【SandboxNetwork】イ・ピルソン代表が語るSandboxのリストラと反省
【SandboxNetwork】イ・ピルソン代表が語るSandboxのリストラと反省
11月24日に下のようなニュースが出ました。
「非常経営体制に突入したSandboxNetwork(サンドボックスネットワーク)が結局勧告辞職プログラムを稼動させ、リストラに突入した。残留する職員も今後在宅勤務のない集合勤務体制で勤務することになり、経営成果正常化までは年俸交渉がなくなるという。
24日、Sandbox Network事情に詳しい消息筋は『昨日イ・ピルソン代表と経営陣が全社タウンホールミーティングを通じて事業組織再編と人員削減、今後の運営方針などを公開した』とし、『退社対象者に選ばれた人々にはメールで個別通知がなされ、通知を受けた人が『同意』すれば2ヶ月間有給休暇を提供し休暇期間終了後に退社する勧告辞職プログラムも公開された』と明らかにした。
この消息筋は『退職対象者の規模がどれほどかを会社側が公開していないため、どのくらいの人が会社を離れるのか分からない状況や、人員削減と在宅勤務の廃止、年俸交渉の中断などが事実上確定した状況で役員の昇進挨拶がなされるなど従業員の感情としては納得しづらい側面が多い』と付け加えた。」(MTNニュース、11月24日Sandbox Networkリストラ導入…光を失った「クリエイターエコノミー」)
記事が出てから1日経った、25日の夜遅くにSandboxのイ・ピルソン代表に会いました。創業家としては最もインタビューをしたくない時だったでしょうが、イ代表はちょい事情通の記者と会いました。リストラ、勧告辞職の理由を説明したのです。
リストラ、勧告辞職というのは重い言葉です。YouTube、Twitchなどコンテンツプラットフォームで影響力の大きいクリエイターを最も多く保有するスタートアップSandboxが揺らいでいるという話です。
Sandboxは、従業員数は600人近いうえ、売上も1,000億ウォン(約103.5億円)を超える、韓国内MCN(マルチチャンネルネットワーク)ビッグ3です。居心地の悪いインタビューは思ったより長くなりました。
Sandbox Networkのイ・ピルソン代表/Sandbox Network提供
昨年の赤字121億ウォン「管理可能な水準だと思った」
-有名YouTuber、DDotty(ドッティ)と共にSandboxを創業されました。
「DDottyは私の友人であり、彼が最初に『YouTuberをやろうと思う』と言ったとき、私はGoogleに勤めていました。YouTuberがどれだけ早く成長しているのかを見ていました。
当時、YouTubeは江南(カンナム)スタイルが流行っていた頃であり、バラエティ番組の切り抜きや映画レビューが主に消費されていました。ところがBuzzBeanのようなafreecaTV(アフリカTV)のBJの方々がYouTubeに移り始め、トラフィックが途方もなく増えていました。
ブルーオーシャンだから『1度挑戦してみるといいと思う』とDDottyに話し、私が横で手助けしながら仕事を始めたのがSandboxの始まりでした。信じられないほど急速に成長するのを見ながら、『可能性のあるビジネスになる』とまず考え、次にクリエイターが多くの困難を経験しているのをしているのを知りました。
DDottyの友人の中には、高校を卒業してからYouTubeのコンテンツを作ることだけに集中しており、輸入精算、税務、広告協議などのビジネス的なことについて何も知らない人も多くいました。
こういう人達へ手助けが必要だろう、ビジネス的なサポートをすれば、事業になるだろう。また自宅で1人で配信するのは、すごく寂しい職業です。こうした人達とコミュニティを作りたいと思いました。
『SandboxNetwork』という会社の名前には2つの哲学が込められています。Sandboxは文字通り「砂の箱」。子供たちが砂を使い何かを作り、壊すのを思いっきりするようにクリエイターたちが思いっきり失敗することができる安定した空間を作ろう、つまり彼らの潜在能力を最大限に拡げたいと思いました。
もう1つは、クリエイターが互いに力を合わせることができるネットワークを作りたかったのです。それで名前が「SandboxNetwork」になりました」
-最高速度で成長したスタートアップではないでしょうか?昨年の売上高は1,137億ウォン(約117.7億円)でした。
「事業をしてみると、『制作スキルを強化して規模の大きいコンテンツにしなければならない』と考えるようになりました。
チョン・チャンソンさんの『ゾンビトリップ』のような大型コンテンツ(地域内で喧嘩が1番強いという一般人を訪ねて行き、プロの格闘技選手と戦わせるコンテンツ)が生まれました。クリエイターが広告を誘致し、グッズを制作し、コマースをして、海外進出ができるようにサポートを行いました。
ディズニーはアニメだけ作るのではなく、商品も作り、コマースもして、テーマパークもしながらビジネスモデルを作りましたよね。コンテンツソースとして、YouTubeだけでなくTwitterなど、さまざまなデジタルプラットフォームで活動する個人クリエイターたちと一緒にコンテンツソースとして活用し、様々なビジネスに挑戦しました」
-突然のリストラはなぜ?当初のビジネスモデルに問題があったのですか?
