#6 厄介なNFTと分割投資|法律
[CHOI&LEEのスタートアップ×法] #6 厄介なNFTと分割投資
NFTは多くの注目を集めており、今後も成長が期待される分野と言えます。これに多くの投資家たちも関心を示しているため、今回はNFT投資と分割投資に関連する争点を見ていきたいと思います。
分割投資とは、2人以上の投資家が実物資産、その他財産的価値ある権利を分割した請求権に投資または取引する新種の投資形態をいいます。言い換えれば、一つの価値ある対象を複数の部分に分けてその部分だけの価値を見て投資する投資方法と言えます。
これまでも不動産分割投資が存在していましたが、最近、分割投資は音楽著作権、芸術品、建物、ブランド品など様々な分野で活用されています。デジタル資産であるNFTの美術品に対する分割投資も登場するなど、NFT所有権を対象とした分割投資が注目され始めました。
最近、再議論になった理由は、今年4月20日、金融委員会が分割投資のスタートアップ「musicow(ミュージックカウ)」で販売する音楽著作権料の参加請求権を証券として認め、資本市場法による課徴金と過怠料を賦課するなどの制裁対象と認定したからです。
資本市場法第4条は、「『証券』とは、内国人または外国人が発行した金融投資商品であり、投資家の取得と同時に支払った金銭等のほか、いかなる名目でも追加の支払義務(投資家が基礎資産に対する売買を成立させることができる権利を行使することにより負担することになる支給義務を除く)を負担しないことをいう」と規定しており、そのうちの一つである「投資契約証券」については、「この法律で『投資契約証券』という特定の投資家がその投資家と他人(他の投資家を含む) 間の共同事業に金銭等を投資し、主に他人が遂行した共同事業の結果による損益の帰属を受ける契約上の権利が表示されたものを言う」と規定しています。
金融委員会はmusicowの場合でも、特定投資家が①その投資家と他人(他の投資家を含む)との共同事業に金銭等を投資し、②主に他人が遂行した共同事業の結果による損益に帰属を受ける契約上の権利が表示されたものとして、③利益を得たり損失を回避する目的があることに該当するため、証券と判断したのです。
また、金融監督院は、分割投資など、新種証券事業に関連するガイドラインを発表するなど、新技術または類型を通じた分割投資の場合にも資本市場法の制裁対象に含めることができる余地を残したため、NFTなど新事業を営む事業者は、資本市場法の規制を受けるのかを慎重に見極めざるを得なくなりました。
分割投資の商品が証券に該当する場合、分割投資の事業者は現行の資本市場法の規制をすべて遵守し、分割投資証券を発行・流通しなければなりません。
この場合、資本市場法によれば、金融投資業の認可を受けなければならず、資本市場法に従って営業を登録する必要があるほか、業務報告書を公示したり、大株主との取引を制限されるなど、多様な規制を受けることになるので、事業者の立場からすれば、かなり面倒な手順を踏むことになるのです。
しかし、最近発表されたガイドラインによれば、当該の分割投資証券の特性上、現行法体系内で発行・流通が困難な場合、当該の分割投資証券の革新性などが特に認められれば、例外的に「金融革新支援特別法」による金融規制サンドボックス制度を活用して革新金融サービスに指定され、一時的に分割投資証券を発行・流通できるとし、現在、資本市場法ですべて解決できない新技術について例外を認めてもいます。
NFTの場合はどうでしょうか?
韓国金融研究院が発刊した「NFTの特性及び規制案」報告書によれば、集合投資の性格を持つものと判断される余地があるNFT商品については、証券に分類されるべきだという意見が提示されたことがあります。
多くの専門家は、NFTのような技術の特性だけで、その商品が分割投資に該当するかどうかを決めることはないとしながら、結局は資本市場法の規制対象となる商品かは投資の類型やNFTが資金調達の手段として使われたかどうかなどを総合的に検討しなければならないとしています。
金融委員会は、「musicow」に関する判断で、新しい産業に関する分割投資に資本市場法を適用できる先例を確立し、分割投資に対するガイドラインを提示することにより、事業者があらかじめ事業モデルの検討ができるように方向性を示したという点で意味ある一歩だったと言えます。
しかし、NFTの分割投資のように、その技術の特性上、現行法上の規制だけで解決できない部分に対して資本市場法が適用されるかは依然、未知数なため、今後もブロックチェーンやNFTに関する法令制定やガイドラインの発表、NFTの分割投資の類型などについて、絶えず関心を持って見守っていく必要があります。
投稿:CHOI&LEE法律事務所ハン・ダウン弁護士
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