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企業はNFTをどのように使用しているのか?

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企業はNFTをどのように使用しているのか?


 NFTに対する関心が高まるにつれて、NFTを指定商品とする商標出願数も増加している。2020年USPTO(米国特許商標登録庁)はたった20件のNFT関連商標出願が申請されたが、2021年にはその出願数が1400件を超えたという。2022年1月の1ヶ月間に450件の出願があったということは、一日約15件のNFT商標出願が行われているわけだ。


NFTとは何だろうか?

NFT、Non Fungible Token、代替不可能なトークンを意味するもので、代替不可能ということは、交換できないという意味だ。例えば、デイヴィット・ホックニーの元の絵は唯一のものであり、置き換えることができないため、「代替不可能」だ。1万ウォン紙幣は、本質が同じ他の紙幣と交換できるため、「代替可能」である。NFTはデイヴィット・ホックニー のオリジナルの絵を購入するのに似ている。コピーはいくらでもできるが、原本は購入者のみが所有できるためだ。

なぜNFTに熱狂するのか?

NFTを使用すると、デジタル資産の所有権を売買することができ、ブロックチェーン技術を使用して該当NFTを所有した人を追跡することができる。ここでブロックチェーンは全世界数千台のコンピュータを通じて管理されるため、その偽造が不可能であるという点で「真の商品」を「所有」したいという欲求がある人々を満足させることができる。

このような技術的な理由でNFTがデジタル資産の所有権を保障してくれることがあるため、NFTをベースにしたデジタル資産市場の規模が急増しているのだ。

企業はNFTをどのように使用しているのだろうか?

では、NFT分野に対する企業の使用、アクセス方案はどうだろうか。商標出願時に必須に指定しなければならない分類及び指定商品は、当該商標の出願人がその商標をどの商品及びサービスに使用するかを示す資料となる。そこで、最近米国で商標出願を完了した有名ファッションブランドの商標出願内容を見てみよう。快適なサンダルの代名詞「CROCS」商標の米国商標出願に関する内容である。ちなみに、2022年1月11日出願、まだ審査段階にある。



上記指定商品の一部を抜粋翻訳してみると以下の通り。

009:ダウンロード可能なデジタルメディア、すなわちデジタル資産、デジタル収集品、NFT靴、衣類、バッグ及びアクセサリーからブロックチェーン基盤SW技術及びスマート契約で生成されたダウンロードが可能な仮想商品、NFT生成、管理、販売などのためのダウンロード可能なコンピューターSW035:仮想商品、靴などを販売する小売店消費及びオンライン小売サービス、NFTの購入者と販売者のためのオンラインマーケットプレース及び登録提供業ダウンロード可能なデジタルメディア、すなわちデジタル資産、デジタル収集品、NFT靴、衣類、バッグ及びアクセサリーからブロックチェーン基盤SW技術及びスマート契約で生成されたダウンロードが可能な仮想商品、NFT生成、管理、販売などのためのダウンロード可能なコンピューターSW035:仮想商品、靴などを販売する小売店消費及びオンライン小売サービス、NFTの購入者と販売者のためのオンラインマーケットプレース及び登録提供業

 041:仮想世界のためのダウンロード不可能なエンターテイメント業

042:ダウンロード不可能なNFTの仮使用提供業、靴などを特徴とするブロックチェーンベースのSW技術およびスマート契約で生成されたダウンロード不可能な仮想商品の仮使用提供業など


ドライビングシューズで有名なイタリアブランドTOD'Sの米国商標出願内容についても見てみよう。



紙面上以下の画像を省略するが、035、041、042クラスも指定し、指定商品に関する内容を一部抜粋すると以下の通りである。

009:オンラインとオンライン仮想世界で使用できるダウンロード可能な仮想商品、特に香水、化粧品、サングラス、カバン、財布、靴;デジタル資産、デジタル収集品、デジタル吐根及びNFTの生産、管理、保存、送受信、交換のためのダウンロード可能なコンピュータSWなど

035:広報目的のファッションショー組織業、デジタル資産、デジタル収集品、デジタルトークンなどの買い手と売り手のためのオンラインマーケットプレイスとレジストリ提供業、オンライン小売サービスイベントマーケティングアップ

041:オンライン仮想環境で使用するためのダウンロード不可能な香水、靴などのエンターテイメント提供業

042:ブロックチェーンベースのSW技術とスマート契約で作成されたダウンロード不可能な仮想商品の一時使用の提供。ダウンロード不可能なデジタル資産、デジタル収集品、デジタルトークンおよびNFTを生成、管理、保存、交換、販売するためのコンピュータSW仮使用提供業など