「実際、クリエイターが市場で注目を集め始めるまではいくらもかかりませんでした。
以前は化粧品、ファッションメーカーを訪ねて、クリエイターとブランドコラボしようという提案をすると、普通は『私たちがなぜYouTuber?』という反応でした。壁にぶつかり、代わりにSandboxが直接したのです。独自のブランドを作ったのです。インハウスで解決しようとする人材と組織を揃えました。
そんな中、クリエイター確保戦争が行われました。大企業系MCN(マルチチャンネルネットワーク)で大きなお金を与え、YouTubeクリエイターを獲得するのです。Sandboxも対応しました。無理をしていました」
-昨年121億ウォン(約12.5億円)の赤字、2020年にも73億ウォン(約7.5億円)の赤字。現在の従業員は560人程度ですが、コスト管理ができていないのではないでしょうか?
「赤字は、以前はマネージャーだけ(管理可能な)のレベルでした。ブランド広告を誘致し、動画を通じて広報する広告事業だけしていれば赤字が出る理由はなかったのに…。 市場ではSandboxにもより速く成長することを要求する部分がありました。上半期100人ほど採用しました。
積極的に事業規模を拡大しました。上半期は投資誘致が上手くいっており、投資家も好意的でした。会社の企業価値も良かったです。2020年末に企業価値2,800億ウォン(約290億円)を認められ、450億ウォン(約46.6億円)ほど投資されました。
今年は赤字が200億ウォン(約20.7億円)台水準になる見込みです。上半期は、『今年も昨年のような投資環境』と考え、現在の経営数値程度は資金調達すれば十分に運営可能だとのみ判断しました。
しかし、投資家の一部は投資を撤回しました。会社価値も下げるよう望んでいました。悪条件の中で投資されなくても生存できる会社を作らなければなりませんでした。リストラは経営基調の変化から始めたものです」
反省…「スタートアップ病にかかっていました。どんなものかというと」「ペク・ジョンウォンの言葉のようにしなければならなかったのに...」
-3ヶ月前に非常経営宣言をしたのに、結局リストラです。解決策を見つけられなかったのでしょうか?
「いったん別の(人件費を除く)費用から節約しようとしましたし、時間を稼ごうとしました。何とか資金調達を3ヶ月間受け取ろうとしました。しかし、資本市場には人材が多い状態であり、人材費用に伴う赤字が予想される状態では、快く投資はできないと言われました。
リストラをするという約束でもできませんでした。結局、行動をしなければ投資を受けることができない状況が来ました。最終的に、人材費用を減らして赤字幅を減らし、組織改編をしなければならないという要求が(投資家から)入ってきました。
『データサイエンスチーム、海外進出支援チームのようにすぐにお金にならないチームにお金が行くのはどうなのか』というのが資本の立場です。受け入れるしかない状況です。
お金もうまく稼ぎ、仕事もたくさんある会社を作りたいと思いました。Sandboxは雇用労働部賞を2回貰った会社です。コンテンツ会社の中でも500人以上、雇用規模がとても大きい会社です。会社のチームメンバーのほとんどは正社員です。私はGoogleに勤めている際、非正規職だったため、悲しい思いを沢山したんです。
『こんなことをするのなら、なぜ前もって(勧告辞職)しなかったのか?』という職員もいました。3ヶ月間時間を稼いだのには個人的な迷いもありました。本当に骨を削る感覚でした。私の感情的な部分です」
-誰が、そして何人の人が会社を去らなければならないのでしょうか。
「リストラは、事業部に対する縮小、売却、事業の中断など3つの形態である予定です。売却事業部は勧告辞職対象ですが、事業部を買収するという対象者がいれば協議により雇用承継につなげ、他社で働くこともあるという予定です。
縮小や中断などの場合にはある程度(推奨辞職)数が決まっています。正確な数字はリストラを行いながら見守る必要があります。まだお話しするのは難しいです。
来年初めまでに、月の赤字幅を今の半分のレベルに減らすことが目標です。売上も増え続けるようにします。この間、クリエイターのコンテンツも収益に重きを置くのではなく、さまざまなコンテンツの試みをサポートし、クオリティを高めることに集中しました。
