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Wantedlab創業家イ・ボッキ、「28四半期連続売上プラス」のスタートアップ

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Wantedlab創業家イ・ボッキ、「28四半期連続売上プラス」のスタートアップ

ちょい事情通の記者 3号 チャン・ヒョンテ

創業4~5年目、 スタートアップが軌道に乗ったな、と感じる頃、 新聞社からインタビューさせてくださいという提案が来れば皆 「1時間くらい時間を取っておけばいいだろう」 と考え、OKを出します。そしてすぐに気づくのです。難しいのは、 質問に答えることではなく、 被写体になることだと。

腕を組んでカメラを見ながら笑えばいいですか?ありきたりですよね?どうせなら広く周知しなければならないのに、 会社を周知させるために最善を尽くさなければならないのに、 どんなポーズをとれば、 誰が見ても、「ああ、この会社はこういうことをしているんだ」 となるだろうか。Wantedlab(ウォンテッドラボ)のイ・ボッキ代表が2019年12月、「次世代ユニコーンシリーズ」という新聞企画インタビューを受けながら、していたのであろう苦悩です。その結果がこちらです。

2019年12月27日、イ・ボッキWantedlab代表がソウル江南(カンナム)区のオフィスで指名手配ポスターを持っている姿。社名である 「Wantedlab」は、アメリカの指名手配(ウォンテッド・Wanted)という用語から取っている。知人推薦求人・求職サービスであるWanted(ウォンテッド)は採用成功時に合格者と推薦人全員に50万ウォン(約5万2000円)ずつ 「賞金」を授与する。 /キム・ヨンジョン客員記者




スタートアップ氷河期の転職…「むしろ転職周期が短くなる」

近頃、資金調達を終えたスタートアップが一番最初にすることをご存知でしょうか。複数の創業者と人事担当者に聞くと、採用プラットフォームWantedに掲載する会社紹介写真と採用公告を準備することだと言います。

採用プラットフォームの元祖というわけでもなく、2015年にスタートした同社がどのようにスタートアップ採用市場を一世風靡したのでしょうか。Wantedは7年で個人会員248万人、 企業顧客会社1万6730ヶ所を保有し、韓国内で最も多い転職データを保有するスタートアップになりました。

Wantedの運用会社、Wantedlabのイ・ボッキ(44)代表にお会いしました。グローバルコンサルティング企業アクセンチュアコンサルタント出身です。2013年に会社を辞め、「集団訴訟」 代行スタートアップを始めて潰し、その後外国人対象旅行体験プログラム仲介事業を行ってまた潰しました。

3番目のアイテムがまさに 「知人推薦」 採用プラットフォームWantedでした。スタートアップ業界では、人材を採る際に学校や職場の先輩から推薦してもらう点に着眼したのです。

-28四半期連続売上がプラスです。

「今年第1四半期の売上高110億ウォン(約11億4400万円)、 営業利益12億4000万ウォン(約1億2900万円)を上げました。創設以来最大の四半期実績です。28四半期連続売上が成長しています。上場後、メンバーのロイヤリティが上がりました。ストックオプションが懐に入る補償になったのです。上場過程は大変でしたが楽しかったですね。毎年2倍ずつ成長し、 振り返ってみると 「こんなことがありえるんだな」という気もします。

今後、GigEconomy(ギグエコノミー)、 クラウド、HRSaaS(サース)、この3つのトレンドに合った新事業で、成長するHRテック企業として位置づけていきたいです。

-Wantedはそれほど上手く行っているのですか。

「韓国で100億ウォン(約10億4000万円)以上投資されたスタートアップの75%ほどがWantedで人を採っています。今、資金調達後には一番初めにWantedに登録することが業界のルーチンになったと言います。スタートアップ転職採用市場では、Wantedをポジショニング上ナンバーワン事業者と見ても良いでしょう。

しかし、韓国の転職者数は、1年200万人程度です。この中で私たちWantedがカバーする数は合格者基準1%です。まだ市場はどんどん大きくなるということです」 

 



-スタートアップ 「氷河期」には転職や採用周期は長くなりますよね?

