この記事は、韓国のスタートアップメディア「startuprecipe(스타트업 레시피）」が発行する「月間スタートアップレシピ（월간 스타트업 레시피)」の情報をもとに、資金調達状況や動向を掲載し、企業情報を紹介しています。

コンシューマーテック分野：2022年1月動向

中古取引とファッションEコマースは依然として投資家の関心対象である。関連する少数企業が2021年に続き、追加投資に成功しており、大きくなった規模によっては国内を超えて海外市場進出を推進や、新規事業で成長の勢いを維持する姿が見られる。また、グローバル市場で人気を博したブランドアグリゲーターモデルが韓国内でも新たに浮上している。

稲妻市場（번개장터：ポンゲチャント）

中古プラットフォーム稲妻市場（번개장터：ポンゲチャント）が820億ウォン（約78億円）の投資を完了した。2021年に金融会社から誘致した300億ウォン（約29億円）を含む金額だ。2011年に設立されたクイックケットが前身である稲妻市場は2017年に名前を変え、現在の趣向をコンセプトに掲げ、MZ世代のためのオンライン中古取引プラットフォームに成長中だ。競合他社と差別化するために、スニーカー、ゴルフ、中古衣類分野の企業を順番に買収して規模を拡大し、ブランド中心趣向の中古取引アプリでサービスを強化し、ミレニアル世代を攻略中だ。稲妻市場は昨年基準加入者数1,700万人、年間取引額1兆7000億ウォン（約1,628億円）を達成し、今回の投資でファッション、デジタル、レジャーなどのカテゴリー内ブランド中心サービスを強化し、安全決済と配送サービス競争力を追加的に確保し、高級品を含む中古認証サービスの開発に乗り出す計画だ。

◆ 投資誘致現況

ABLY Corporation(エイブリー・コーポレーション)

ファッションプラットフォームのABLY運営会社のABLY Corprationが670億ウォン（約64億円）の投資を誘致し、企業価値は9,000億ウォン（約862億円）と認められ、ユニコーン目前となった。今回の投資は、昨年620億ウォン（約59億円）投資を誘致してから6ヶ月ぶりに受けた投資で累積投資金は、1,730億ウォン（約165億円）を記録した。2018年に発売されたABLYは、シングルアプリでのみ2020年の取引額7,000億ウォン（約670億円）を達成し、今年の取引額は1兆（約958億円）を超える見通しだ。ABLYは今回の投資をきっかけにAI推薦サービスの高度化、東大門フルフィルメントサービスの強化、グローバル進出を加速する一方、誰でもEコマース創業を容易にできるように制作仲介プロセスを導入するチェーンプラットフォームに拡張し、ネクストコマースエコシステムを構築する計画だ。

◆投資誘致現況

Dealicious（デリシャス）

Kファッション卸小売取引サービス Dealicious（デリシャス）が540億ウォン（約51億円）の投資誘致に成功し、累積投資額は795億ウォン（約76億円）になった。Dealiciousは、東大門ベースの卸小売取引プラットフォーム新市場とKファッションオールインワン・フルフィルメントサービスデリバードを運営し、東大門ファッション市場のデジタル転換を成功裏に行ったと評されている。Sinsang Market（シンサンマーケット）は卸売商が上げる製品をオンラインで注文できるサービスで、デリバードは卸売、小売、顧客をつなぐB2B2Cフルフィルメントサービスで、2013年からこれまで累積取引額は2兆ウォン（約1,916億円）を超えた。Dealiciousは、東大門市場でデジタル転換を推進した経験をもとに、グローバルファッション市場に本格進出する計画だ。日本を初進出国としてKファッションセレクションを日本に供給するため、日本のファッション小売事業者を確保し、標準化されたシステムを提供できるように技術高度化とフルフィルメント施設を拡充、クロスボーダー物流まで進める計画だ。

◆投資誘致現況

Law&Company（ロー・アンド・カンパニー）

法律サービスプラットフォームのLawTalk（ロートーク）の運営会社であるLaw&Companyが230億ウォン（約22億円）を誘致し、累積投資金400億ウォン（約38億円）以上を確保した。LawTalkは、誰でも簡単に法律サービスに接することができるプラットフォームで、法律市場での情報非対称を解消している。昨年、大韓弁護士協議会が法律プラットホーム禁止政策を掲げ、弁護士会員と売上減少などの危機を迎えたが、サービス利用指標は成長したようで、月100万人がLawTalkを利用している。2021年7月に予備のユニコーンに選ばれたLaw&Companyは、AIを活用して裁判所判決文など各種法律情報を閲覧できる法律情報検索サービスを発表する予定だ。

◆投資誘致現況

Boosters（ブースターズ）

ブランドアグリゲーターBoosters（ブースターズ）が120億ウォン（約11億円）の投資誘致を完了した。ブランドアグリゲーターは中小型ブランドを買収してマーケティング、在庫管理などを支援、次の段階への飛躍を促すモデルで、買収はブランド営業権を譲渡、譲受する方式で進行される。潜在的成長の可能性があるブランドを複数個買収して育てるブランドアグリゲーターは海外で爆発的な成長を遂げている。代表的な例には、アマゾンセラーアカウントを買収して成長させ、ユニコーンになったトラシオ（thrasio）がある。Boostersは2019年に発足し、自身の商品企画力とインフルエンサーを活用したプロモーションで累積売上270億ウォン（約25億円）を記録している。

◆投資誘致現況

Foodpang（フードパン）

オンライン食材Eコマース企業Foodpang（フードパン）110億ウォン（約10億円）を誘致した。累計投資額は、13億ウォン（約1.2億円）だ。Foodpangは、卸売市場ベースの独自の物流システムを運営する食材B2Bプラットフォームだ。2018年にアプリを発売し、ソウルと釜山で5,000以上のレストランを提携会社として保有している。野菜、果物、畜水産、共産品など1万1,000以上の商品に対する卸売市場価格を毎日更新し、飲食店の店主が食材を購入できるようにした。昨年11月基準の売上高は20億ウォン（約2億円）を超えた。投資会社は、食材産業の中心である卸売市場でFoodpangによるデジタル転換の可能性を高く評価したという。今回の投資でFoodpangは卸売市場ベースの新鮮なフルフィルメントセンターを拡充する計画だ。

◆投資誘致現況