ちょい事情通の記者の2年間とシーズン8の始まり
ちょい事情通の記者の2年間とシーズン8の始まり
LaundryGo(ランドリーゴー)の創業者チョ・ソンウは「本気でなければなりません。本気であることを証明しなければならないのです。周りはみんな簡単にスタートアップを手助けすると言いますが、それがすべてではありません。」と話しました。2年前の2021年3月、ソウルの光化門(クァンファムン)のレストランで、チョ代表はちょい事情通の記者1号に「ニュースレターを頑張ってください」というのをこう表現しました。チョ・ソンウ代表は、「ちょい事情通の記者」[シーズン1]、つまりレター開始時にほぼ初めて会った起業家です。
ニュースレター【ちょい事情通の記者】は、「世の中のすべてのスタートアップを応援します」をキャッチフレーズに2021年3月にスタートしました。そして、本当に多くの方にお世話になりました。予想外に(本当に始める時は予想していませんでした)多くの有料と無料購読者のおかげで2年目を迎え、これからまた「初心」でスタートします。
その年の秋に、ある購読者から「絶読」する理由をメールでいただきました。「ちょい事情通の記者のレターで、成功された方のストーリーを見て、毎週見ているのが辛くなり購読を辞めます」ということでした。当時はその意味がわかりませんでした。ただ、「失敗例」もコンテンツに含めるべきか、という機械的なアプローチをしました。
スタートアップも一つの生命体のようなものであるため、ミスを犯すこともあります。国語の本では、隣の家同士に住む花子と太郎は犬のポチと楽しく遊んでいますが、現実の小学生は公園ではなく、補習塾などで友達に会います。スタートアップはそれぞれ異なる状況で、自身の悩みと共に生きています。 起業家たちは【ちょい事情通の記者】に会った際には、みんな「一番明るい一面」を見せようとします。PRの専門家がそうアドバイスするそうです。良い面だけを話せ、と。隣のスタートアップの数字を伝える[ちょい事情通の記者]は、それでも少しの悩みも盛り込みます。わざと傷つくような質問は避けますが、それでもスタートアップの本質を共有しようと思っています。
そうしてシーズン8の始まりです。Bespin Global(ベスピングローバル)、EnerEver Battery Solution(エナーエバーバッテリーソリューション)、SENTBE(セントビー)、HUINNO(ヒュイノ)、Jaranda(ジャランダ)、Asleep(エイスリープ)、SuperBin(スーパービン)、Mathpresso(マスプレッソ)、LaundryGo(ランドリーゴー)、GOPIZZA(ゴーピザ)、gowid(ゴウィド)、FADU(ファドゥ)の創業者に会います。【シーズン1】で出会ったスタートアップの中から再会する会社もあります。2年の歳月をもう一度尋ねてみようと思います。
そうそう、お知らせも一つあります。【ちょい事情通の記者】は4月11日に東京で駐日韓国大使館と東京スタートアップフォーラムを開始します。D.CAMP(ディーキャンプ)、STARTUP ALLIANCE(スタートアップアライアンス)、Shinhan FUTURE'S LAB Japan(新韓フューチャーズラボジャパン)、KOTRA Japan(コトラジャパン)なども参加します。日本のベンチャーキャピタルであるPKSHA Capital(パークシャキャピタル)の海老原秀幸パートナーやアメリカのプライベートエクイティ・ファンドであるXenon Partners(ゼノンパートナーズ)アジア統括イム・サンウクパートナーなど、現地経験者がメンターとして活動します。カンナムオンニ・Karrot(キャロット)・Bespin Global(ベスピングローバル)・jejupass(チェジュパス)・Olive Union(オリーブユニオン)・SpoonRadio(スプーンラジオ)・H2O Hospitality(H2Oホスピタリティ)・MOIN(モイン)など約20社が参加することになりました。興味をもった企業の追加申込も受け付けます。
