韓国VCの実績|K-IPOレポート【番外編】
「K-IPOレポート~会計士のぶはらが現地から韓国IPO情報を発信」では、会計士申原侑祐が、現地韓国から韓国の最新IPO情報をお伝えしています。
※今回はKーIPOの番外編で、韓国現地から韓国VCの実績をお届けいたします。
韓国でスタートアップ投資が活発と言われていますが、実際VCは、どの程度の売上や利益を上げているのか、この度は、2021年12月期の韓国のVCの売上、営業利益を調べてみました。
中小企業創業投資会社電子開示というサイトで開示されている情報を元に、売上高1,000億ウォンを超える会社を売上高順に整理しました。
(単位:億ウォン)
この中で特に圧倒的な売上を記録しているのが、BonAngels Venture PartnersとKAKAO Venturesの2社となります。
BonAngelsは、配達の民族という出前アプリを運営しているスタートアップへの投資で大きな収益を得たことで有名です。少し過去のニュースですが、2019年12月に、3億ウォンの投資が1,000倍の収益をもたらしたという記事もありました。
KAKAO Venturesは、Upbitという仮想通貨取引所を運営しているDunamuというスタートアップへの投資が大きく成功したと言われています。Dunamuは、韓国政府の中小企業ベンチャー部からも2021年にユニコーン入りしたスタートアップであると発表されています。
一方で、日本のVCの実績は、どうなのか、日本最大のベンチャーキャピタルと言われているジャフコの2022年3月期の実績と比べてみました。
- ジャフコの2022年3月期の実績は、売上:276億円、営業利益168億円で、1円=10ウォンで換算しております。
会計基準等によって異なる部分もあるので、単純比較はできませんが、BonAngelsやKAKAOは、ジャフコの約2倍近い売上となっております。
また日本の2021年のスタートアップ投資額は、前年比46%増で、約7,800億円というレポートが出ていますが、韓国では、前年比192%増で、約12兆ウォンとのことなので、日本円で1兆円を超える投資額となっています。
VCの売上実績、韓国での投資実績からも韓国のスタートアップ投資が活発に行われており、それだけ優秀なスタートアップが多くあるということがわかるかと思います。今後、日本から韓国へのスタートアップ投資も活発になることを期待したいですね。
■著者PROFILE
申原 侑祐 (のぶはら・ゆうすけ)
―日本公認会計士・公認不正検査士
株式会社スターシアにて、韓国企業の日本子会社を含む日本法人の会計監査、日本企業及び韓国企業に対する財務デューデリジェンス業務やバリュエーション業務、日系企業の韓国進出支援、韓国系企業の日本進出支援、日系企業の韓国拠点に対する不正調査を含む内部監査支援等に従事している。
株式会社スターシアHP:株式会社スターシア (starsia.co.jp)
日本企業の韓国進出・韓国企業の日本進出を支援する会計事務所系コンサルティング会社です。現地拠点の会計税務やクロスボーダーM&Aなどの各種業務にも対応しています。
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