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【RIDI ペ・ギシク】 月3.99ドルのユニコーンのグローバル、 まだ 「スロースロー」だが、いつかは 「クイッククイック」?

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【RIDI ペ・ギシク】 月3.99ドル(約540円)ユニコーンのグローバル、 まだ 「スロースロー」だが、いつかは 「クイッククイック」?

  

ちょい事情通の記者 3号 チャン・ヒョンテ

文章コンテンツを売って100年以上続く会社に勤める3号記者の立場から、 工学部出身のコンテンツユニコーンの代表がこれまで抱えて来た悩みが本当に気になりました。彼はなぜウェブトゥーンを選んだのか、 テキストコンテンツは今本当に消え去いているのか尋ねました。

 

ソウル江南(カンナム)区RIDI社屋で会ったぺ・ギシク代表は 「NETFLIX式サブスクリプションモデルと自主確保コンテンツを前面に出して海外MZ世代ユーザーを攻略する」と話した。 /キム・ヨンジョン客員記者  


読者の皆さんの記憶の中ではRIDIはどんなサービスですか?RIDI BOOKS(リディブックス)?電子書籍端末のRIDI PAPER(リディペーパー)?事実、当レターの主読者層であるM世代には、このような名前の方が馴染み深いかもしれませんが、 近頃、Z世代にRIDIといえば何を思い浮かべるかと尋ねればウェブ小説、 ウェブトゥーンと答えるそうです。グローバルで最近ウェブトゥーンが流行っているから急いでピボットしたのではないかって?そうでしょうか。14年間コンテンツと格闘している、RIDIのぺ・ギシク(43)代表に会って聞いてみました。RIDIは去る2月シンガポール投資庁から1200億ウォン(約125億7000万円)の投資を受けて韓国コンテンツ企業としては初めてユニコーンになりました。当時、シンガポール投資庁が投資した理由もRIDIが保有している26万個のウェブトゥーン・ウェブ小説コンテンツとグローバル16か国で1位のウェブトゥーンアプリ、Manta(マンタ)の可能性を大きく見たためだと、ペ代表は説明しました。 



「海外に出れば得すると、みんな言っていたからやりました」

 -1200億ウォン(約125億7000万円)の投資を受けました。海外からです。

「海外に飛躍しなければならないと考えていました。私たちがグローバル事業を初めて1年を少し過ぎました。良く言うなら、 グローバル企業社会の構成員にならなくてはならないと思ったのです。俗っぽい表現をすれば、海外に行けば得だと言われたため、やりました。韓国で当社の売上がいくらで、 ブランドがあって、ユニコーンで、 どうだろうとグローバルでは誰も知らないじゃないですか。グローバル企業の構成員になるべきだと考えました。一番最初にしなければならないものとして、何があるか探してみました。株主に影響力のある海外投資家を見つけなければいけませんでした。金額や条件は別にして、 私たちが求めるものがありました。

影響力があり、 規模もありながら、時間をかけて長時間検証された投資家の中で当社を理解してくれる長期投資家を探しました。色々なところとかなりたくさん会いました。そうしている中でシンガポール投資庁と出会ったのですが、 話せば話すほど、こちらの業界を見つめる視線と理解度が高かったのです。共にやりたいと思いました。最初シンガポール投資庁は、少しの投資をしようとしていました。そうしている内に、どんどんと規模が大きくなり、最終的にはリード投資家までになりました。不思議なのはシンガポール投資庁のポートフォリオを見てもコンテンツプラットフォームがなかったんです。当社が初めてでした」

 

-ユニコーンですね。

「投資を受けてから少し良くはありました。投資家たちの信頼を受け、力も湧きました。しかし、すぐにこれって本当なんだ、肩の荷が重いと思うようになりました。投資家は5倍、10倍のリターンを望んでいます。もう少しうまくやるというより、はっきりと成長しなければなりません。投資家たちがどういうところをよく見てくれたのか、RIDIという韓国内サービスがしっかりと位置づけられ、ここで使われるIPや良い人材・組織・技術がMantaを通じて全世界へと拡がっていくのを感じたと仰っていました。特に最近は、Kコンテンツの風が吹いています。韓国映画や音楽がグローバルで流行りましたが、遂に漫画という他のコンテンツが出て行くのです。私はここにもう一つの意味を付与したいです」

 

-RIDIはグローバルで成功するでしょうか?投資会社はそう信じていますよね?