来年、コンテンツ自体に対する広告の誘致も活発に行い、収益化に重きを置くつもりです。
-ダメだった事業をなくすということですよね。
「代表的なものとして、自社ブランドを過度に多く作りすぎていましたし、コマース商品が多すぎました。おやつ台帳(様々なお菓子をキュレイティングした製品)もあり、子犬のおもちゃも作って売っていました。
考えてみると、ずっとお菓子だけを専門的に作って流通する事業者、ペット犬用品だけを作る事業者がいるのに、自分がうまくやれないことに手を出していたのです。
クリエイターの獲得や広告主の数などの量的な数に重きを置いていたということもありました。例えば、クリエイター獲得の場合、競争が激しくなり、獲得に必要な費用、収益配分が不利になったということもありました。広告主の数のような場合も、増やさなければならないという圧迫がありました。
Sandbox?ユニコーンにいつになるの?デカコーンには?というような資本市場の期待感、そういうものが押し寄せてきていました。 『広告主、1つでなれる?このチャンネルに広告主10人はいなければならない』のような圧迫感です。
ある瞬間から早急になりました。量的にも、規模でもトップをとり続けなければならないという。しばらくMCNを評価する基準は、『どのくらい多くのクリエイターを連れているのか、全体の動画視聴数が多いのか』だったためです。すべての市場参加者が企業価値の最大化を求めました。『世界に良い価値を与えることをしなさい』ではなく、『企業価値を上げろ、IPOしなければならない』というようなニーズも多かったです。
一種のスタートアップ病、そうした文化もありました。このようなものです。 『とにかく流動性が大きく、お金を惜しむ必要はない』 何というかやや、本当の内在価値を作るよりは見えるもの自体が重要になるのです。
人材獲得競争も、Sandboxは開発者がそれほど多くなく、他のスタートアップや企業に奪われないためにそのような点も競争しました。本物の重要なプロダクトとサービスは作るのに、合理的な人件費支出やコスト的なもの。その地点を見つけられませんでした。慎重になりますが…おそらく今、すべてのスタートアップ代表が共感している問題のようです。
以前にペク・ジョンウォン代表の路地食堂のソリューションが話題になりました。うまくいっている食堂は顧客を捨てなければならないそうです。本当に顧客を捨てるというのではなく、満足させることのできない顧客までを無理に満足させるということは、諦めなければならないという意味です。
今Sandboxには約450人のクリエイターがいるのですが、これからは拡張と獲得よりも、クリエイターが今圧倒的に成功できる方法に経営基調を変えるつもりです。クリエイターが顧客であるため、少数の顧客が感動するサービスを作る経営をしようと思っています」
去る従業員の「なぜこんな風にビジネスしたのか」という問いに…3つのことを話しました。
-メンバーにはリストラの事実をいつ、どのように知らせたのですか。
「今週の水曜日(23日)に全体メールで送りました。怒ったメンバーもいましたし、本人に(勧告辞職が)適用されることを受け入れられないメンバーもいました。 『こうするのなら事業をなぜこうしたのか』と尋ねる方もいましたし。
私がもっとうまくやれる部分がなかったのかと尋ねたら、正直、もっとうまくやるべき部分がありました。HYBEのパク・ジウォン代表はウクライナ戦争が勃発するやいなやマクロ経済ショックが来ると言って、直ちに経営基調を修正しました。グローバル金融危機を経験した方でした。
考えてみると、私は代表をする中で1度も、マクロ的な危機を経験したことがありませんでした。30歳で創業してCEOが最初でしたから。外部の状況に影響を受けてはいましたが、私が誤った部分であり、その誤りによりメンバーが犠牲になったわけです。
退社はスパっと解雇というものではなく、退社プログラムを作って求職活動も支援するなど徐々に行われます。リストラを開始し、在宅勤務もなくしました。コンテンツ制作業なので集まってすることが重要でした。来年1月からは全面オフィス出勤体制に変える予定です」
-ブラインドでは一部の役員が副社長に昇進したという話も出てきています。リストラ中なのにある人は昇進したりしているのですか?