「近頃そうした質問を多く受けます。不思議なのは氷河期が来たからといって、採用は減っていないということです。むしろ転職周期はより短く、 早くなっています。開発者などデジタル職群の需要はますます増えています。

この職群については、供給が追いついていない状況です。開発者たちはスタートアップ、 ユニコーンを問わず人気ですから。そのため、Wantedのように効率的に採用できるマッチングモデルの必要性が高まるのだと思います。

-近頃、同様の方式の採用プラットフォームが増えています。

「はい、良いことだと思っています。最近HR市場に飛び込んだ多くの競合他社が共に採用市場を教育していくと考えています。私が最初に事業を始めた7年前は、採用広告プラットフォームが市場を支配しており、その隙間をヘッドハンターが補完していました。

ちょうど随時採用が本格化してきた時期であり、 モバイルでの職探しが定番になってきた時期でした。タイミングが良かったのです。現在、私たちより先に始めた採用プラットフォームも全てWantedをベンチマークしていますよね?年俸の7%を手数料として持っていくことも業界の新たな基準になっています。

ヘッドハンターは15~20%持って行っていたので、半分になったということです。皆、嬉しく思いますよね。

-Wantedを通じると求職者の合格率が 4倍以上だと聞きました。秘訣は何ですか。

「ビッグデータです。広告はインプレッションが多いほど良いため、トラフィックを集めるのにたくさんの努力をします。以前は、誰がこの会社に志願した、採用された、このようなことを追跡できませんでした。今はマッチングの時代であり、 随時採用の時代です。7年間積み重ねられた1万2000社、300万人の求職者データにより、十分に企業と求職者へ推薦と診断を行うことができます。

合格の可能性、 仕事がうまく合う可能性そうした点についてですね。それをAIが分析してくれるのです。そうすれば、求職者が自分一人で仕事を探すよりも合格率が4倍以上高く、 求職期間も平均90日から30日に減ります。 

 

転職成功率を高めるのは、8割が人工知能とビッグデータ

 -AIがどのように求職を手助けするのですか?

「400文字ほど履歴書を書けば、Wantedが意味のある確率を示します。求職者にふさわしい職業を探し、合格確率を見せるのです。ただし、履歴書を詳しく書くほど、確率は正確になります。今後は核心的な単語だけで判断できるよう、 要求する入力内容をさらに縮小していく予定です。

一つ言いたいことがあります。多く誤解されているのですが、会社の上司や他の人が自分の履歴書を見るのではないか心配だという方々がいらっしゃいます。そのような心配はしなくても大丈夫です。私たちは、転職だけではなくだけでなく、 キャリアコンテンツとキャリア成長サービスも提供するプラットフォームです。

LinkedIn(リンクドイン)に加入したからといって、全員転職をもくろんでいるわけではないじゃないですか。心配せずに、一度Wantedを使ってみてください。」

-AI採用はさらに発展する?

「AIがコーチしてくれる時代が近いうちに来ると思います。年収を高くするためには、 より良い職業につくためには誰に指導を受ければ良いだろうか。それとも、どこかカンファレンスに行って聞いてみようか。何をすれば、その人の役職まで行くことがきるか。

…こうしたオプションを示すことができるのです。Googleのサーバー開発者やグローバルサービスの作成者になりたいとしましょう。現地に渡り、現職者を紹介してもらうとすると、 その間その方が通ってきた道しか学ぶことができません。

しかし、AIコーチングを使えば、その職群になることができるさまざまな経路を見ることができます。多くの現職者データが積み重ねられていますから。1年以内にこのようなサービスを提供しようと準備しています。」

-最近の採用市場のトレンドは。

「人々はもはや会社に忠誠してはおらず、 一箇所ですべてを解決することはできないと考える風潮が当たり前になってきています。会社の方もやはり職員に対して生涯責任を取るというよりは 「最高の状態で去れるようにしてあげる」と説得をする状況です。もう一つは 「公開採用時代の終わり」 です。過去、企業は大規模に人材を採用し、教育を通じて、企業が直面している問題を解決する人材を育成するという信念がありました。しかし、コロナ以後、大きな外部からの衝撃に対応できる人材を内部で養成することは難しいと気づきました。企業内にない能力と経験を持つ人を採用するため、随時採用に切り替えることになったのです。」


「最近の採用トレンドは、『公開採用時代の終わり』でしょうね」

 -逆に企業は求職者に何をアピールしますか?