なぜ東京なのか、って?正直なところ、ちょい事情通の記者1号でチーム長のソン・ホチョル記者が東京特派員として東京に駐在しているためです。 「常に自分の立場で問題を見つけ、解決する」のがスタートアップであるなら、ちょい事情通の記者も同じように、「不可能なことに挑戦しながら、とても苦労している日本進出スタートアップ」を見て、どういう形でも応援したくなったのです。
- 参加条件:日本に法人を設立した、または6ヶ月以内に設立予定の企業。
- 申込方法:3月17日までにメール(startup@chosun.com)で申込
- 必要書類:会社紹介書、会員として活動する代表(最高経営陣)の連絡先
実は参加を希望する会社が思ったより多く、申込スタートアップのすべてをメンバーとして受け入れることはできていません。初期なので、規模が大きすぎるとうまく運営できないのではないかと不安な気持ちがあります。しかし、一つだけ約束します。購読者が東京出張に来る際、メールで事前にお知らせいただければ、1号がご飯を奢ります。
Mathpressoのイ・ヨンジェ、「なぜ数学を選んだのか?」
Mathpresso(マスプレッソ)はイ・ヨンデ代表とイ・ジョンヒョン代表の二人が共同創業しました。仁川(インチョン)科学高校出身で、共に起業した創業チームは、2016年の創業初期、AlphaGo(アルファ碁)とイ・セドルの対局をオフィスで一緒に見ながら確信を得ました。 「技術は必ず必要だ」という。
MathpressoのQANDA(クァンダ)は問題答案に役立つアプリです。最初は学生がわからない問題を投稿すると、名門大学の家庭教師が非対面で解答を送ってくれるという方式から始めました。数学、理科を中心とした理由は、科学高校出身である創業メンバーが自ら先生になるためです。AlphaGoショックの後、技術による近道を探さなければならないと悟った彼らは、GoogleのTensorFlow (テンソルフロー、AIに必要な数学の原理)の論文が出るとすぐにAマシンラーニングを掘り下げ、OCR(光学文字認識)技術を独自に開発しました。今では問題を写真に撮れば、AIが自動的にその問題を検索し、解説と問題を解くための講義まで提供するように進化しました。
問題を定義してから、とりあえず「問題答案」へと飛び込み、様々な技術とサービスをプラスしながら、一段一段登っているのです。そして最近ではベトナムで国民的なアプリになったといいます。ベトナムだけでMAUが400万人を超えています。QANDAは現在7ヶ国語、40ヶ国で使われるグローバルアプリになりました。海外進出は、東大の数学サークルで先生をスカウト交渉することから始めたそうです。彼らはどのように教育のペインポイントを一つ一つ解決していったのでしょうか。
Mathpressoイ・ヨンジェ代表 /パク・サンフン記者
FADUのナム・イヒョンとイ・ジホ「SSDコントローラーって何だろう?それでも、ユニコーン!」
韓国初のファブレスユニコーンFADU(ファドゥ)です。2030年には売り上げが3兆ウォン(約3080億円)を超えるという記事も読んだことがあります。ちなみに、プレIPOも行い、120億ウォン(約12.3億円)の投資を受けました。プレIPOで認められた価値は1兆800億ウォン(約1100億円)です。
20年以上メモリ・ストレージアーキテクチャを研究したコントローラの専門家であるナム・イヒョン博士、グローバル戦略コンサルティング会社であるBain & Company(ベイン&カンパニー)で半導体セクターを率いていたイ・ジヒョクパートナーが2015年7月に設立したスタートアップです。1兆ウォン(約1000億円)の企業価値はどこから来るのでしょうか。「SSD(ソリッドステートドライブ)コントローラ」だとお聞きしました。2021年の51億ウォン(約5.2億円)の売上から昨年は600億ウォン(約61億円)近い売上を上げたそうです。黒字も出しています。現在最も気になるスタートアップがまさに「FADU」です。