「いえ。昇進というのは誤解です。事業部整理とともに組織改編をしながら役職が変わっただけです。既存のSandboxの全体的な組織構造は『クリエイターを支援してコンテンツを作成する組織』と『広告を営業してコンテンツに溶かしこむ組織』に区分されました。その組織の中で機能別に担当するCレベルと役員がいました。
今回のリストラを行いながら、収益を最大化するために組織構造をまったく変えました。コンテンツを制作するチームメンバーと広告を販売するチームメンバーが別の組織にいるため、お互いに協業がうまくいかなかったのです。
お金を稼ぐ組織はお金を稼がなければならず、コンテンツを作る組織はお金よりコンテンツ自体のクオリティに集中していたからです。衝突する他ありません。
まさにモッパン(食べ物を食べる放送)中心のフード事業部があれば、この事業部の中に『飲食企業を相手に広告営業をするチームメンバー』と『モッパンコンテンツを作るチームメンバー』が一緒に働くようにしました。
このようにフード、ゲームなど分野別に事業部を分け、各事業部とお金を稼ぐ仕事やコンテンツ作りの仕事を一緒に悩めるように。そうした結果、各機能組織のCレベルが事業本部長になり、それを韓国式に変えてみると副社長になったのです。昇進したわけではありません」
-創業家である本人、つまり代表はどのような責任を負うのですか。
「これまで話していませんでしたが、私の給与の50%を削減した状態です。リストラはありますが、メンバーに給与削減を求めることはできません。私が50%削減された給与を貰い始めて3ヶ月ほどになりました。今日は給料日ですね」
- 会社を離れるスタッフは皆尋ねると思います。 「なぜこれまで事業をこんな風にしてきたのか」と。
「実際にこう話しました。まず、今は完全にYouTube中心にコンテンツ消費市場が再編されたと感じる。私はYouTubeの成長を見続けてきた人ですから。本当にYouTube中心になったのです。それでもっと投資しなければならないと思いました。
第2に、Web 3.0やNFTのような新しいものが出始め、市場が良くなり当社がやった事業が反応をかなり得ることもありました。だからここには積極的な投資をして未来コンテンツ市場を準備しなければならない。そう考えました。
第3に、資本市場が『お前らうまくやっている、お前らが確かに1位だ』と認めてくれたことです。普通資本市場はトップの事業者を好むじゃないですか。トップだからもっと投資してあげるよ。そのようなラブコールがたくさん来て、この3つすべてが私を楽観的にさせたのです。
その中でも3つとも危険性があったことは知らなかったそうです。まず、いくら市場が良くても、事業と組織が成長するスピードは異なり、事業が成長するスピードに比べて組織が早すぎるのです。組織文化であるとか、そうしたものを看過しすぎたことも私のミスです。
2つ目はWeb3がいくら良く見えてもボラティリティが大きすぎたこと。それも私のミスでした。3つ目にグローバル景気変動があり、資本市場の萎縮があるかもしれないこと。これらの信号が明らかにあったのに、それを楽観したのも私のミスです。私はこの3つをミスしたのだと話しました」
それでもWeb3とNFTはあきらめない理由
-NFTとWeb3.0はやめないのですか?仮想通貨市場の状況はこんなに悪いのに。
「私は仮想通貨にはとても保守的でした。よく言われるBitcoin Season 1(2017年)にUPbit(アップビット)のIDもありませんでした。一緒にやろうと言ってくる会社も多かったのですがすべて拒絶しました。
シーズン2(昨年)が来る中で考えが少し変わりましたが、シーズン1バブルが消えて生き残ったプロジェクトがありました。イーサリアムのように。
このような技術を通じてクリエイターの問題を解決する技術的ツールとして活用できると考えました。Minecraft(マインクラフト)、ROBLOX(ロブロックス)のようなゲームを成長させるためにクリエイターたちは手伝っているのに、そのゲームを成長させるために手伝った製作者と視聴者たちは補償を受けとることはできません。
例えば、クリエイターがNFTを自分のファンダムに提供し、そのクリエイターが100万登録者を超えるほどに成長すれば、それ以前にNFTを受け取っていたファンは初期に投資した対価を受けることもできます。
ただスーパーチャットを投げて終わりではありません。コンテンツDAO(ダオ)を作成してクリエイターに方向を提示し、意見を出すこともできます。来年上半期にはメタバースをベースにしたブロックチェーンゲームが出てきます。パートナー開発会社によって作成され、Sandboxクリエイターエコシステムに基づいています。
ゲーム制作事業は縮小します。ゲームを作ったのは視聴者に新しい経験を与えたかったからです。しかし、Sandboxが作ったゲームはそれ自体ではお金を稼ぐことができませんでした。例えば、クリエイターZangbbijju(ジャンピッツ)に基づいたゲームはインタラクティブな推理ゲームです。
誰がインタラクティブな推理ゲームにお金を使うでしょうか。お金を稼ぐには、Zangbbijjuのキャラクターが登場する放置型RPGを作らなければなりません。しかし、現在のようなゲームでは簡単ではなく、縮小します。しかし、私の考えが長期的に間違っているとは思いません。
ゲーマーとコンテンツの消費者は新しい経験を求めています。ただ、Sandboxはこのビジョンを実行する能力と専門性が不足していました。とてもロングショット(遠くの夢)だったということです。」
- Sandboxが低迷すれば大企業が打って出てくるのではないでしょうか?
