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【2022年新登場】新・韓国ユニコーン7社、徹底分析|Vol.2

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【2022年新登場】新・韓国ユニコーン7社、徹底分析

前回の記事では韓国新ユニコーン7社中の3社について解説をしました。

以下記事を参照ください↓


【2022年新登場】新・韓国ユニコーン7社、徹底分析|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

2022年韓国新ユニコーン企業7社が誕生した。 MEGAZONE CLOUD(メガゾーンクラウド)、SHIFTUP(シフトアップ)、IGAWorks(アイジーイーワークス)、ヨギオッテカンパニー、OASiS(オアシス)、Tridge(トリッジ)、韓国信用データが新たに名を連ねた。

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今回の記事では残りの3社について解説をしていこうと思います!

4. MEGAZONE CLOUD

MEGAZONE CLOUD HPから引用


MEGAZONE CLOUD(メガゾーンクラウド)は、韓国の大手IT企業MEGAZONE(メガゾーン)の子会社で2018年に設立されました。AWSプレミアティアサービスパートナーとして、長年の経験を通して蓄積された専門的な知見を背景に、コンサルティングサービスと構築・保守運用サービスを提供しているクラウドサービス企業です。


2019年には日本法人が設立されました。日本以外にもアメリカ、カナダ、オーストラリア、中国、 ベトナム、香港、シンガポールに拠点を持っており、24時間年中無休の運用を含むサービス提供に注力しています。そのためグローバルでの対応やグローバルでの事例で得た知見を展開できることを強みとしています。
クライアント数は5,000を超え、2022年度の売上は1,400億円以上を達成しています。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)とのパートナーシップを結んでおり、ハイブリッドクラウドサービスの高度化・多様化を強化しています。


以下記事もあわせて参照ください↓


韓国のクラウド、日本を攻略…MEGAZONE、伊藤忠との合弁会社の企業結合完了|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

韓国の大手IT企業MEGAZONE(メガゾーン)の子会社MEGAZONE CLOUD(メガゾーンクラウド)は、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と設立した合弁会社について、日本で企業結合の申告を完了した。MEGAZONE CLOUDは合弁会社に投資を拡大、日本のクラウド市場攻略を本格化する計画だ。

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また、京都大学や岐阜大学などの公共機関やグローバルに展開している企業を含め、多数の顧客へAWSソリューションとサービスを提供しています。

以下は、京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター長﨑正朗 特定教授の活用事例です。



ペタバイトスケールを超えて急速に増え続けるヒトゲノムデータ解析、および国際共同学位のためのハイブリッドクラウドシステムの実装における、クラウドアーキテクチャー及びセキュリティ実装の提案をしています。


長﨑教授がMEGAZONE CLOUDをパートナーとして選んだ理由としては、

  • AWS以外の様々なクラウドを扱った実績があり、ベンダーロックインにならない点
  • AWSプレミアティアサービスパートナーの実績があり、英語でのサポートが可能でグローバルでの技術情報をすぐに集めて提供をしている点
  • 学術系の構築運用に関しての実績がある点

以上の点を挙げています。


海外市場の開拓にも力を入れており、今後はよりグローバルな企業に成長することが期待されています。


5. IGAWorks


IGAWorks HPより引用


IGAWorksは2006年に設立された、データプラットフォーム企業です。マーケティングオートメーション、DMP(データ管理プラットフォーム)、機械学習、AI、トレードデスク、マーケットインテリジェンスなどのモバイルデータとプラットフォームを提供する、韓国で唯一の包括的なデータ技術SaaS企業です。

NAVER、SAMSUNG(サムスン電子)、LG、Lotte、新世界、SKなどの大企業をはじめとする、韓国内外の約28,000のモバイルアプリサービスおよび関連企業が、IGAWorksが提供するプラットフォームを使用してデータを構築して顧客傾向を分析し、これをもとに広告およびマーケティングの意思決定から計画、実行、運用まで、売上とビジネスの直接的な成長に活用しています。Eコマースの場合、上位100のアプリの75%がIGAWorksのソリューションを使用しており、今年の上半期だけでもIGAWorksのソリューションを通じて、10兆ウォン(約1兆308億円)相当のモバイル購入データが使用されています。


また、IGAWorksは最近「マーケティングクラウドーEコマース」というサービスを開始しました。
これは韓国初のウェブベースのサービスで、ブランドランキング、業界シェア、ブランド別購買者の顧客プロファイルなど、モバイルとコマースの詳細な洞察が一目でわかるようなサービスです。8,000余りのカテゴリー、18万個以上のブランドを詳細に分析しています。


IGAWorks HPより引用


定期的に更新される最新データをもとに顧客の購買パターン、関心の高い分野やキーワードなど詳細にプロファイルデータ分析を行い、これまで企業が見ることができなかった新しい視点を明らかにしています。

マーケティングクラウドーEコマース間の分析カテゴリーでは「現在地」、「競合ブランド」、「購買者」の3つのカテゴリーに分類されます。

「現在地」分析では、カテゴリー別売上ランキングをもとにブランドの現状、現時点での影響力、明細項目別の売上動向を一目で確認することができます。「競合ブランド」分析では、自社と競合他社間の現在の市場シェア、ポジショニング、購買者デモンストレーションなどに基づいた洞察を提供します。「購買者」分析では、実際の商品を表示した後にショッピングカートに移動し、最終的に購入が行われた段階の詳細状況を把握することができます。コンバージョン率に加えて、コンバージョン率の高いカテゴリや年齢層も確認できます。

