【そのとき投資】投資0円で売上約10億円、TeamSpartaの物語
【そのとき投資】投資0ウォン(0円)で売上100億ウォン(約10億円)まで、TeamSparta(チームスパルタ)の物語
Capstone Partners(キャップストーンパートナーズ)のチェ・ソンジョ 投資チーム長
外部投資なしで売上100億ウォン(約10億円)を達成。業界平均に比べ圧倒的な修了率85.5%。最近初の投資誘致を終えたTeamSpartaの物語。
業種の特性と投資段階、BMによって異なる判断基準が適用されはするも、売上なしで未来の成長可能性を見て投資が決定されることもあるVC投資において、外部投資なしで創業2~3年で100億単位の売上と営業利益まで達成したTeamSpartaは明らかに異なる意味で新しい。
ネカラクぺダント(NAVER、kakao、LINE、coupang、配達(ペダル)の民族、タングンマーケット、tossをまとめて通称する新語、就職したいIT企業を指す)などが代表するように、スタートアップ、大企業を問わない開発者の需要急増に従い、今はまさに開発者求人難の時代といえる。
競争的採用をはじめとする関連待遇もやはり話題となる中で、専攻者であれ非専攻者であれ―専攻者たちはより良い職場に移るため、非専攻者たちは開発職群にキャリア変更するため―コーディング教育市場は爆発的に成長している。
しかし、証明された市場の需要が必ずしも企業の将来を保障するわけではない。
市場と一緒に成長するためには、①市場問題を明確に定義し、②迅速な実行力で複数のテストを通じてサービスをさらに先鋭化させ、さらに既存の市場に限定されず、③市場拡張を通じて先制的に自身の市場を創り出だなくてはならない。
TeamSpartaはこのような原則をよく守った会社である。TeamSpartaはイ・ボムギュ代表の「誰でも大事を為せるように」する、というビジョンのもと、顧客が望む良いコーディング教育サービスから出発し、誰かの潜在能力にIT能力を掛け算して、「大事」を為せることができる世界を作ることが目標だ。
実は、今回の初投資誘致以前からすでに数回VCの投資の提案を受けたことがある。
簡単な道を行こうとすれば、投資を受けることもできたが、投資を受けて何をするのかが明らかではなかったため、創業初期の困難はチームメンバーとじっと耐えた、というバックストーリーを今回の投資ラウンドを終えた後に後日談として聞くことになった。
イ・ボムギュ代表と非営利団体「とあるバス(mysterybus)」を一緒に作ったシン・ジウォン理事、笑顔で新事業を導いた経験があったファン・スンヨン理事、そしてSAMSUNG SDS(サムスンSDS)で開発者として勤務していたナム・ビョンガン理事が団結し、それぞれ担当する業務は違っても、見つめる方向と目標ははっきりしていた。
SW教育をできるだけ多くの人に提供し、彼らが達成しようとする目標を達成するように助けを与えること。それがTeamSpartaの出発点だった。
TeamSpartaの言う「良いコーディング教育」とは?
TeamSpartaのイ・ボムギュ代表は、コーディング教育でどのように大きな価値を生み出すかに悩んだ。
「私たちは、SW教育の問題をどのように解決できるかを執着しています。コーディングは、何かを創るために必要な「ツール」です。問題はそれで何を「創ることができる」のか、さらにどのように生活をよりよくすることができるのかということです。」
だからTeamSpartaは単に多くの学生を集めることに焦点を当てず、受講生1人1人に及ぶインパクトに注目する。ひとつ講義を受講するにしても、最後までやらせる。
ということを行いながら、そのような教育法が、小さくは知人と共有できるサイトを制作することから、大きくはサイドプロジェクトや就職のような成果につながるように導く。
実際にコーディング入門教育である「スパルタコーディングクラブ」は85.5%という高い修了率を見せる。業界平均終了率の5~6%に比べ圧倒的な数字である。
開発者養成教育である「航海99」も卒業後就職率80%(修了後60日以内)を達成した。定量的成功の基盤には、TeamSpartaだけが構築できた戦略が溢れていた。
受講生管理のためのチューター制度や、Gather.townを利用したチームスタディ、実務経験のためのプロジェクトなどがある。最近では会社員のための「創業ブートキャンプ 創」も立ち上げた。
結局のところ、TeamSpartaは市場で発見されたニーズを解決するため一つの形式と枠組みにとらわれなかったのである。
初めてコーディングに触れたい人、コーディングを学んで就職したい人、コーディングを通じて創業したい人に必要なプロダクトを提供する。
コーディング教育とは、コーディングの知識を売ることではなく、個々の受講生が次のステップに進むようにする足掛かりであるということを、TeamSpartaはよく理解している。
本格的に広まりだしたコロナ、だからこそ始めた創業ブートキャンプ「創」
TeamSpartaは2020年3月、創業2年で売上高を30倍成長させた。しかし、TeamSpartaの投資ポイントは現在の成果ではなく、ここまで到達した過程にある。TeamSpartaの危機への適応力は、MVPをリリースして市場のニーズを把握し、仮説を検証することから来ている。
