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NFTとは何か|法律

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[CHOI&LEEの スタートアップ ×法] NFTとは何か

最近のブロックチェーン旋風に続いて、「第2のビットコイン」と呼ばれるほど注目を集めている技術「NFT」について、法律的な観点からシリーズでお話していこうと思います。NFTは「non-fungible token」の略で、韓国では「代替不可能トークン」と呼ばれたりもします。

NFTは、従来のビットコインの概念とは少し異なります。ビットコインのような既存のトークンは、私たちがよく知っている貨幣や債券、金のように、互いに代替が可能です。たとえば、同じトークンならば、私が持っている1つのトークンと相手が持っている1つのトークンの価値は同じで、互いに交換することができます。

しかし、代替不可能(non-fungle)なトークンはこれとは異なり、それぞれ固有性を持っているため、互いに同等ではない、代替不可能であることを意味します。簡単に言えば、NFTはそれぞれ異なる一種の契約書のようなものだと言えます。

自分が持っているA契約書と、他の人が持っているB契約書の内容が違えば、単純に同じように扱うことができないのと一緒です。代替不可能(non-fungible)なトークンには、追跡可能性(traceability)の特性も持っています。従って、固有の内容が入ったNFTの経路が追跡できれば、最終的にそのNFTを所有することになった人がNFTの履歴をたどることができるのです。

このように代表的な2つの特性から、NFTはデジタル登記簿謄本と呼ばれることもあります。

では、これらの特性を持つNFTは、どのような分野で注目されているのでしょうか。近年NFT事業の進出が最も活発な分野は、ファッション、ブランド品、ゲーム、芸術作品などです。

GAP(ギャップ)、BALMAN(バルマン)、NIKE(ナイキ)、ADIDAS(アディダス)など多くのファッションブランドが、各ブランドの既存のアイテムとNFTを組み合わせて、NFTの所有者に固有の所有権を与えています。例えば、BALMANがBarbie(バービー)と協力して、BALMANの服やアクセサリーで飾られたバービー人形のNFTを発行してオークションにかけるなど、既存の企業による新しい試みが行われています。

ブランド品メーカーはNFT保証書の導入を歓迎しています。NFT保証書には、製品の固有の一連番号、原産国、所有者の証明などが示されています。これと併せてデジタル登記簿謄本の名のごとく、初めから最後まで商品の移動経路を表示できるため、以前の所有者が誰だったのか、何件の中古取引があったのかなどを把握することができます。NFT保証書は、中古取引や購買代行で、正品認証のための有用な技術として認識され始めています。

ゲーム業界もNFTを積極的に使用しています。ベトナムのスタートアップ企業が製作したNFT関連ゲーム「Axie Infinity(エクシーインフィニティー)」は、「Axie」というNFTモンスターを育てて戦いに勝てばSLPという仮想通貨を手に入れ、再びSLPを使って「Axie」を育てNFTモンスターを売ったりできます。SLPを現金化することもでき、ゲームをプレーしても金が稼げるため、話題になっています。実際に、こうして稼いだ現金は一部の国では最低賃金を超えてもいます。

NFTはアート市場でも注目されています。既存の美術作品とは異なり、デジタルアートは複製のリスクがあり、実物の美術品のような価値を持たせることができず、そのため取引の対象とはなりませんでした。

しかし、作品の信憑(しんぴょう)性や所有権を証明できるNFTの登場により、デジタルアートを制作する芸術家に固有性という価値を与え、実物の美術品のようにオンラインでオークションを開くなど、新しい形式の美術市場が生まれ、その規模も大きくなっています。

現在まで大きく成長してきたNFTは、今後も注目を受け続けるのでしょうか?これまで見てきた事例のように、NFT市場には最近、巨額の資本が入り始めています。従来の常識を壊し、大企業やスタートアップを含む多くの企業がNFTに関わる様々な事業に関心を持ち、具体的な成果を上げ始めています。

このようにNFTについてざっと見てきましたが、さまざまなNFTや関連する事業が増えるにつれて、新たに検討しなければならない法的争点も多くなるものとみられます。次回は、NFTに関連した法的争点について具体的に取り上げ、お伝えしようと思います。


投稿:CHOI&LEE法律事務所 ハン・ダウン弁護士

原文:https://platum.kr/archives/185338



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