FADUのナム・イヒョン(右)、イ・ジヒョ代表 /コ・ウンホ記者
Bespin Globalのイ・ハンジュ「一体なぜジェダイの服を?」
Bespin Globalは昨年12月に中東から1400億ウォン(約144億円)の資金を調達しました。現在、Bespinの累積投資額は3570億ウォン(約367億円)です。Bespinは中東の投資家と2000億ウォン(約205.5億円)の追加投資協議も行います。Bespin Globalは一体何のために中東のお金を受け取るのでしょうか。今年初めの記者会見で、Bespin Globalの創業者イ・ハンジュ氏はスターウォーズのジェダイに扮してステージに上がりました。
「会社名のBespinは、「スターウォーズ/帝国の逆襲」からモチーフを得ており、そんなスターウォーズのように、2015年に設立したBespinがクラウドをクラウドらしくする」と語っています。イ代表は「2027年までにグローバルクラウド使用市場1200兆ウォン(約123兆円)のうち30%である360兆ウォン(約37兆円)をOpsNow(オプス・ナウ)360が管理する。2024年には上場する計画も進める」と語りました。
Naver(ネイバー)でいくら検索しても、「どうやって1400億ウォン(約143億円)を調達したのか」「その自信は一体何に基づいたものなのか」が分かりませんでした。お聞きしてお伝えします。
Bespin Global イ・ハンジュ代表 /朝鮮日報DB
SuperBinのキム・ジョンビン 「ゴミのテスラ」
シーズン1の主人公だったSuperBin(スーパービン)のキム・ジョンビン代表に再びお会いすることにしました。2年の間にSuperBinに工場ができました。名前もシンプルな「アイアムファクトリー」。京畿道華城(キョンギド ファソン)に建てました。SuperBinの思い描く画は、Nephron(ネフロン)というロボット、ペットボトルを入れるとお金をくれるこの機械をベースに、単純にペットボトルを集めて終わりではありません。このペットボトルを集めて、白い雪片のようなプラスチックの粉、フレークを作るのです。このフレークを再利用する市場のニーズがあるため、正確にはリサイクルプラスチックの素材となります。
アイアムファクトリーは今年初めに試験運転を開始しました。全羅北道淳昌(チョルラボクド スンチャン)にも2つ目のアイアムファクトリーを建設中です。その間、Nephronも何百台と追加設置されました。2~3年後には海外進出もするそうです。プラスチックごみのバリューチェーンを全て構成している企業はまだグローバルにも存在しないといいます。2年前、キム・ジョンビン代表は電気自動車製造とバッテリー技術開発、電気自動車充電インフラまで電気自動車に関連するすべてのバリューチェーンを構築したテスラに言及し、「ゴミ界のテスラ」になると語ります。プラスチックの回収から素材化、再利用まで、巨大なゴミのエコシステムを構想するSuperBinの計画はどこまで進んでいるのでしょうか。
SuperBin キム・ジョンビン代表 /朝鮮日報DB
Jarandaのジャン・ソジョン「ワーキングママが作った、ベビーシッタープラットフォーム」
「良いベビーシッターが見つかるプラットフォーム」を作るアイデアを実行する起業家を探しています。必要なだけの初期投資を行います。そして、Toss(トス)コミュニティが最初の企業顧客となります。ご存知の方はご存知の通り、韓国で本当に信頼できるベビーシッター(nanny)を見つけるのは本当に難しいことです...そのため、本当に多くの会社員が苦しんでいます。」
出生率0.78。世界最下位。韓国の最も大きな国家的問題は、まさに「出産忌避」でしょう。出産に消極的な文化の背景には、子供の保育や教育の問題が大きな苦労と苦痛になることがあります。最近、Tossのイ・スンゴン代表が本人のFacebookに保育スタートアップへの個人投資の意思を明らかにしたのも、それだけ保育の領域が難しいためです。
