最近の事例で理解するM&A|会計法人MILESTONEのスタートアップCFO Case Study
【会計法人マイルストーンのスタートアップ CFO Case Study】最近の事例で理解するM&A
M&Aは、Merger and Acquisitionの略語で、合併と買収を意味し、韓国では通常、買収合併と呼びます。買収は、買収対象に応じて株式引受、営業譲受、資産譲受に区分することができ、合併は一方の会社が他社のすべての権利義務を包括的に承継するもので、合併方式により、吸収合併、新設合併、逆合併に区分できます。
会社の状況により、最も適切なM&A方式は何かを検討するためには、各M&A方式について定義、長所と短所を把握する必要があります。最近、M&A取引が行われた事例をもとに、M&A方式の特徴を簡単に見ていきましょう。
株式引受
株式引受は、株式取得を通じて、企業の経営権を獲得する、最も一般的なM&A方式です。
大洋金属(DAIYANG METAL)が、新規事業進出による事業能力強化のため、既存の永豊製紙(YOUNGPOONG PAPER)の最大株主であるクロス第一号投資目的(Q CAPITAL、キューキャピタル)が保有した持分50.55%(1,122万1,730株)を、1,289億1,523ウォン(約134億円)で買収した事例です。
株式買収は、買収対象会社(永豊製紙)はそのままの状態で、株主のみ変更されるもので、取引構造および手続きが相対的に簡単であるという利点があり、最も頻繁に見られる買収方式です。
資産譲受
資産譲受とは、特定の資産や債務を譲受渡契約により、移転されるものです。
Beyond Music(ビヨンドミュージック)は、interpark(インターパーク)の500億ウォン(約52億円)台規模の音源878曲の著作隣接権を全量買収することで、合計2万5,000曲以上の国内外音楽著作隣接権を保有することになったとともに、約3,000億ウォン(約313億円)規模の単一音源IP資産運用会社となった事例です。
このように資産譲受は、選別的に希望する資産(音源878曲の著作隣接権)だけを買収することができ、勤労関係を継承しない(interpark音楽事業部の職員は買収対象ではない)という利点があります。
営業譲受
営業譲受とは、対象企業の営業の全部または一部を譲受人契約により、その同一性を維持しながら譲渡人から移転するものです。
ヒョンデオイルバンク(Hyundai Oilbank)が、SKネットワークスガソリンスタンド306を買収し、一気に業界2位に跳躍した事例です。買収するガソリンスタンドの60%が首都圏に位置し、この間、首都圏の割合が低かった弱点を克服し、首都圏で事業を拡大することができました。
このように、営業譲受は希望する営業権の一部のみ、選別的に買収が可能であるという利点があります。ただし、公正委でHyundai OilbankとSKネットワークスの営業譲受件を承認したように、移転には一定の要件が必要か、政府の許可が必ず必要である場合があります。
吸収合併
吸収合併は、合併をした会社は存続し、合併された会社は解散し、その職員および財産が合併した会社に承継される合併方式です。
fourthlink(フォースリンク)は、子会社であるkoreafilter(韓国フィルター)を吸収合併した事例です。合併後、koreafilterは消滅し、fourthlinkは存続会社として残りました。fourthlinkは吸収合併を通じて、別途運営されていたkoreafilterを合併し、経営効率性を増大させ、fourthlinkの企業価値を向上させることができました。
両企業の合併同意直後、新しい企業を創設する新設合併も存在しますが、実践的に吸収合併事例がはるかに多いです。一般的に両社のうち、規模および実質の優劣関係が存在することが多く、新規会社を設立しながら発生する多様な諸費用の負担により、新設合併より吸収合併がより多く発生するという点は参考にしてください。
このように、M&Aはさまざまな方法でおこなわれます。各方式によって資産、契約等の移転問題、政府許可の承継可否および手続き問題、雇用承継問題などが発生することがあり、所要する期間と手続きの差も異なるため、M&Aの目的と意図を達成するための最も効率的で効果的な方法を見つけることが重要です。
筆者紹介:会計法人Milestone
著者ブログ:会計法人Milestone公式ブログ
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