【2022】韓国IPO実績まとめ|K-IPOレポート~会計士のぶはらが現地から韓国IPO情報を発信
「K-IPOレポート~会計士のぶはらが現地から韓国IPO情報を発信」では、会計士申原侑祐が、現地韓国から韓国の最新IPO情報をお伝えしています。
2022年 韓国IPO実績まとめ
明けましておめでとうございます。
昨年からK-IPOとして連載スタートしていますが、2023年は、更に有益な情報を提供できるように頑張っていきますので、今年も宜しくお願いします。
2023年の1発目の記事として、2022年の韓国のIPO実績を整理したいと思います。
【過去5年のIPOの推移】
(参考:韓国取引所電子開示システム)
2022年は、SPACや再上場を除く、一般上場だけですと全市場を含め85件の上場となっております。2021年は、98件でしたので、前年度と比べると13件減少しております。
2021年は、証券市場が盛り上がり、IPOも追い風でしたが、2022年は、ウクライナ問題、高いインフレに伴う金利の引き上げ、景気低迷などで投資心理が萎縮し、上場撤回や延期などの影響を受けたようです。
【上場撤回、延期(事例)】
【2022年上場株の時価総額の推移】
2022年に注目された上場株及びK-IPOで取り上げた企業2社のその後の株価の推移は次の通りです。
※LGエナジーソリューションは、右軸をご参照ください。
LGエナジーソリューションは、二次電池関連の会社で、2022年12月末時点で、時価総額が101兆ウォンあります。2022年1月にKOSPI に上場したばかりですが、サムスン電子に次いでKOSPI市場で時価総額2位となっております。公募時の価格が300,000ウォン(時価総額70兆ウォン)で、2022年12月末の終値が435,500ウォン(101兆ウォン)であるため、上場後も45%程度増加しております。
SocarもKOSPIに上場した企業で、カーシェアリング事業を運営しています。
2022年8月に上場しており、上場時の公募価格が28,000ウォン(時価総額9,163億ウォン)で、2022年12月末の終値が21,750ウォン(7,117億ウォン)であるため、上場後、22%程度、時価総額が減少しております。
またSocarについては、上場直前の2022年3月にロッテレンタルが、1,832億ウォンで、13.9%の持分を取得したと開示されております。この株価で単純に時価総額を逆算すると、13,180億ウォンのバリュエーションとなります。ロッテレンタルですので、事業的な連携等も考慮しての投資かもしれませんが、公募価額の時点から、ロッテレンタルが投資した際のバリュエーションを下回っている状況です。
[関連記事]
4by4(フォーバイフォー)は、私が以前の記事で紹介した2022年6月10日頃は時価総額が2,350億ウォンでしたが、2022年12月末時点では、1,175億ウォンとなっており、約50%減少しております。
詳しい記事は➡️K-IPOレポート Vol.1|動画コンテンツの差別化を実現する「4by4」
チョンダムグローバルも私が以前ご紹介した会社ですが、2022年6月17日の株価では、時価総額2,342億ウォンで、2022年12月末時点では、2,260億ウォンと3%程度だけ減少しております。
詳しい記事は➡️K-IPOレポート Vol.2|流通ソリューションを提供するEコマース企業「チョンダムグローバル」
2022年は、経済的にマイナスに作用する出来事が多かったように思いますが、ここを耐えきり、2023年は、大型上場や上場後の継続成長が続くような会社がどんどん出てきてもらえればと思います。
2023年は、もっと多くのIPO事例をご紹介できればと思っております。
今年も宜しくお願い致します。
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■著者PROFILE
申原 侑祐 (のぶはら・ゆうすけ)
―日本公認会計士・公認不正検査士
株式会社スターシアにて、韓国企業の日本子会社を含む日本法人の会計監査、日本企業及び韓国企業に対する財務デューデリジェンス業務やバリュエーション業務、日系企業の韓国進出支援、韓国系企業の日本進出支援、日系企業の韓国拠点に対する不正調査を含む内部監査支援等に従事している。
株式会社スターシアHP:株式会社スターシア (starsia.co.jp)
日本企業の韓国進出・韓国企業の日本進出を支援する会計事務所系コンサルティング会社です。現地拠点の会計税務やクロスボーダーM&Aなどの各種業務にも対応しています。
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