チャン・ソジョン代表のJarandaは、子どもの保育と勉強の先生をマッチングするプラットフォームを作りました。子どもの年齢に合わせたベビーシッターや先生をマッチングしてくれるサービスです。昨年310億ウォン(約31.8億円)の資金を調達し、主要広域市にサービスを拡大したほか、売上も100億ウォン(約10.2億円)を超え、速いスピードで成長していると言います。2016年にJarandaを創業したチャン・ソジョン代表は2002年度に大学に入学し、Motorola(モトローラ)とCheil(チェイル企画)を経たワーキングマザーでもありました。
氏は個人的に近所のお母さんたちと「名前を呼ぶ」というキャンペーンを行ったこともあるそうです。「 ○○のお母さん」としか呼ばれないのが残辛く、子供の友達のお母さんたちの名前を呼んであげながら、以前の職場をオープンにしあったところ、皆夢やキャリアがあったことを知り、本当にじんと来た。グループチャットで才能と経歴をオープンにし合い、名前を呼び合いながら、始まった集まりは今も続いている。 果たして、Jarandaは私たちの社会の保育問題を解決できるのでしょうか。今シーズン唯一の女性起業家のインタビューです。sopoong Ventures(ソプンベンチャーズ)の推薦です。
Jaranda チャン・ソジョン代表 /Jaranda提供
LaundryGoのチョ・ソンウ「洗濯物だけを探求すると、本当に何か生まれるのでしょうか?」
シーズン1で会ったLaundryGo(ランドリーゴー)のチョ・ソンウ代表とも再会しました。昨年2月、LaundryGoは、OURHOME(アワーホーム)が運営する韓国最大の洗濯工場CLEAN NURI(クリーンヌリ)の事業と資産一式を買収すると発表しました。金額は非公開。Zipbang(チッパン)がSAMSUNG(サムスン電子)のスマートホーム事業部を買収したのに続き、スタートアップが大企業の事業を買収した初の事例です。OURHOMEのCLEAN NURIはうまくいっていない非主流事業でもありませんでした。OURHOMEが130億ウォン(約13.3億円)を投資し、30以上のホテルの洗濯を担当していた工場でした。
「LaundryGoはITサービスだが、洗濯の問題は結局は直接洗濯をしなければならない」と語っていたチョ代表は、最初の工場に続き、洗濯工場を増やし続けています。困難で複雑な洗濯のプロセスを一つ一つ理解する過程を経て、今は拡大の局面に入ったようです。首都圏に限られていたLaundryGoのサービスのサービス範囲もどんどん広がっており、ちょい事情通の記者2号の近所にはLaundryGoのコインランドリーもできました。洗濯という一つの井戸を掘り下げるチョ・ソンウ代表とLaundryGoのストーリーです。
LaundryGo チョ・ソンウ代表 /パク・サンフン記者
GOPIZZA(ゴーピザ)のイム・ジェウォン「ピザのペインポイント、解決しましたか?」
2年前のシーズン2でイム・ジェウォン代表に会った時、イム代表はインドやシンガポールのような海外市場での成功の可能性を主張しました。当時もコロナが流行していた時期でしたが、イム代表は自分が直接訪れられないインドの店舗の話をしながら、インドのお客さんがどのようなピザを好むかについてずっと話していました。当時、GOPIZZAのインドの店舗は2店舗でした。
GOPIZZAのインドでの売上は、2021年の前年比500%成長に続き、2022年には前年比600%成長しました。2店舗だった店舗は20店舗を突破し、今年80店舗突破が目標です。当時、GOPIZZAのソウル市内店舗検索も約20~30店舗でした。イム代表の漢江(ハンガン)夜市のフードトラックから始まったGOPIZZAは、韓国をはじめ、インド、シンガポール、香港、インドネシアなど5カ国で180余りの店舗を運営しています。
「フランチャイズのピザがなんでスタートアップなのか」と指摘する読者もいました。しかし、韓国国内F&B企業として世界市場で通用するという仮説、そして1人用ピザと技術による効率化を追求すれば、よくいわれる「おいしいピザ」問題を違った方法で解決できるのではないでしょうか。この2年で、GOPIZZAはどのようにシリーズC段階まで成長したのか、難しいと言われる海外進出はどのようにして可能だったのか聞いてみます。
