ニュース

Ali・Temuの韓国進出で大打撃か…早朝配送サービスの元祖Kurlyは黒字転換

アイキャッチ
目次

Ali・Temuの韓国進出で大打撃か…早朝配送サービスの元祖Kurlyは黒字転換

  • 今年第1四半期のEBITA初の黒字
  • 食料品特化型戦略、新事業(化粧品)、運営費削減などによる効果

AliExpress(アリエクスプレス)やTemu(ティームー)など中国のEコマース業者が韓国市場に本格的に進出し、Coupang(クーパン)や11Street(11番街)など競合他社の苦境が深まっている。そんな中、食品の早朝配送サービスの元祖であるKurly(カーリー)は、今年第1四半期の業績改善が見込まれている。中国企業より競争力の高い食品分野に特化した事業構造が強みとなり、物流費や販管費など各種コストを削減した戦略が功を奏した。

21日、関連業界によると、Kurlyは近日中に今年第1四半期の業績を発表する計画で、創業9年目にして初めて四半期のEBITDAの黒字が予想される。Kurlyは今年1月に前年同月比で約100億ウォン(約11億5,000万円)増のEBITDA黒字を達成し、2月と3月も黒字が続いた。

Kurlyは昨年、売上高2兆774億ウォン(約2,380億円)、営業赤字1,436億ウォン(約164億円)を記録した。前年比の売上高はわずかに増加し、営業損失規模は898億ウォン(約103億円)減少した。

Kurlyが今年第1四半期にEBITDAの黒字を達成すれば、AliとTemuの市場攻略にもかかわらず、安定した収益基盤を築いたと評価されるだろう。会社内部では、△食品の売上増加、△化粧品などの新事業の売上増加、△物流費や販管費などのコスト削減などが、今年第1四半期の業績改善要因として挙げられている。

特に、KurlyがEBITDAから各種費用や税金を除いた純営業利益基準で黒字を達成すれば、株式公開(IPO)推進計画に弾みがつくとみられている。Kurlyは昨年1月、KOSPI上場の延期を発表し、「企業価値が十分に評価された時点で上場を再推進する予定」と明らかにしている。

Kurlyは夜11時前に注文すれば翌朝8時に届くという早朝配送戦略で急成長した。2015年29億ウォン(約3億3,000万円)だった売上高は、2022年~2023年2年連続で2兆ウォン(約2,290億5,000万円)を超え、700倍以上に増えた。今年2月末から、Eコマース業者としては初めて慶州と浦項地域に早朝配送サービスを開始するなど、全国に物流網を拡大している。

新事業として2022年11月にローンチした化粧品専門プラットフォーム「BEAUTY Kurly」は、累積購入者数400万人、総取引額3,000億ウォン(約344億円)を突破するという成果を上げた。化粧品は食品より単価と利益率が高く、取引規模が大きくなればなるほどプラットフォームの利益率は高くなる。

一方で、Kurlyと同様のコンセプトである早朝配送専門企業OASiS(オアシスマーケット)も、今年第1四半期単独基準で売上高1,289億ウォン(約148億円)、営業利益62億ウォン(約7億円)を記録し、2011年の創業以来、四半期基準で最大の業績を達成した。今年第1四半期の客単価と配送件数が前年同期比でそれぞれ10%、12%増加し、業績改善につながった。同社の関係者は、「ロイヤルカスタマーの再購入で客単価が上がり、会員数の増加が配送件数の増加につながった」と説明した。

昨年8月に初登場した有料会員制度「Kurlyメンバーズ」も加入者数が徐々に増えており、顧客のロックイン(Lock-in)効果で再購入率増加とマーケティング費用の削減効果が期待されている。



<Kurlyの業績推移/画像=ユン・ソンジョン>

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2024052015194279793


/media/UNICORN FACTORY
記事を書いた人
UNICORN FACTORY

2021年に発足したUNICORN FACTORY(ユニコーンファクトリー)は、MONEY TODAY(マネートゥデイ)が韓国の総合誌で初めてスタートさせたスタートアップ専門のメディアプラットフォームです。 溢れるニュースの中でスタートアップ生態系に必要なニュースだけを厳選し深く伝えます。

  • ホーム
  • ニュース
  • Ali・Temuの韓国進出で大打撃か…早朝配送サービスの元祖Kurlyは黒字転換