創業初期一週間で、子どものためのコーディングから成人のコーディング教育に方向転換して、20人規模の講義を開くほど素早い実行力を持っている。
ようやくPMFを見つけたと感じたとき、コロナが始まったが、オフラインからオンラインへの迅速な移行は現在のレベルまでスケールアップを可能にした出発点となった。
何一つ容易いことはなかった。新規プログラムで企画した総合クラス受講生対象プロジェクト制作の集いは、完走者が誰もおらず、起死回生のために「スパルタ宇宙探査隊」というサイドプロジェクト企画・開発・運営プログラムを進行したが、これもうまくいかなかった。
これらの失敗がTeamSpartaのサービスを先鋭化する基盤となり、22年創業プロジェクト「創」を成功的にオープンした。
創業ブートキャンプ「創」は、きちんとした創業アイテムを企画して開発、運営までできるプロダクトだ。複数のプロジェクトを直接テスト運営し、失敗の中でも確実に確かめたのは、人々はサイドプロジェクト以上に創業に対する熱望を持っているということだった。
しかし、自分のアイデアを正しく実装してくれる開発者を求めることがボトルネックであり、彼らに開発を教えることでこれを解決しようとしたのが「創」だ。
「創」はアプリサービスを開発するにとどまらず、企画から開発、立ち上げ後マーケティングまで創業の一連のプロセスを提供するプロダクトだ。
週末にのみ開催される計12週コースのブートキャンプで、退職することなく創業に対する熱望を育てることができる。
先日「創Lite」をリリースし、より多くの人が自ら創業の基礎を固めることができるよう、オンライン講義も立ち上げた。既存の「創」はブートキャンプに一定時間を投資する必要があるが、「創Lite」はVODで望むときに講義を受講することができる。
しかし、創業は、実戦経験が何よりも重要であるため、講義を提供するのにとどまらず、事業計画書フィードバックやハッカソンを行い、実戦力を育てることができるよう支援を行う。
このように危機が訪れた時、TeamSpartaは市場と顧客のニーズに合わせて迅速にビジネスモデルを切り替えてきた。
現在の良い成果ではなく、このような危機対処能力と市場適応力がこのチームの未来に投資を誘致した最大の要因である。
TeamSparta YouTubeチャンネルのビデオ/TeamSparta
基本的にTeamSpartaはSW教育に基づいている会社だ。すでにWoowaBrothers(ウアハンヒョンジェドゥル:優雅な兄弟たち)、kakaoのようなITスタートアップの企業教育を行った経歴があり、新韓銀行の役職員教育も行っている。
先日、韓国投資金融持株役員を対象とした金融業務自動化のためのDT教育を終えた。
こうした実績を基に韓国投資証券の役職員対象SQL及びDT教育を進行中である。しかし、TeamSpartaは断片的なコーディング教育会社ではない。
TeamSpartaのビジョンである誰でも「大事」を為せる世界のために教育業を超え、採用、離職、カンパニービルディング(Conpany Building)、グローバルまで拡張を模索する。
それに先駆け、TeamSpartaはプロジェクト「スタジオ」モデルを構想する。受講生が直接プロジェクトを作ったり外注に参加したりし、さらにビジネスインキュベーションまで可能にするプロジェクトベースの水平的拡張だ。
また、チームスパルタは「人」の未来を一緒に描くための採用プラットフォームを夢に描く。人材育成にとどまらず、良い人々が良いところで働き、良い価値を生み出すように、開発者専門採用プラットフォームを運営したい、とした。
すでに教育プログラムを通じて確保された人材プールをヘッドハンティングなどキャリア管理サービス提供プラットフォームに繋ぐバーティカルな成長である。
最後に、TeamSpartaは、コーディングは英語を超えたグローバル言語であるというビジョンから、韓国を越えて日本、東南アジアなど、精巧に作ってきた自社だけのプロダクトをより多くの人々と共有したいという抱負を持っている。
波に乗る人だけがその速度を出せるように、成長する市場にいるからといって、市場の過失が全員に巡ってくるわけではない。TeamSpartaは現在の市場危機が訪れる前から数え切れない試行錯誤を経験し、備えのできているチームである。
さらに、市場の成長傾向に便乗せず、拡張を通じて先制的に市場を創出するための多様な「創」を準備中だ。 投資は常に未来に向けてのものである。
TeamSpartaがこれまで積み重ねてきた成果は、投資に対する良い根拠となるが、投資目的ではない。
TeamSpartaが構想する今後のコーディング教育市場とそれ以上のビジョンが今回の投資の目的である。
そして結論的にこれに共感したため、投資を決定した。TeamSpartaの「創」の今後のさらなる先鋭化に期待される。
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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