GOPIZZA イム・ジェウォン代表 /GOPIZZA提供
EnerEver Battery Solutionの新機種「分離膜?誰か説明して」
EnerEver Battery Solution(エナーエバーバーバッテリーソリューション)は分離膜を生産しています。グローバル分離膜エコシステムを構築する、という野心を持っているといいます。分離膜をバッテリーメーカーに供給していますが、今年は生産能力を2倍、来年は4倍に拡大します。 「電気自動車バッテリー用高強度分離膜」を作るスタートアップ。ボヘマイト、アルミナなどの素材を原料として、耐熱性を強化した湿式分離膜を作ることに成功し、ニッケルベースの三元系電気自動車バッテリーの耐久性を強化し、セラミックコーティング技術で安全性を最大化することにも成功しました。セラミックコーティングをすると、分離膜の厚みは維持しつつ、分離膜の強度はより強くなるそうです。今後は摂氏180~200度の超高温に耐える次期製品も作る予定だそうです。分離膜市場は、韓国と日本の伝統的な化学会社が競争している分野でもあります。EnerEverの夢は「分離膜のエコシステムを構築する」ことです。
「電気自動車」と「バッテリー」は主要な技術分野なので、気になるのですが、EnerEver Battery Solutionをいくら検索してもよく分かりませんでした。誰かが「韓国語」で、EnerEver Battery Solutionの夢を解して、説明する必要があるのではないでしょうか。誰=ちょい事情通の記者
EnerEver Battery SolutionはSTONEBRIDGE VENTURES(ストーンブリベンチャーズ)ユ・スンウン代表の推薦です。
SENTBEのチェ・ソンウク「一度見たら忘れられない容姿の彼」
数年前、SENTBEのチェ・ソンウク代表に初めて会った時、この会社は生き残れるだろうか、と思いました。光化門(クァンファムン)の路上で知り合いに会い、挨拶をしたところ、その横で一度見たら絶対に忘れられない容姿の彼に出会い、ごく簡単に、SENTBEという会社の説明を聞いたときに思ったのはそれでした。金融市場の規制という奴は本当に手強いということを知っていたからです。金融市場では本当に多くのスタートアップが消えていきました。
SENTBEは昨年、シリーズCの投資を誘致しました。SENTBEは海外送金サービスです。海外にお金を送った経験がある人は、「なぜこんなに不便なのか、なぜこんなに手数料がかかるのか」と驚きます。それを解決するのがSENTBEです。
しかし、あまりにもわかりやすいペインポイントなので、グローバルでも海外送金スタートアップは数多く登場しています。海外送金ですから、当然グローバル競争も避けられません。SENTBEは80社以上の海外企業と提携しており、送金可能な国は50カ国以上になります。シンガポールに進出し、送金業ライセンスと電子決済代行(PG)サービスライセンスの承認も受けました。MashUp Angels(マッシュアップエンジェルス)の推薦です。
SENTBE チェ・ソンウク代表 /パク・サンフン記者
gowidのキム・ハンギ「自分はゴミなんだ、数千億(約数百億円)の富豪を生み出した悟り」
「金持ちの家の3代に続く一人息子だった。父親が4人の娘をもうけた後、40歳で生まれた遅い息子だった。それでも父は厳しいだけだった。運転手付きの自家用車に乗っても隣の席を譲ってくれず、息子はポケットにお金がなければ学校まで7駅も歩かなければならなかった。だからといって、貧乏を知るはずはない。切実なものがないせいか、勉強はやる気が出なかった。4年制大学に行くという話をしたら、高校の先生に「君はかなり野心家だな」と言われるほどだった。大学(建国大学貿易学科)入学後も変わらなかった。いい時代だった1990年代初頭、金持ちの友達と一緒にホテルのナイトクラブを転々としていた。業界で知られている個人資産規模だけで数千億ウォン(約数百億円)台、自己資本1000億ウォン(約102億円)を投入して2019年に設立したスタートアップ「gowid(ゴウィド)」のキム・ハンギ(47)代表の過去の話だ」(中央日報2021年5月7日付「私はゴミなんだ、数千億の金持ちを生み出した悟り」)