「これまでグローバルに成功したのは 「韓国コンテンツ」でした。コンテンツプラットフォームが海外に行って、うまくいったことはほとんどありませんでした。コンテンツが一度大ヒットしたとしても、続編が大ヒットすることを保証することはできません。一方、コンテンツプラットフォームは顧客を集めて長期的な収益を上げることができます。アメリカはそういうことをやっています。イカゲームも見てみてください。アメリカのNetflixの方がもっとお金を稼いでいます。

これがコンテンツ業界の話題であり、本質です。こうしたことをうまくやろうとすれば、デジタルを上手くやらなければなりません。アメリカや中国の会社がうまくやる確率は高いけど、Kコンテンツの風が吹く際にはKプラットフォームが出て、他の国の漫画も吸収できる大きなプラットフォームになってみよう。これが私の考えです。それでMantaを始めました。この抱負にシンガポール投資庁も大きく共感してくれたのです。ヘッド級役員に会ったら 「先のコンテンツが有望で、この分野で韓国は上手くやっているのに、プラットフォームでグローバルに行くのが不思議だ」と仰っていました。 

  

昨年11月、アメリカサンディエゴで開かれたコミコンに参加したRIDIのブース。RIDIの代表的なウェブ小説・ウェブトゥーンである 「クヌギの木の下(Under the Oak Tree)」を現実化した。/RIDI提供 

  

「ユニコーンになることは良いことですが…投資家は5倍、10倍のリターンを望んでいます」

 ‐Mantaは2020年にローンチしました。現在どの辺まで来ていますか?

「着実に上がっていっています。着実さがRIDIの特徴であり、長所です。正確にカウントしてはいませんが、500万ダウンロード数を記録しました。有料転換率やリテンションも良い結果が出ています。ユーザーの70%はアメリカとカナダの人々であり、 東南アジア・インドのユーザーもかなり居ます。年齢は10代後半から30代まで。思っているより、グローバルにおいてウェブトゥーンは馴染みのないジャンルです。韓国では2000万~3000万人が読んでいますが、 グローバルでは漫画をデジタルで見るという概念があまりありません。特に下にスクロールしていって読むウェブトゥーンはもっと馴染みがありません。アメリカでは、Mantaでウェブトゥーンに初めて接した人が多いです」

 

‐ウェブトゥーンはすでにNAVER(ネイバー)がアメリカで7〜8年やっているのでは?

「コンテンツサービスはテレビチャンネルに似ています。このチャンネルがあるからと、他のチャンネルがうまくいかないわけではありませんよね。いくつかのプラットフォームが共存できます。そして海外に出てみると当社も、NAVER・kakao(カカオ)も、皆似たようなスタートラインでした。NAVERは2014年7月からアメリカでウェブトゥーン事業を行っています。その後、kakaoが海外投資と買収をして、追って行きました。NAVERとkakaoは、果敢に賭けて先に韓国内市場を育てたんです。それ以前は子供たちなんかが見る 、 マイナーな文化だったのに、一つの産業になりましたよね。

この2社とRIDIはビジネスを見つめる視点が少し異なります。NAVERは作家と仕事をし、 kakaoはCP社(コンテンツ制作会社)と仕事をしているとすると、RIDIは独自のIP(ウェブ小説)を自社で制作しています。このIPを使って排他的なサービスをたくさん行うことができます。コンテンツでオリジナルのラインナップを大きく取っていきます」

 

‐Mantaの決済モデルはNAVERやkakaoとは違いますよね。

「はい、Netflixのように月額購入です。月3.99ドル(約540円)で、すべての作品をすべて見ることができます。もちろん韓国式の課金モデルである 「待てば無料」でも見ることができます。私たちが月額請求を行うことができるのは、 著作権問題がほとんどないからです。RIDIが所有しているオリジナルIPが多いためです。作家、CP社と契約する代わりに、RIDIの作家はRIDIの職員であり、 完全にスタジオ化して、ストーリー、 作画を会社の中で別々に作り、合わせるのです。作家個人に頼るのではなく、 体系的でしっかりしたコンテンツを試しています。

た、アメリカ人はサブスクリプションに精通しています。私たちが考える以上に、サブスクリプションは人生の一部になりました。むしろ一つずつお金を払いながら見るのに不便を感じ、 不規則に支出が増えるのを嫌います。そして既存の事業は現在の課金方式(1件ごとに決済する方式)を変えられないでしょう。草創期から作家と会社での契約を行っている内に、複雑になりすぎてしまったのです。一方、Mantaは3.99ドル(約540円)1回で全部見れるから良いです。毎週新しい作品も少なくとも3つ以上はアップされますから。この傾向でいけば、2~3年以降は収益が出ると見ています」 

 


 「NAVERは作家と仕事をし、 kakaoはCPと仕事をしますが、 RIDIはただ私たちのIPを私たちが制作するのです」

 -RIDIとManta、 とてもゆっくり進んでいますよね。急がない理由は?