このようにIGAWorksは、韓国内のB2Bモバイルデータ業界を代表するデータプラットフォームで、今後も独自のモバイルデータ分野における技術や知見を共有することでWin-Winのパートナーシップを拡大し、モバイルビッグデータとマーケティングのシナジー創出事例を増やしていくと期待されています。


6. Tridge

TRIDGE HPより引用


Tridge(トリッジ)は2015年に設立された、世界で唯一の農業、畜産、水産の取引プラットフォームを運営するスタートアップです。


直接得られたデータに基づいて、Tridgeは世界中の数万の農場、畜産物、水産製品の取引を仲介し、プラットフォームからの注文時に現地の農場の実査、契約協商、輸送、税金処理など、貿易業務を代行するフルフィルメントサービスを提供しています。


以下記事もあわせて参照ください↓


注目すべき資金調達、韓国スタートアップ4社:2022年8月|月間スタートアップレシピ|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

農業データスタートアップのTridge(トリッジ)は、500億ウォン(約50億7,000万円)の資金を調達した。3兆6,000億ウォン(約3億6,500万円)の企業価値が認められ、業界初のユニコーンとなった。

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Tridgeは、食品および農水産物の貿易に関連するすべてのデータとコンテンツを世界中から収集、選別、分析しているため、Tridgeユーザーは世界の市場動向、食品および農業食品業界を理解し、情報に基づいたビジネス上の意思決定を行うことができます。

そのためTridgeは世界60か国に広がるグローバル人材を通して運用されています。


TRIDGE HPより引用


また、Tridgeの主要顧客としては以下があげられます。


TRIDGE HPより引用


Softbank Ventures(ソフトバンクベンチャーズ)から投資も受けているTridgeは創業以来、グローバル市場向けのサービスを考案、開拓してきており、今後もグローバル市場をつなぐ架け橋として世界貿易をリードしていくことが期待されています。


7. 韓国信用データ

韓国信用データHPから引用


韓国信用データは2016年にキム・ドンホ代表によって設立された、データビジネス企業です。
キム・ドンホ代表は延世(ヨンセ)大学在学中の2011年にOpensurvey(オープンサーベイ)を設立しています。

2021年11月には8,000億ウォン(約820億円)の企業価値が認められ、2022年10月には1兆1,000億ウォン(約1,130億円)の企業価値が認められています。


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データでビジネスにおける意思決定をサポート「韓国信用データ(KCD)」|月間スタートアップレシピ|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

企業情報:韓国信用データ(KCD) 韓国信用データ(KCD)はデータビジネス企業として、データについて卓越した理解をもとに、多くのデータに分析的価値を加え、インサイトを創出します。 これを通じて、ビジネスにおける意思決定のサポートをする。 2020年8月末基準で収集·分析した取引情報は年間150兆ウォン規模に達し、政府、事業者、消費者など様々な分野の経済的意思決定に必要な幅広いデータを提供している。 KCDのサービスであるキャッシュノートは経営管理サービスであり、2017年4月の発表以来、急速に広がり、現在全国のクレジットカード加盟店の3分の1以上、65万以上の事業所が使用している。クレジットカード売上情報を基に、事業者に日々必要な情報を一目で把握できるように提供し、マーケティング、税務、金融など事業者にとって避けられない問題を容易に解決できるソリューションを提示している。

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韓国信用データは2017年4月にCashnote(キャッシュノート)サービスの発売をして以来、中小事業者経営管理ソリューション会社に急速に成長しました。



Cashnoteは現在130万以上の事業所が使用しており、管理取引額は300兆ウォン(約31兆円)を超える、韓国で第1位の経営管理アプリです。
Cashnoteでは売上・顧客・税金等の経営管理をアプリ一つで簡単にすることができます。



動画内ではカフェを運営しているキム・ジュンヒョン代表が、Cashnoteを使用している感想を述べています。

Cashnoteの利点として、

  • 当日の売上が一目でリアルタイムに確認できる
  • 不課税や所得税を申告する時に税理士等を使わなくとも、アプリで管理しながら自身で申告が簡単にできる
  • 別途税理士等を雇わなくても信じられるサービス内容

以上の点を挙げています。

また、韓国信用データは2022年10月にFiservkoreaを買収し、Korea Payment Networksを設立しました。
これにより、韓国市場で決済サービスを必要とするグローバル企業にサービスを提供し続けるとともに、経営者へより良いサービスを提供していくことが期待されています。

そして今月から、小規模事業主の社長のための専門コンテンツ「社長119」が開始されます。


以下記事を参照ください↓


経営管理サービス「cash note」が社長オーダーメイドコンテンツプラットフォーム「社長119」を開始|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

全国130万の事業所に導入された経営管理サービス「cash note」を運営するKOREA CREDIT DATA(韓国信用データ)は2日、社長のためのオーダーメイド専門コンテンツサービス「社長119」を発売したと明らかにした。

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これは、小規模事業主の事業運営に不可欠な税務、ブランディング、マーケティング、政策および情報分野の専門家とともに作ったコアノウハウが提供されるといったサービス内容になっています。
このサービスの開始により、社長たちはこれまで得ることが難しかった事業に役立つノウハウを簡単に得られることが期待されています。

このように新たなサービスを開始するなど、今後も成長が期待されている企業です。



2022年に新たに登場した、韓国新ユニコーン7社について、2記事にわたって解説をしてきましたがいかがだったでしょうか。

韓国スタートアップは成長速度が早く、韓国国内だけでなく初期段階から海外市場に目を向けているということが感じられると思います。

今後も急成長を続けていく韓国スタートアップに目が離せません。


/media/KORIT編集部
記事を書いた人
KORIT編集部

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