo!問題についての進展はありません。進展かのような記事が登場しましたが、進展というには微妙でした。日本の毎日新聞が記事を1つ書き、韓国国内の多くのメディアがこれを受けて記事を出しました。
[原文]孫正義「LINE問題は私が責任を持って取り組む」...株主総会ではAIの強調のみ
言ってみれば、日本の有力政治家である甘利議員が孫正義会長に遠回しに、「Naverを経営権から除外してほしい。日本企業がLINEインフラを持つべきだ」と要請し、孫会長が「私が責任を持って取り組む」と答えたという話です。 該当の毎日新聞の記事は、紙面記事ではなく、オンライン有料サービス記事です。毎日新聞は有料化したメディアであり、主要記事はほとんど有料サービスです。その一部が紙面に掲載されます。オンライン掲載の後、数日後に紙面に掲載されることもありますが、該当記事はまだ紙面には掲載されていません。甘利議員事務所に問い合わせたところ、補佐官はこの記事が出たことすら知らなかったといいます。甘利議員は定例国会終了後に選挙区に行き、事実確認は難しいという回答もありました。
要は、日本ではあまり話題にならなかった記事です。韓国ではLINE・Yahoo!騒動が話題になっていますが、日本ではあまり話題になっていない状況です。日本のメディアも大きく取り上げていません。知らないわけではありません。主要日刊紙の経済担当記者(韓国取材パートを含む)は皆、認識しています。とても、不思議なイシューです。
5.スタートアップ氷河期と米国金利の関係
スタートアップ氷河期という言葉をどう思いますか?もし今が正常で、数年前の状況が時々訪れる希望の春風だったとしたら。2つの記事を推薦します。1つは、CLASS101(クラス101)が経験している厳しい氷河期の一場面です。残念なことに、CLASS101は、いわゆる上手くいっている時期にもノイズが少なくなかった会社ですが、まさかこんなに一瞬で厳しい状況になるとは思いもしませんでした。
もう1つは、グローバル金融を語る1年前のインタビューです。 スタートアップ氷河期がいったいいつ終わるのか」は、やはり米国の基準金利を見なければなりません。当時、アナリスト出身の起業家であるgowid(ゴーウィド)のキム・ハンギ代表は、「高金利は相当期間、(私たちが予想するよりも)ずっと長く続くだろう」と述べました。私がインタビューをした昨年2月当時、米国は2024年には再び金利を引き下げるというのが、すべての金融業界関係者の予想でした。背筋がゾクゾクするほど、キム代表の言葉通りに進んでいます。
[原文] 企業価値3000億ウォン(約350億円)だったCLASS101、10分の1の価格で資金調達を推進...続く氷河期
[ちょい事情通の記者]gowid キム・ハンギ「VC投資なしでスケールアップする方法」
6.アメリカから中国に行くお金を、韓国に来させるには?
一読をお勧めするというよりは、ちょっとツッコミどころが多かった記事です。要点は、米国が中国に投資していないため、韓国のスタートアップがお金を誘致する絶好のチャンスなのに、韓国は見逃しているというものです。実のところ、韓国のVC文化に問題があるという指摘です。
記者たちが疑問に思うのはこの部分です。「(起業家が米国のVCから投資を誘致しようとするとき)すべての投資会社が同意権を持つため、発生する問題も少なくない。起業家がある投資会社1社に嫌われている場合、その投資家が主要な決定に同意してくれないと、スタートアップの投資誘致計画そのものが破綻する。」いわば、起業家を憎むVCがアメリカから投資誘致を阻止するのが原因だといいます。お金というものがそんなに感情に流されるのでしょうか?さらには、VCのお金が?お金は冷血なものではなかったのでしょうか?憎いからではなく、「その投資は自分にとって損だから」ではないでしょうか?
Facebookで「オム・テジュン」と検索するとOr Alliance(オルアライアンス)の代表パートナーという方が細かく指摘を入れている文章があります。むしろ納得できる内容でした。一部だけ引用すると、[この記事では、『米国の投資契約がスタートアップの成長に重きを置くとするなら、韓国はリスク管理に重きを置く文化』と述べている。しかし、どちらも間違っている。投資家は皆、無条件に成長に重きを置くし、韓国はあまりリスク - これは何のリスクのことか分からない - 管理は行っていない。いや、あまり気にせず、代わりに投資したところには、プラスして行うスタイルだ。管理する専門分野があるのかもよくわからない」という感じです。
この際、「アメリカから中国へ投資される、その大金」の一部でも韓国に来るようにする妙案も一度は考えてみるべきでしょう。その大金の一部は日本に行くようですが。
[原文] 「韓国には『義母』が多すぎる」...結局ベットを止める米VCたち
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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