「最も重要なのは再訪問、 再購入率です。これをリテンションと言います。会社内で価値が重要視されているのは常連客です。これを最大化しなければなりません。一言で言えば、一度来たお客様を明日も来させ、 長く来続けるようにしなければならないのです。プラットフォームがうまくいけば、時間が経つにつれて雪玉のように顧客が増えていく、 スノーボール効果というのがあります。これが本当に重要です。だからといって連載数を無理に増やすことはありません。

顧客に少しでもより多く売ろうと、あえて無理数を置くことはしないということです。読者は本当にデリケートです。無理なことをすれば、全て察します。そのため、コンテンツの質で勝負をしようとしています。当社は電子書籍事業も行っています。これは広く見れば本です。本はコンテンツクオリティがなければなりません。時間とお金を注ぐ価値があってこそですから。ウェブトゥーンも変わりません。インターネットとブログから出てきた単純な資料というよりは、 プロフェッショナルなコンテンツにならなければなりません。

 

-なぜ電子書籍からウェブトゥーンとウェブ小説に事業の中心を変えたのですか。

「会社内でも、そのような質問をたくさんされました。私の視点から言えば、これは広義の本だと言いたいです。結局のところ、起源は本です。コンテンツを消費する形式に、時代の流れに合わせ、人々の好みに合わせて、変化を与えたのです。実際にやってみると、 電子書籍とウェブトゥーン、ウェブ小説は同様の事業だな、と感じます。外から見るには電子書籍会社がこんなことをするんだ、という感じでしょうが、みんな似たようなものなのです。

 

-ちょい事情通の記者製作チーム長は40代で、RIDIをまだ電子書籍会社として把握しています。これが韓国社会において、年をとったという指標でしょうか?ハハ。

「世代ごとに、当社を違う風に把握されています」Z世代はRIDIをRIDI BOOKSとは言いません。アクセスしてみて 「わー電子書籍もあるんだ」 こういう風に認識しています。一方、80年代生まれとそれ以前の世代は、RIDIが成長しだした頃、大学生だったため、 大部分が電子書籍の会社として認識しています。実は、RIDIは漫画単行本市場1位でもあります。 

 


月額3.99ドル(約540円)、 その恐ろしい力の背景にはリテンション

 ‐ペ代表も40代でしょう?SAMSUNG(サムスン電子)で社会生活のスタート?

「唯一会社で働いたのがサムスンでした。SAMSUNG(サムスン電子)投資チームから出発しました。ソウル大工大電気工学部を出て、エンジニアとして入社しました。ところが会社側から、このような職種があるから一度やってみないかと提案をしてきたのです。漠然とベンチャー方面に関心があったため、受けました。2年2ヶ月で会社をやめましたが、 当時先輩たちからたくさん学び、助けられました。アメリカLG Technology Ventures(LGテクノロジーベンチャーズ)のキム・ドンス現代表が私のメンターでした。」

 

-サムスンを退社して創業したのが2008年?当時スタートアップという言葉もなかった時代です。

「ベンチャー投資を行う中で、韓国とアメリカのシリコンバレーを回っていると、 IT第1世代創業者が思っていたより若かったのです。当時の私と年齢差があまりありませんでした。もう一つ感じたのが、 大きな風が一度吹けばチャンスが来るのであって、自分が上手くやったから上手く行くという訳ではないんだとということでした。2007年にiPhoneが出ましたよね。世界が変わっていく気がしました。会社に勤めていた大学の後輩二人を誘い、何かやってみようと言って会社を辞めました。会社を辞めて準備し、2008年3月末に法人(IntialComunications(イニシャルコミュニケーションズ))を設立しました。いろいろ試してみて、RIDI BOOKSをローンチするのに2年ほどかかりました」

 

-始めたからといってすぐ上手く行くわけではありません。失敗もありましたよね?

「最初はウェブトゥーンでスタートしました。モバイルで 「面白いもの」を見られるようにしよう。そうすれば、これを有料で売ることができるだろう、と考えたのです。当時、ウェブトゥーン事業者たちはPC版権だけ持っていたのですが、 これをモバイルに持ってきて有料アプリとしてサービスしました。漫画本のように一冊ずつです。作品一つにアプリ一つ、このような形で。最初の反応はかなり良かったです。モバイルはユーザーエクスペリエンスが重要であり、広告を表示すると消費者が嫌がります。