「大企業もみんな難しく感じており、入るのが難しい事業であることを分かっています。そして、ブランドに対する単純なPPLではなく、コンテンツと結びついて複合的に広告キャンペーンを設計するノウハウも必要です」
-リストラと非常経営を経験した創業者は何が変わりましたか。
「人の視線を気にしなくなりました。これまで『このようにしたら世界は私をどう見るだろうか、クリエイターはどう思うか、株主は何と言うか?』こうしたものすべてを満足させようとしていました。
売上に対して、あまりにも有名な会社であったためでしょうか。社会的視線も気にしなければなりませんでした。実際のところ、事業ができていなければ全部意味のないものでした。
結局、核心はクリエイターたちが圧倒的な成功を収めているのかであり、その一つにだけ集中すれば良いことを知りました。そうしてSandboxの売上が10倍に伸びたため、そのような声を聞くことにだけ集中していきます。以前はチームメンバーの言い訳を聞いていましたが、今は言い訳を聞かなくなりました。
『ただやってください』と言います。目的志向的に人が変わったとでもいいましょうか。元々はとても優柔不断な性格で、断固としていないリーダーでした。あ、そして服にも凄く気を遣うようになりました。以前は服もcoupang(クーパン)で買って着ていました。スタートアップ代表が服を重要視する必要があるのか。そんな思いでした。
でも、服をちゃんと着るのも重要でした。気持ちもしゃきっとして、良い印象も残せて。それで、ダイエットもして、髪も切りました。目標が明確になると、変わりましたね」
ランウェイまで今どのくらい残っているのか、その時間。
-ランウェイまでは、どれくらい残っていますか?クリエイターたちの不安と動揺は?
「来年上半期まで赤字に耐えられるほどはあります。そして来年上半期中に月BEP(損益分岐点)を達成します。流動化可能な資産もまだあります。来年上半期の間に、既存の株主からの支援も少し受けて、そうすればランウェイ自体は問題ではありません。実質的に収益の高いビジネス構造と効率を生み出す必要があります。
12月5日から組織改編が実行されれば、これまで実行されなかった収益が出てくるでしょう。例えば、これまではクリエイターを通じて出せる最大限の広告収益を出せていなかったのです。1人のクリエイターに広告口座が10個あれば、果たして10個すべて売れていたでしょうか。いいえ、売れない方が多かったです。
ゾンビトリップのようなヒットバラエティを生み出しましたが、多く稼ぐことはできませんでした。広告がついていないためです。ヒット作が生まれればすぐに広告をつけなければなりませんが、コンテンツを作る仕事と広告とは別に進むからです。大企業のようにコンテンツを作る前から『どんな広告をつけるか』を悩まなければならなかったのですが、それがありませんでした。
クリエイターにも事業組織が変わり、一部の事業は畳むという事実を知らせました。大きな動揺はなく、趣旨に共感する方もいました。これから、クリエイターにより収益を与えるため苦悩と努力をさらに行っていくでしょう」
-恨みが代表に集まっています。代表者も誰かを恨んでいますか?
「私も生きてきて(解雇を通知する)このような仕事は初めてです。リストラのD-DAYを決めて、2週間ほど過ごす中で、本当にたくさん悩みました。
意思決定から通知までの2週間程は、まるで別れることに決めたが、恋人にどのように話すべきかのような、そんな風に悩み続け、文章をどのように始めるべきか、どのように切り出すべきか。苦しみましたが結局こうなりました。
人のせいにしだしたらキリがありません。『なぜこうなったか』と尋ねれば『仕方がなかった』ですし、『仕方がなかったといっても、それでももっとうまくできたでしょ』と言われれば、それもそうでしょう。1度も誰かを恨まかったかといえば嘘です。
しかし、CEOは悲しさとは別に考えなければなりません。株主、金融は自分の状況に合わせて行動しなければならないものであり、その程度の期待をしてCEOは働かなければならないのです。
投資を受けたのは私、持分をあげたのも私です。私が責任を負わなければならないことであり、感情的になったからといって変わることもありません。私を取り巻くすべてのものが私を指さしながら、『なぜそんな風にしたんだ!』と言っていますが、きちんと生き残って証明して『私たちはそんなにみすぼらしい奴らではなかった』ことをお見せします。
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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