2年前、主要日刊紙の紙面に掲載されたgowidキム・ハンギ代表のインタビューの冒頭です。あまりにもよく書かれたインタビューの冒頭に、コ・ハンギ代表よりも、そのインタビューを書いた記者の名前が頭についたのを覚えています。
ちょい事情通の記者1号は当時、キム・ハンギ代表に3~4回会い、「この人は10年後にはスタートアップの叔父になっているだろう」と思いました。食事の席で笑っている姿を見て、「自分にもこんな叔父さんがいたらいいな」と思ったためです。ちなみに、ちょい事情通の記者1号と同い年です。
当時、私はずっと「スタートアップはいくら企業価値が数百億ウォン(約数十億円)だといっても、法人カード1枚もないことを知っていますか」と周りに言っていました。このようなスタートアップの痛いところを解決してくれるスタートアップを作るのがgowidの夢でした。今、その夢はどこまで届いたのでしょうか?
gowid キム・ハンギ代表 /gowid提供
HUINNOのギル・ヨンジュン「規制を解決する自信がなくてアメリカに行きました、あの当時は」
HUINNO(ヒュイノ)は10年目のデジタルヘルスケア企業です。2015年、HUINNOは心電図、脈拍数、酸素飽和度、連続的・非侵襲的な血圧を測定できる時計をリリースしてスタートしました。当時はデジタルヘルスケアという言葉自体もなく、韓国では認証や、規制を最初から最後まで解決する自信がなく、アメリカに渡り創業した企業でした。2019年、初の規制サンドボックス企業でもありました。
HUINNOはシリーズCを突破し、現在上場を目指して走っています。ウェアラブルデバイスは最終的にApple WatchとGalaxy Watchに帰着するという2号の予想とは異なり、ハードウェアとは別にソフトウェアもかなり高度化され、医療、保険市場で使われる余地がどんどん広がっているそうです。コンピュータ工学科出身でHUINNOを創業したギル・ヨンジュン代表にお会いしました。FuturePlay(フューチャープレイ)の推薦です。
Asleepのイ・ドンホン「非接触睡眠検査法?何だろう」
スリープテックという言葉が生まれたのは最近のことです。デジタル治療剤が最近初めて認定されたように、私たちが知っている既存の治療方法とは全く異なるアプローチで、技術をベースに新しいイノベーションを見つけられるという期待もますます高まっています。どれだけ深く、よく眠れているかも健康の領域として注目される中で、睡眠にテクノロジーを取り入れたものです。ベッドだけが科学ではないと言うように。
Asleep(エイスリープ)は非接触型睡眠検査法に挑戦しています。 ウェアラブル機器などを身体に装着しなくても、睡眠時間中の状態がわかるそうです。スマートフォンの音声、無線Wi-Fiなどを通じて人の睡眠の量と質を確認することができるといいます。韓国国内の大学病院と専門的な研究に入るほど技術力は相当なものです。このような技術と研究結果をもとに、近いうちに睡眠科学セミナーやフォーラムも開催する予定だそうです。
何より気になるのは、睡眠に関する技術は、果たしてお金になるのでしょうか。私たちは、睡眠の量と深さにどれだけお金を使う準備ができているのか、VCや投資業界はなぜこの技術を売るスタートアップに投資しているのか疑問に思いました。KakaoVentures(カカオベンチャーズ)の推薦です。
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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