当時のPCウェブトゥーンは無料広告モデルでしたが、 アプリが売れるたびに作家たちにすぐに収入が入るので、作家たちにも好評でした。当時月の売上が1000万ウォン(約105万円)も出ていました。ところが結局 1年と少し行かずに、畳みました。結局、既存の企業との著作権問題が浮上したのです。そして約100個のアプリをリリースしながら感じたのが、漫画アプリはゲームのようだということです。一つがうまくいったからといって、後続作がうまくいく保証はないのです。その時からプラットフォームが切実だと考えるようになりました。 


「今回の投資の際、希望する株主たちには、全員がイグジットできるよう手助けしました」

 -2008年にウェブトゥーンとは、とても先取っていましたね。

「ちょうど、あるウェブトゥーン作家の方が文学界の出版社を紹介してくださったのです。あなたは不思議なことをやられれているようですが、本もやってみたらどうでしょうか、と言って。それで、本も一度やってみようか、 漫画より本の方が量が多いし、やってみよう、と始めることになりました。

また、当時AmazonのKindleが似たようなことをやっており、 これを私たちのスタイルでローンチしてみました。その時それを電子書籍と呼びはじめたのです。その数年後、Kindleが端末を出すと、読者から、そうしたものを出してほしいという希望が沢山出ました。電子書籍端末を韓国内で直接開発した会社は私たちだけです。設計まで全て、直接行いました。以後、SAMSUNG(サムスン電子)出身の人材をさらに何人か迎え入れ、ハードウェアの勉強をしっかりと行いました」

「やってみるとコンテンツとハードウェアは全く違う業界でした。開発する中で、本当に分不相応なハードウェアをやったりもし、 とても大変でした。職員全員で30人だった時代、 みんなでPC本体を開けてバグ修正をして、そのような不良品修正の作業を本当にたくさん行いました。 そうして、2016年ごろ、市場がますます長いものよりも短い連載型コンテンツの方に向かって来ているのを感じました。

その年の2月に連載形式のWeb小説を始めました。直前にRIDI PAPER端末機をリリースしたからです。ハードウェアとウェブ小説を同時に行ったのです。大変ではありました。骨折り損だったけど、もう一度やってみよう、連載アプリもRIDI内でやってみて、 アニメストリーミング会社も買収してみて。その後マスコミ会社のアウトスタンディング買収も行いました。おそらく、コンテンツ実験の経験はRIDIが最も多いでしょう。

 

‐IPOはいつ頃ですか?中長期計画の共有?

「とりあえず5年、10年の目標としては、RIDIをベースにMantaを世界中に拡げることが大きな目標です。コンテンツ開発を一生懸命行おうと思っています。根本的な悩みが2つあります。一つは、 グローバル人材を抱えられる組織になること、二つ目はグローバルプラットフォームに生まれ変わるための資金調達です。今Mantaチームは8つの国籍をもつメンバーからなっています。アメリカ、 イギリス、 台湾、ルーマニア、 中国、 カナダ、スペイン、 ニュージーランドなど多様です。

外国人の職員は現在30~40人程度になります。グローバル文化と業務システムを備えています。外国人採用も活発に行っています。このチームでグローバル対応をすべて行っています。資金調達としては、長期的に IPOをやるにはやるでしょうが、急がずともよい状況です。今回の投資誘致の過程で、希望する株主には、全員イグジットさせてあげるようにしました。1〜2年以内に(IPOを) 希望する株主は今や存在しません。余裕が生まれ、 今すぐの上場計画はありませんね。

  

「良いコンテンツだから、より高い価格で売ろうと思われているのですよね?消費者もそう考えるでしょうか?」

 ‐テキストコンテンツの有料化、 つまり、テキスト代を受け取って、テキストを売るビジネスモデルには未来があるでしょうか。

「コンテンツを作る立場としては、これを売るというのは…コンテンツを消費する経験にお金を払うようにしているのです。視点の差が大きいです。良いコンテンツをうまく作るほど、 これはいいものだから高値で売ろう、そういった風に考えることが多くなります。しかし、私がいつも強調しているのは、人々はコンテンツにお金を払うわけではないということです。消費者はこれがいくら分だ、とは考えていません。一つの作品に喜んでお金を出すのは、気になるからです。次の話がとても気になるのです。

Mantaも「月にこれだけ出して全部読める」ということに、喜んで消費者は財布を開くのです。ニューヨークタイムズは、有料化してうまくいっていますよね。それも、二つは無料で見ることができるようにして、 もっと見るにはお金を出せ、という形です。続きが気になるという気持ちを誘発し、 快適な経験のために対価を払う様にすること、 それが本当に重要です。    

 

インタビューの間中ウェブトゥーンの話をしたが、リディは電子書籍端末事業も着実に続けている。今年4月に新しく出たRIDI PAPER4./RIDI提供 

 

 

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