イタリアの高級ブランド「BVLGARI」も2022年2月4日にNFTに関連して商標出願を行った。やはり、その指定商品情報から、企業がNFTに関してどの事業領域を拡大しようとしているのかを予想することができる。



009:ダウンロード可能な仮想製品、すなわち時計、宝石を含むコンピュータプログラム(オンラインおよびオンライン仮想世界で使用するためのもの)。オンライン仮想環境へのアクセスを提供するためのダウンロード可能なコンピュータソフトウェア

014:NFTに接続されたデジタルコード、ラベル、タグ、チップを含む時計と宝石

018:NFTに接続されたデジタルコード、ラベル、タグ、チップを含むハンドバッグ、バックパック、バッグ、財布

035:時計、宝石、芸術品などの仮想商品を提供するオンライン小売店

041:オンライン仮想環境で使用するためのダウンロード不可能な香水、靴などのエンターテイメント提供業

042:時計、ジュエリー、ジュエリー、メガネ、香水、バッグ、アクセサリー、アートのデジタルアニメーションやアニメーション以外のデザインの作成、製造、修正のためのダウンロードできないコンピュータソフトウェアとオンライン環境、仮想オンライン環境、拡張現実仮想環境でアクセスして使用するためのキャラクター、アバター、デジタルオーバーレイ、スキンデジタルアニメーションやアニメーションではなくデザインを作成、生成、修正するためのソフトウェアを特徴とするSaaSSoftware as a Service


メタバースで開かれたブルガリカラー展

 

NFT関連指定商品について出願された商標の商品分類を見ると、共通に009、035、041、042分類が指定されたことを確認することができる。

<009類>は、コンピュータプログラムに関する分類で、ファッションブランドの商品が仮想世界で使用される場合、例えば靴の場合、仮想オンライン世界で履くことになる靴は現実の靴ではなくダウンロード可能なプログラムとなり、009類に含まれる。

035類>は、各種商品の卸小売業、広報業等を含む事業全般にわたるサービスを含む幅広い商品分類で、NFT分野に関してはオンライン小売店、オンラインマーケットプレイスとレジストリ提供業に関連して指定されている。

<041>は教育及びエンターテイメントに関する分類で、オンライン仮想世界で実現可能なエンターテインメント業種事業のために指定される。

<042類>は、コンピュータハードウェア及びソフトウェアの設計及び開発業、設計業に関連する分類で、NFTサービスがオンライン環境を要件とするだけに関連分野の開発、設計業も必須に指定されているものとみられる。



特異な点は、ブランドジュエリー、ファッションブランドであるBVLGARIの場合、上記4つの分類以外にもNFT に接続されたデジタルコード、ラベル、タグ、針が含まれている時計、宝石、ハンドバッグを指定したことである。これは、企業がNFT技術を製品認証の側面としても活用するということを類推してみることができる資料だという。


ブルガリショーで公開された人工知能が創作したNFT作品

 NFTの名前を商標として登録するべき理由は何か?

商標は基本的に自分の商品の出所を他人の商品出所と誤認混同させないようにするための機能を遂行する。つまり、自身の固有のアイデンティティを保護するものであるが、NFTも真偽性に対する価値を認められるためには、買い手にNFTに対する信頼を保証しなければならない。

ナイキのデジタル限定商品のNFTを購入すると言ったとき、NFTの価値は、固有商品の真の所有権を持つことにあり、ここでの商標の役割は、顧客がNFTを購入するときに本物を購入していることを知らせるものだ。

NFT発行には対象ファイルに対する著作権が必要ないため、原作者が知らない間に本人の作品がNFTで発行されて取引される問題が生じることがある。簡単にまとめると、原作者が、あるいは商品の生産者がその商品のブランドをNFTを指定して商標として登録すれば、他社からそのブランドにNFTを発行することを商標的に制裁できるという原理である。

このような理由で、企業ではNFTを商品として商標出願を活発に行っており、これは事業拡大と防御のために非常に望ましい現象といえる。



筆者紹介:ノ·ジヘBLTパートナー弁理士は、韓国内外の大手企業商標及びデザインの韓国及び海外出願業務に関する経験を持っており、商標及びデザイン紛争に関するコンサルティング業務を行っている。 特許庁の産業財産権紛争調停委員として活動しており、現在は中小企業の商標、デザイン出願業務及び関連コンサルティング業務を主に行っている。


原文:기업은 NFT를 어떻게 사용하고 있을까? – 스타트업 스토리 플랫폼 '플래텀(Platum)' 

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