「昨年までは初任給、 年収イメージがトレンドでした。開発者の初任給が5000万ウォン(約500万円)を超えるほどですから。今は企業は年収競争だけでは十分ではないと感じているようです。最近は組織文化を強調し始めています。仕事をしながら経験できるプロジェクトの難易度と規模、特別な経験などを強調しています。

また、自分たちが変えることができるペインポイントも強調しています。報酬も単純給与よりは成果と実力に応じた設計性補償が主流になっています。簡単に言うと、成果給とストックオプションですね。Z世代のトレンドに合わせて、 公正さに注目しているようです。仕事がよくでき、 危機に上手く対処できる人に報酬をさらに与えるということです。

-いくつかの新事業を始めましたよね。Wantedgigs(ワンテッドギグス)とはなんですか?

「フリーランスマッチングサービスです。簡単に言えば契約代行ですね。企業から開発・デザインプロジェクトを受取って、Wantedが契約を行い、gigsの利用者たちと繋ぐという方式です。Wantedプラットフォームの利用者には開発者とデザイナーが多いです。この市場の特性として、プロジェクトが途中でひっくり返ったり、うまくいかなかったりすることが多くありました。初めから再開発となる場合も多く…。 品質保証が難しい市場です。私たちが中間に介入してクライアントの開発要求事項を聞き、 これを標準化して分析、うまくいきそうなgigs利用者と繋いでいきます。途中でプロジェクトが滞っても、私たちがプロセスに合わせて調整し再マッチを行います。gigsの売上は昨年第1四半期、昨年の同じ期間より3倍増えました。新事業の中で一番上手くいっています」

-IT業界でもGig Walker(ギグウォーカー)が普遍化しそうですね。

「日本での事業をしながら感じたところが大きいです。私たちの10~20年後の未来だといわれている日本の求人求職市場を見ると、高齢化が早いうえ、 流入人口まで少なく人材難が深刻です。

生涯雇用の概念が未だ有効な国であり、 凝り固まった雇用構造を持つため、逆説的にトゥージョブ市場をいち早く許容しています。トゥージョブ市場が急激に大きくなる日本のように韓国でもギグエコノミーがトレンドになると見て、サービスをリリースしました。」 


2022年3月、ソウル松坡(ソンパ)区ロッテワールドタワー内のWantedlab本社で会ったイ・ボッキ代表/パク・サンフン記者


「日本での事業は正直、追い風に乗れずにいます」

-Wantedは韓国国内市場が安定する前である、2016年に日本市場攻略に乗り出しましたよね。知人推薦の代わりに応援の概念を導入するなどローカライズもそれなりに上手く行っていたと記憶していますが。日本事業はどうなっていますか。

「正直なところ、追い風に乗れずにいます。コロナ以後、韓国では非対面職群が増え、 随時採用がトレンドとして広まる中で、2年間で4倍以上成長しました。ところが日本では逆でした。現地に行ってクライアントに直接会うことができなかったので、日本の現地企業に多く押されました。

それでも日本は、HR単一市場世界2位の国です。韓国市場の10倍です。まだデジタル化が進んでおらず、高コスト構造の日本市場を諦めません。現在、Wanted利用企業の15%が海外です。コロナが安定し、往来が自由になれば、本格的に海外事業に再び拍車をかける計画です」

-HRSaaS 事業もされるそうですが。

「クラウドを通じた業務方法が普遍化しています。出勤・決裁・日程管理などの人事管理機能を盛り込んだWantedSpace(ウォンテッドスペース)を昨年4月にリリースしました。現在1700以上の企業で1万6000人が利用しています。実際のところ、私たちは出退勤・メンバー管理にSaaSを導入しようとあれこれ80個あまりを使ってみて、評価しました。

しかし、必要要件に合うものがこれといってありませんでした。最も私たちとフィットしたサービスがCCOMMON SPACE(コモンスペース)でした。完全に買収し、Wanted Spaceに名前を変更しました。機能は簡便です。従業員がオンボーディングしてプロフィールを登録し、出退勤登録、電子決済も上げることができます。


Wantedアプリのキャプチャ。イ代表は 「1枚で会社を紹介できる、企業プロフィール写真に最も力を注ぐ」と話した。初期には、イ代表が顧客を直接訪ね、プロフィール写真を一緒に撮ったりもしたという。/Wantedlab提供


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